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未知との遭遇

こっから頑張っていきます〜

2025年 7月11日。

人々の日常は一瞬にして崩壊した。


国民の約4割が突然自我を保てず獰猛化し、各地で暴れ回る《狗者》と化した。


原因は不明だ。


そのため各地では、暴動が鳴り止まず、警察や怪傑などが出動するも、相手もなかなか手強く、事態は難航を示している。


午前8時15分。


咎峰田鶴は日頃通っている明美東高校へ遅刻確定の時間で登校している最中だった。


ついさっきまで楽しげに話していた高校生や犬の散歩をしていたおばさん。


バス停で並んでいたおじいちゃんまで、周りにいた人々の半数がいきなり悲鳴をあげはじめ、物を破壊したり他者に襲いかかったりと酷い有様だった。


街中で悲鳴と爆発音などが交錯し、おそらくどこに行ってもめちゃくちゃな状態で、安全と呼べる場所は無いと言っても過言ではないだろう。


田鶴には何が起きているのか理解することが出来なかった。だが考えるより先に足は動いていて、いつも通っている通学路を自転車で駆け抜ける。


先生とみんながいて、教室に入ると「おはよう」と言い合い席につくような、そんないつもの風景がそこにあると願いたかった。


ただの現実逃避である。


必死に自転車を漕ぎ約12分。

その間に何人もの悲鳴を聞いた。血痕もみた。泣いている子もみた。


だが1度もその足を止めることは無かった。


そんな自分に罪悪感を覚える暇すらなく、パニックになりながらも校門に着くと、少しほっとして自転車を降りる。


辺りは荒れていて、倒れている木や少し崩れている校舎から、さっきまでここで誰かが暴れていたことが伺える。


未知の事態への恐怖と、周りにヤツらがいないことへの不自然さを感じながらも、ボロボロになった校門を通り、なるべく音を立てないようにいつもの校舎へと向かった。


震える足とバクバクと音を鳴らす心臓と一緒に慎重に下駄箱まで来ると、そっと上履きを履く。


まだ襲われてないのか逃げたのか、ここではあまり荒れた跡がない。


そして誰にも出くわすことなく2階へと階段で登った。


そしてカーテンの閉まった1年2組の見慣れたドアを開けようとする。


だがドアはあかなかった。それどころか、人がいるような様子さえ感じられず、鍵が外からかけられているようだ。


焦りと恐怖心が増していき、ドアを叩く。強く叩く。


「誰か!! 誰かいないのか!! 僕だ!! 僕だよ田鶴だ!!お願いだから返事をしてくれ!!」


だけど返事はなかった。


やはりみんな避難しているのだろうか、だとしたらどこに.....


その時だった。


「トン、トン、トン」


誰かの足音が聞こえたのだ。


「だ、誰かいるんですか??僕です。1年1組咎峰田鶴です。助けてください!」


だが返事はなく、音は近づいてくるばかりだった。


電気がついてないうえに視力が悪いため、よく見えなかったが、たしかに人影が近づいているのが見えた。


もしかしたら自分と同じように遅刻してきた人かもしれない。そう思い藁にもすがる思いで声をかける。


「良かった...僕以外にもいたんだ!!!本当に良かった....一緒に避難しよう!!」


またも返事はない。


「ね..ねえ??」


少し不信感を抱きながらも恐る恐る近づいてみる。


だんだんと鮮明に見えていく中、そこにあったのは見慣れた制服。

身長的にも同級生だろう。


ホッとしてもっと近づこうと試みる。


だが今の位置からもう一歩踏み出した瞬間、田鶴は絶句した。


そこにいたのは同級生の生徒などではなく、ものすごく赤い目をしている人型の何かだった。


その目は恐怖心やら絶望感を煽るような、見たことのない未知の赤色をしていた。

こっから面白くなっていくと思います!

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