3/14
疑念
不安な表情の彼女がいた。
「僕の君への感情、戻ってきたよ」
「…」
「どうしたの?」
彼女が口を開いた。
「怖いの。あなたがいつ離れていくかが…。私、どうすれば、あなたに好かれつづけるんだろう?」
「気にすることないだろ。今、好きなんだから。これからも、だよ」
「本当?」
「そんなに僕のことが信用できないのかい?」
「なんだかわからないけど、不安なの。どんな手段を使っても、あなたをつなぎとめなきゃいけないような気がして…」
僕はいい加減、うんざりしてきた。
「気分、変えよう」
街を歩く。
「ねえ、私の他にタイプの娘、いる?」
「別に」
「ちょっとでいいのよ」
「いや」
「ウソでしょ!いるんでしょ!」
彼女は走り出してどこかに行ってしまった。