表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花の精みたいな君へ  作者: 水玉 葛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/7

月光

 二人で離宮を出て、もっと素敵な物を見せたいと思った。俺の秘密の場所。月の光が照らす、野の草花が咲き乱れる場所。君はその中で、月の光に照らされながら柔らかく微笑む。まるで、お姫様みたい。俺は花を摘んで冠を作って、君に差し出す。差し出された冠を被って君は小首を傾げる。俺は君の頬を撫でながら言う。


 「こんな花も、ひなに似合う。」


 君の頭に載せた冠は、君を飾る。ああ、このまま君と将来を誓えたら良いのに。


 「夜様、素敵ですわ。」


 素敵なのは君だよ。


 「ひながいいんだ。そんな風に笑う、ひながいい。」


 「私ですか?」


 「ひなと、一緒になれたらいいのに。」


 そっと草花を摘んで、君の薬指に巻き付ける。


 「残りの人生ずっと、ひなと過ごして愛しあえたらいいのに。」


 俺は本能で分かっていた。大切な番は君なのだと。他の誰も君の代わりになどならないと。君は驚いていた。そして涙を溢して、幸せそうに笑ったんだ。君と過ごした時間は短いけれど、俺は君がいいと思った。


 「夜様。私、幸せ者ですわ。」


 「俺はもっと幸せだよ。ひなを見つけたあの日からずっと。」


 君は俺を見つめて。


 「私は夜様から貰ってばかり。」


 その瞳に涙の膜が張って。そして溢れて。


 「私、こんな幸せな日々は初めてでした。全部、初めての事だらけ。」


 慌てて涙を拭うけれど、後から後から流れ落ちて。


 「私、罪深いのですわ。」 


 そして、君の哀しい話が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ