1 告白
この作品はNTR描写があります。
苦手な方はご注意下さい。
「小さい頃からずっと雪奈の事が好きだった!俺と付き合って欲しい!」
長年積み重ねてきた想いを思い切って伝えた。
相手は森口雪奈、俺の幼馴染。
俺は結城弘斗、高校一年生。
雪奈とは小学校から一緒だった。
家も近所で仲良くなった。
俺はずっと雪奈の事が好きだった。
肩にかかる黒髪、優しい性格、可愛い笑顔、透き通るような声、全てが好きだった。
何故今まで告白しなかったかというと、俺達にはもう一人幼馴染がいるからだ。
須藤一臣、同い年で俺たちはいつも一緒だった。
一臣は俺より頭もよく、スポーツも出来、容姿も整っていた。
男子からの人気も高い雪奈と、女子からの人気が高い一臣は周りから見たらお似合いだった。
俺はと言えば、顔は普通、勉強は真ん中より少し上、スポーツはサッカーを中学の時に部活でやっていたので少しは得意だが、同じ部活だった一臣には敵わなかった。
しかし、高校に入ってから一臣はサッカーを続け、俺と雪奈が帰宅部になったおかげで雪奈との時間が増えた。
俺はもう自分の気持ちを抑えられなかった。
だからまずは一臣と話をした。
「どうしたんだよ?改まって話があるなんて、弘斗にしちゃ珍しいじゃん?」
「いや、マジな話なんだよ。」
「へえ?なんだ?恋バナでもしようっての?」
「…そうだよ。俺、雪奈に告白しようと思ってる。」
「おー、やっとかよ!おせーんだよ!」
「へ?な、なんで驚かないんだよ?」
「驚くかっての!弘斗が雪奈を好きだってのはわかってたし。」
「そ、そうなのか?」
「ああ。丸わかりだろ。俺は置物じゃねーんだから。」
「そうか…。え?お前はいいのか?」
「いいのかって、なにが?」
「雪奈に俺が告白してもいいのかって事だよ!」
「いいんじゃね?だからおせーくらいだって言ったろ?」
「一臣も雪奈の事を好きなんだと思ってた…。」
「いや、小さい頃はな?今は色んな女の子が周りにいるだろ?」
「うーん?」
「だから、昔は近くに雪奈しかいなかったから、雪奈の事を好きだったって事だよ!」
「じ、じゃあ、今は?」
「特に雪奈と付き合いたいとかは思ってねーよ。」
「そ、そっか…。良かった…。」
「良かったって何だよ?」
「いや、そりゃそうだろ。俺じゃ一臣には敵わねーし。」
「ンなことねーだろ、お前にはダチが一杯いるだろ?」
「けど、能力的には…。」
「人望も能力だろーが。そんな事はいいんだよ!いつ告白するんだよ?」
「…明日にでもしようと思ってる。」
「…そっか。まあ、頑張れよ!」
「ありがとな!失敗したらと思うと怖いけどな…。」
「怖がってちゃ前に進めないだろ?」
「ああ、頑張ってみるわ。」
「おう、じゃあ結果を楽しみにしてるからな!」
そういう流れで今の告白がある。
「雪奈の気持ちを聞かせて欲しい。雪奈の本心を。」
「き、急だね、びっくりしちゃったよ。」
「悪いな、けど、どうしても気持ちを伝えたかった。」
「う、うん。大丈夫、びっくりしただけ。」
そう言って深呼吸をする雪奈。
「わ、私も!私もヒロくんの事が好きでした!こちらこそよろしくお願いします!」
「……へ?」
「え?へって何!?」
「あ、いや、この場でOK貰えると思ってなかったから…。」
「も、もう!私だって勇気出したんだから、ちゃんと返事してよ!」
「あ!そ、そうだよな!え…っと、これからよろしくな?」
「う、うん!え、ヒロちゃんが私の彼氏でいいんだよね?」
「お、おう、雪奈が俺の彼女…。」
「そう!なんだよね?いいんだよね?」
「おっしゃー!!!!!!」
「わっ!びっくりした!な、何急に?」
「いや、今理解した。なんだかパニくってて…。」
「もう!しっかりしてよね?」
「ああ、ごめん、ごめん。」
締まらなかったが、とにかく告白は成功した!