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第11話 ウィンリーとデート


 今日はウィンリーとのデートの日だ。


「ウィンリー、準備出来たか?」

「で、出来ました、けど……」


 自室から出てきたウィンリーはメイド服では無く、普通の私服を着ていた。


 ウィンリーは素朴な村娘って感じだが、やはり美少女なのでどんな服でも似合うものだ。


「あの、一介のメイドがレイド様と、デートだなんて……」

「何言ってるんだ。ウィンリーは俺の将来の妻だ。デートしたって、何ら不思議じゃないだろう?」


 ウィンリーは元来自分の評価が低い。

 自分のことを不細工だと思っているし、こうして俺が将来、側室にすると言ってもひき目を感じている。


「で、でもぉ……」

「いいからいいから、ほら、行くぞ」


 俺はウィンリーの手を引っ張て、城下町に繰り出した。







 世界屈指の大国である帝国の城下町は、かなり賑わっていた。


「ウィンリーは休日は何をしてるんだ?」

「えっと、お花をみたり、珍しいお花を探すのに花屋さんに行ってます」

「ふむ」


 ウィンリーが花好きだったとは。

 確かに思い返してみれば、ウィンリーは部屋の花瓶の水をこまめに交換していた。


 花が好きなら、珍しい花瓶がある店なんて喜ぶかもしれないな。


 確か世界中の国の食器やガラス細工を扱う店があったはずだ。


 大通りから人が少なくなって来た頃に見える、お洒落な硝子が飾られた店がそれだ。


 店に入ると僅かなアロマの香りがした。

 どうやら、お香を炊く硝子を実際に使って見せているのだろう。


 俺が入ると近くにいた店員がすぐに挨拶に来た。


「レイド殿下、いらっしゃいませ」

「ああ。すまないが、少し見せてもらってもいいかな?」

「勿論でございます」


 これまで何度か他の店に入ったのだが、何となく俺への対応が柔らかくなった気がする。


 うーん、何だろうと考えてみたが、結局答えなんてわからずに


「凄い綺麗だな」

「はい、とても」


 ウィンリーもこんな店があったとは知ら無かったみたいで、ほわぁーと口を開けながら店内を眺めて楽しんでいた。


 とても可愛い。


 実はこの店、原作の裏ルートでイベントが起こる場所なのだ。

 イベント自体は大した事無かったんだが、ゲーム越しでもわかるくらい綺麗な硝子製品が並んでいたので、とても印象に残っていた。


「おっ、この花瓶は綺麗だな」

「わあ。こんなに綺麗な花瓶、見たことないです!」


 ウィンリーはかなり悩んだ末、花瓶を二つ選んだ。


 ウィンリーが購入している間に暇だったので、店内を回っていると面白いものを見つけた。


「へえ、硝子のペンダントなんてあるのか」

「そちらは我々が特別に取引させていただいている、エルフの職人さんの手作りの品なんです。実はこの店に並ぶ三割の硝子細工は彼女が作ったんですよ」


 ほう、それは知らなかった。


 俺が今見ているペンダントは硝子の中には海の中で泳ぐイルカや大空に羽ばたく鷲が描かれていた。


 どれも人間が作れるとは思えない。

 凄く美しい品々だ。


 いずれ、この職人に会ってオーダーメイドで何か頼むのも良さそうだ。


「ふむ……。それじゃあ、これとこれを包んでくれ。プレゼント用にな」

「畏まりました」


 その後、俺はウィンリーと共に高級レストランで夕食を食べ、終始アワアワするウィンリーを面白がりながら、楽しいデートの一時を終えた。


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