逢瀬
君との逢瀬が始まった。君は毎晩離宮に来てくれた。俺は君を見つけると嬉しくて嬉しくて。
「夜様、お逢いしたかった。」
「ひな、俺も逢いたかった。」
君はとてもとても愛らしく、甘かった。毎晩優しい気持ちで君を見つめる。遠くから見ていた頃が思い出せない。
「昼間の君はどこにいるの?」
「内緒ですわ。」
「君と昼にも会いたいな。」
「駄目…ですわ。」
「だったら、夜は俺に欲しい。」
君は少し驚いた顔で俺を見つめて、そして花が溢れる様な笑顔で頷いた。
「夜様だけ。」
そんな言葉。
「俺の可愛い、ひな。君は特別。」
君を抱き締める。君は頬を染めて言ったんだ。
「私は、幸せ者です。」
「そんな事で幸せだなんて。」
君は俺の頬をそっと撫でて。
「初めて贈り物を貰った時、夢みたいだって思いました。初めての贈り物。綺麗なモチーフの手鏡。あんなに素敵なもの、私にって。」
「ひなに似合うと思ったんだ。」
「嬉しかった。」
君を抱く腕に力が入る。
「ひなが好き。」
「私も、夜様が大好きです。」
「もっと、ひなを知りたい。」
「駄目…。」
「ひなを、愛したい。」
「夜様…。」
最後まで聞かずに君の唇を奪った。君の唇は甘くて、柔らかくて。
「ひなと一緒に時を過ごしたい。」
「私…。」
君は切なそうに笑って言った。
「こんなに幸せで良いのでしょうか?」
いいよ。君を幸せにしたいんだ。
「俺の、大切なひな。」
君を抱き締めて、何度も口付けを繰り返した。だって、この日から君は俺の物になったんだから。




