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ドキドキ!
「どうしたんだよ!」
僕は、彩乃が落ち着くように背中をさすった。
「私もよくわからないの!ただ、あなたに好かれなきゃならないって、なんだかしれないけど、すごく追い詰められてるの!」
彼女が落ち着くのを待って、僕は彼女の家を後にした。
次の日。
「おはよう!」
明るい笑顔で、彩乃が挨拶した。
…しかし、以前彼女に持っていた憧れは、すっかりかすんでいた。
彼女もおかしい。しかし、僕もだ。
…なぜ、彼女への憧れ、彼女への好意が、急に薄れてしまったのだろうか?
どうしようかなー?
僕は考えた。
もう、彼女のことは好きじゃなかった。でも、必死に僕に好かれようとする彼女は健気だった。
このまま放っておくのは可哀想だ。
また、好きに、…なれるだろうか?
放課後。
手をつなぐ。
…ドキドキした!