11 なんも終わんない
なんの期待もせずに読むのがルールの小説、略して「なんきた小説」です 。
風はやりたいようにスカートを揺らしていて、その代わり、足裏は涼しくしてくれる。
背中のシミは本当にかすかにだけど、草のにおいがしていた。でも今はもうたいようで乾ききってしまって、その背中の草のにおいは、すこしいい匂いだったのに、もう無いのだろう。
左手は太陽にやられていて、
それにおさえられて麦わら帽子があり、その下の日陰にしょうじょの横顔はある。
ほっぺなどはきっと、テーブルの跡がついていて、赤くなっているだろう。
むぎわらに「くしゃり」とおさえられた髪は、いまのところはなの下には貼りついていない。
しょうじょのひょうじょうはわらっているようにも見えて、めはとじている。
青く、空は有り、白い雲はどれも光っていて、形は次々に代わっていくし、風の方向に流れる。
少女の目が見た、風の生まれる青は、目が閉じられているのだから、どこだか知れなくて、それでも風は吹くし、草も揺れてその匂いは届く。
めを閉じているしょうじょは、この美しい青と緑のせかいが見えていないわけだが、それでも、草のにおいと、風の涼しさでじゅうぶんに良かった。
いまは見れなくても、雲の光っていることは好きだし、太陽のにおいだって好きだった。
風は涼しく吹いていて、草が揺れている。
白いスカートがゆれている。
少女の夢は未来で全て光っている。
しょうじょがトースターの焼きあがりの合図におどろき、とび起きるまで、もうすぐ。
パンはよく焼けている。
なんの期待もしなかった皆様に感謝。




