第二十三話 寄付を、家計の貸借対照表と義務の不在で門前払いする男
すみません、協力できません。
募金活動をされているのは素晴らしいとは思いますが
生憎と持ち合わせがなくてですね。
「困っている人のために、ほんの少しの善意を」とおっしゃるのですか?
なるほど、それは素晴らしい志ですね。
ですが、私にとっての「善意」は、無計画にばら撒くためのものではなく、
家族や自分自身の生活を守るための限定的なリソースなのです。
冷酷な人間だ?
いえいえ、私は極めて誠実な人間なだけです。
私は毎月、自分の収入と支出を円単位で管理しています。
私の家計という組織において、出所の不明な「寄付金」という勘定科目は存在しません。
予算にない支出を認めることは、経営者として失格ですから。
コーヒー一杯分を我慢すればいい?
それは妙な論理ですね。
私がコーヒーを楽しんで得られるリフレッシュ効果と、見ず知らずの誰かに送られる不透明な資金。
私にとっての投資対効果(ROI)を考えれば、どちらが優先されるべきかは明白です。
それに、私がコーヒーを買うことで、そのお店の経済は回ります。
立派な社会貢献だと思いませんか?
おや、どうされました。 そんなに険しい顔をされては、活動のイメージが損なわれますよ。
笑顔で呼びかけたほうが、私のような「不誠実な人間」以外からは集まるかもしれませんね。
では、私はこれで。
なお、その後、男は「ふるさと納税」の返礼品リストを冷徹に精査し始めた模様。
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