なんか可哀想な死神さん・・・
やっと4話・・・思い通りにすすまない・・・のんびりとした話ですが楽しんで下されば恐縮です。
「はぁはぁはぁ…やっと上がれた…」
疲れ果てている貞〇…
「お前さんは死神だろ?なんで溺れているんだよ…さっさと浮かんで来れば良かっただろうに…」
カロンも呆れている…。そりゃそうだ、船に突っ込みそうになったのも飛んでいたからで、スピードを落とせば当たらずに済んだはずだ…。それができないってことは…こいつは…
「お前さん…死神でも落ちこぼれだろ」
ずばっとカロンが鋭くてきついことをさらっと言う。
「ぐっ…た…確かに私はみんなよりは、少しばかり劣りますけど…そこまで言わなくてもいいんじゃないですか?」
死神も応戦するが…
「船に当たりそうになったらスピードを落とせばいいし、川に落ちたとしても、すぐにあがって落ち着いていれば、こんなことになることもなかっただろ?」
ぐっ…と何も言えなくなる死神。かなり哀れだな…。
「まぁまぁ、カロンも貞〇も落ち着けって。あんまり船の上で争うなよ」
おれが仲介しようとするが…
「だ…誰が貞〇ですか?!私にはシーネという立派な名前があるんですよ?!とりあえず、死人にあれこれ言われる筋合いはありませんよ!!」
と火に油を注ぐ結果になった。
「はぁ~…どうする?華依、こいつをもう一度船から落として向こう岸までいくか?」
と身も蓋もないことを言い出す。
「ちょ…落とさなくてもすぐに出ていきますよ!!こんなところ!!」
と勢いよく立つシーネ。しかし、それにより船が大きく揺れ出す。
「あ…ああああ…やばいやばいやばい!!」
と慌てているシーネ
「ちょ…落ち着け!!船が転覆するぞ?!」
急いで落ち着かせようとする俺が近寄ろうとすると
「ちょ!!華依まで動くな!!マジでやばくなるから!!」
とカロンも慌てている。そんな俺らの苦労も知らずに
「どうしようどうしようどうしよう」
と周りが見えてないシーネがかなり動揺しまくっている。そんなこんなしていると
「やばい!!華依手を出せ!!」
カロンが慌てて手を出す。急いで手を握り、シーネの方にも手を伸ばす。しかし、間に合わずに船が大きく揺れた。転覆する!と思ったとき、カロンが船に手を触れた瞬間、勢いよくふねがグルンと一回転して元の位置に戻る。
「ふぅ~やばかったな。どうにか間に合ってよかった」
とカロンも冷や汗をかいていたようだった。俺も冷や汗をかいていた。
「あれ?シーネは?」
とうるさかったシーネを探す。船には乗ってないってことは、また落ちたか?いや、落ちた様子もないし…
「華依、上だ」
とカロンが上を指す。俺はカロンの手を握っていたから何とかなったが、シーネは握っていなかったから、勢いよく上にあがったらしい。
「やばい、川にまた落ちる!!」
と手を伸ばす。
「ぎゃああああああああああ」
と叫びながら落ちてくるシーネを助けようとするも、逆にシーネが俺の肩に手が当たり、ぎゅっと掴む
「ちょ!!まっ!!」
と踏ん張ることもできずに、川に落ちていく俺とシーネ。
「カ…カロ…」
とカロンに助けを求めようとするも、手を振ってやがる。
「楽しんでおいで~」
と楽しそうに言ってやがる。
川に落ちていく俺ら。
目の前が真っ暗になっていく。
音もなく何も見えない。
体も動かせない。
どうしようもないと思ったとき、シーネの体が当たり近くにいるんだと思いながら意識がなくなっていった。
「こんなところにいましたか…」
船の上から男が声をかける。落ちていった華依たちを見送って、『たばこ』を吸っているカロンさっきのように骸骨姿ではなく、30代後半の平凡な体型をしており、長いウェーブのかかっている髪を邪魔そうに横に払いながら、
「よお、早かったな。」
と上に居る男に軽く返事をする。
「早かったじゃないですよ…。仕事がまだ終わってないのにふら~っとどこかに行くんですから…普段はひきこもりのくせに。」
と悪態をつきながらカロンの隣に降りてくる。
「いや~死神の落ちこぼれのせいでまだ生きる予定の奴が来ると聞いたら見に行くしかないだろ?いずれ俺のところにもくるかもしれんしな」
と笑いながらタバコをふ~と吐く。紫煙が上へと上がっていく。
「来るならそこで待っていればいいのに…カロンの真似をして…」
「ハッハッハ、華依は楽しい少年だったぞ」
と愉快に笑い出す。
「はいはい。分かりましたから早く仕事に戻りましょうね~行くますよ~」
「ちょっとまて!これから、華依たちを川から出しておいてやらないと」
慌てて、この場に残ろうとするカロン?。
「それなら、死神たちに連絡しておきましたからすぐに着ますから大丈夫ですよ」
しょぼーんとうなだれるカロン?。
「仕事が詰まっているって言ってますよね?」
にっこりと詰め寄って来る。
「わかったわかった。戻るから怒るなって」
そう言ってタバコを川に捨てる…が捨てようとした瞬間手を掴まれる。
「ポイ捨てはしてはいけないと何回言えばいいんですか?」
と頭を叩かれる。
「いって!!上司の頭を叩くなよ!!」
「叩かれたくないなら早く行きますよ?ハデス様」
「はいはい、わかりましたよ…。華依、これから、大変だと思うけど頑張ってな」
と言葉を残し、ふっと2人の姿と船が消える。残ったのは波紋のみであった。
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