表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/11

9   なんもはいてない

 なんの期待もせずに読むのがルールの小説、略して「なんきた小説」です 。

 青から風がふいて気持ちいい。


「ふー…すー……ふー…すー……」


 さっき走ったことが、今、息をととのえると称して、少女がまったりしていることの原因になっている。つまりちょっと休憩中。




 少女はとろけるように脱力する。





 ほっぺもペタリとテーブルにくっつけて、さらに力が抜ける。ただ、太陽はすこし暑い、顔にすごく当たるし、たぶん髪はもっと熱い。




 どこかの街で熱せられている犬小屋から、わずかに出た犬の鼻も太陽に当たっている。少女は思う。このままでは乾いてしまう。

 優しい不良が通ったら、きっと、見かけによらず、日傘をさしてくれたりするのだろう。見かけによる場合は、無色透明な安い傘をさしていくだろう。


 フェアリーの心を持っていない不良はただの不良だ。フェアリーの心を持っている不良はただ者じゃない。

 すばらしい。

 8割いるし、飛べるし「お母さん、今日も飛んでいるよ。たくさん。夕方に多いね」夕日に染まり飛ぶ勇姿。



「ふーーすーーふーー………」



 やはり顔が熱い。


 少女は脳みそがところてんになり、「わあ、おいしそう」とか、いろんなことを思っている。




 「むくり」と起き上がり、汗ではなの下に張りついた髪の毛を払い、皿をまたぎ、そのまま反対側にたおれるようにして、カバンの中へと手をのばす。



 「わしゃ」という感触。



 カバンの中から「ぬるり」と麦わら帽子を取りだす。



 再び、さっきまでのだらりと倒れた姿になり、少女のその横顔に、麦わら帽子なりのふわりとした重力が乗っかる。



 風がはらりとスカートを揺らしていて、左手はだらりと力無くも、重りとして、帽子のはしをしっかりとおさえている。



 白い雲の浮くトースターを、上目づかいで見つめる。



 トースターの中で空が動いているのがわかる。




 太陽の光のせいで、みんな明るすぎて、ただの青と緑の風景なのに光っていて、目を細めなければちょっとまぶしくなる。



 花もそう。草も。空も。麦わら帽子も。みんな。あと雲も、みんな「ぱっ」と光っている。



 例えば風の中にほこりや葉っぱなどが混ざっていれば、目視として確認し、風も光っていると言えるのかもしれない。



 それが、全体的に白いもやにさえ見えている。



 現実感がいまいちな、失敗作の夢のよう。





 風が素肌にふれると気持ちいいから、顔の表情なんてかえることもなく、足だけこちょこちょ動かしてくつを脱ぐ。「ぽとりぽとり」くつは落ち、開放感も風もきもちいい。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ