身分違いな恋だとしても好きでいて良いですか?
「これで何度目ですか真理お嬢様?」
10歳年下の執事でお目付け役の礼二が呆れている。
何故呆れているのかと言うとお見合いをドタキャンや途中でバックレる等を繰り返して居るからだが…もう10年以上無理矢理な結婚など御免だと何度も両親に告げて来た。
「もう、引取り手何てありませんよ?」
代々私の屋敷に使えて来た執事の家柄で幼馴染みであるが主である私には何故か常に毒舌だ。
だが礼二に毒舌を言われても悪い気がしないから咎めた事は無かった。
「うるさいっ」
礼二に言われた言葉に見合いから帰って来てから自室に引き込もってソファーに座っていた私は抱いていたクッションを礼二に向けて投げつける。
だがあっさりかわされしまいクッションは壁に当たりボンッと跳ね返るとボトリと床に落ちた。
年齢が年齢だ言われなくてもそんな事ぐらい分かっている。
でも、私が好きなのは昔から礼二なのだ。
身分が違う…そんな事分かってる。
だが、想いはとめられない…父親が優秀である礼二にも見合いの話を持ち出し礼二は拒否る事なく了承する。
その度に当日に礼二に無理難題をつけてドタキャンさせて来た。
10歳も違う…こんな私を礼二が好きになる事等無いのに…。
幼馴染みである故に学生時代から身分を利用して我が儘の限りをつくし、礼二が好きだと言う奴らを片っ端から学園から追い出し、礼二に恋人が出来ればその女を追い詰め別れさせた。
きっと礼二からは恨まれているのだろう。
でも、何故か礼二は私から離れる事もなく現在も執事として勤めている。
仕事だからと割り切っているのだろう。
私はこんなに胸が苦しいのに。
自分がまるで悲劇のヒロインのように思っている自分自身が実に滑稽である事ぐらい分かっている。
「毎回投げられるクッションが可哀相です」
などと小言を言いながら床に落ちたクッションを拾い上げポンポンとホコリを落としながら私が座っているソファーに近づき私の横にクッションを置いた。
「今回の方は四ノ宮財閥の方…真理お嬢様と同い年で仕事に没頭し過ぎてて結婚する機会を逃していらっしゃっていたそうじゃないですか…勿体無い」
「だったら…、だったらお前が私と結婚しなさいよっ」
また小言を言ってくる礼二に真理は抑えられず思わず本音を投げつけてしまった。
「あ、…っ」
ーーーーついに言ってしまった。
言ってしまった事は取り消せない。
焦った私に礼二が思いもよらない言葉を発した。
「良いですよ」と。
「なろうラジオ大賞」に投稿するに当たって1000文字以内と言う事でギリギリまで書き込んでみたんですが、1000文字以内って難しいですね(汗)
はじめて悪役令嬢と言う題材で書かせて頂いたのですが、ちゃんと悪役令嬢になってるのか…心配ですが読んでいただきありがとうございました!
こっそりと続きも書いて行きたいと思います!
【追記】
※続きが1000文字以上になりそうなので、なろうラジオ大賞が終わったら続きを書く予定です。