砂嵐とシルエット
小説書くのって難しいですね
でも怖かった。それだけだ、本当に単純なそれだけの理由で僕は今までの仲間たちも優しくしてくれたおばあちゃんも、全てを捨てたのだ。
僕は走っている。
泣く資格なんてないのにもかかわらずまぶたから涙をこぼしている。
引き返せば間に合うかもしれない。後悔を承知の上で僕は走っている。
自分が本当に本当に大嫌いだ。
こんなに弱い自分なんて
死ねばいいのにと思う。
後ろで唸り声が聞こえる。
誰かがやられるのだろうか。
僕のせいだ..僕が殺したんだ。
僕のせいでおばあちゃんが人殺しになるんだろうか。
そんなの..そんなの嫌だよ...
全て自分が悪いのに、涙は止まらない。
本当に僕は最低だ。
おばあちゃんがくれた優しさは、今でも心に残っている。高校の入学祝いに編んでくれたこのミサンガ。
それを渡してくれたあったかい手。おばあちゃん子じゃない僕はそこまで仲良くしていたわけではないが、いつも笑顔のおばあちゃんが大好きだった。
お願いだよ......
「お願いだ..!!誰か..助けてくれぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!!」
自分の中で出せる限界の声を出した。
1人でも遠く、1人でも多くの人に届くと、そう信じて。
田鶴は酸欠で転倒した。
その時だった、小さな砂嵐が吹いた。
それと同時に後ろで大きな音が響く。
断末魔のような声が聞こえた。
本当に...誰か助けてくれたのか??
僕の、声を聞いて??
半信半疑で僕は断末魔の聞こえた方へ引き返す。
煙幕が邪魔してよくわからないが、人影があるのはわかる。
本当に助けにきてくれたのか...
良かった。本当に良かった.....
神様はいたんだ。本当にありがとう...。
煙幕がだんだん晴れ、だんだんと鮮明になっていく、白いシャツに灰色のズボン。茶色のベルトに引き締まった黒髪。
田鶴は驚愕した。
「あ、あなたは...」
彼は振り向いた。
「勝手に外に出るなと、忠告したよな?」
彼は明美東高校生徒会長、浅賀博人だったのだ。
本当にこの人は神様なのかもしれないと思った。
驚きのあまりしばらく固まってしまった。
「あ、あ、ありがとうございます!!!!」
地面にものすごい勢いで頭を下げる。
感謝してもしきれない。
「顔を上げろ」
彼は言った。
「は、はい」
顔を上げた刹那、僕は何か凄まじい衝撃をうけ、地面にたたきつけられた。
頬がものすごく痛い。目の前に浅賀先輩がいる。僕はおそらく殴られたのだろう。
「す、すみま」
「ふざけるなぁぁぁ!!!!!!」
僕の言葉を遮りとてつもない轟音で彼は叫んだ。
世界が止まったかと思った。
「仲間すら守れねえ奴が、カッコつけてんじゃねえよ」
「そこのやつは俺が止血してやる。だからお前は後の2人を連れて、すぐ学校に戻れ。話はそれからだ。」
怒られるのだろう。
当たり前だ、それだけのことをしたのだ。大人しく従おう。
「ちょっと待ってください....」
この声は...哲平だ。
「哲平!!大丈夫なのか?...ごめん..本当にごめん..僕のせいで..」
泣いて謝ったところで、許してはくれないだろう、謝る権利すらないのかも知れない。
「いいよ...第1スッポンなんて選んだ俺が悪かったんだぜ、気にすんなって」
無理に笑顔を作っている。
なんて優しいんだ...本当に本当に自分が憎くなる。
「浅賀先輩、俺のことはほっといていいから、せめて田鶴たちには先に行かせてあげてくれませんか..??俺のせいで諦めるのは嫌なんです....まあもし拒否されても意地で抵抗しますが。」
「それは、脅しのつもりか??」
浅賀さんは少し強い目で鉄平を睨みつけた。
「脅しになるとは流石に思ってませんよ。ただ、自分の家族や仲間を心配になる気持ちは、あなたにもわかるんじゃないっすかね??」
「河野鉄平...面白い。お前の口車に乗ってやろうじゃないか。ただし、自分の身は自分で守れよ。」
「わかりましたよ。ありがとうございます、生徒会長さん..。」
僕にはその会話の意味を半分くらいしか理解することができなかったが、浅賀先輩に同行してもらえると言うのは、とても大きなメリットだ。
「よ、よろしくお願いします!」
優馬も同じような様子だった。
軽く準備を整え、哲平の止血も応急処置だが、完了した。
「本当に大丈夫なの??」
「おうよ、心配ねえぜ」
強がってるのがわかるよ....
でもここで彼を置いていけばそれは彼のプライドを傷つけることになる。
もう悲しませたくないから。
「じゃあ行くぞ、ついてこい。」
もっと頑張るぞい