子宮の本音
名前をくれるはずだった貴方へ、
泣かないでください。貴方が悪いわけじゃないんだから。
手首に線を引かないでください。悪いのはこの時代です。
貴方は毎日私に話しかけてくれましたね。優しい声で、毎日。
会って会話を交わしたかったです。
貴方は毎日私の存在を確かめるように、撫でてくれましたね。
それが本当に心地よくて、落ち着く時間でした。
私はこれからゴミになってしまいます。どこかの誰かがつくった、訳も分からない冷たい器具によって生きることを中止されます。
でもやっぱり生きたかったです。生きたかったです。
最後の抵抗を私はします。私を命ごと飲み込もうとするそれから逃げます。そんな抵抗もむなしく、私は生きる前に死にます。
ああ、出もしない涙が出てきます。貴方の大切な水と混ざって溶け合いました。
まだ泣いてるんですね。
それなら、泣くくらいなら、どうぞ死んでください。
大好きなママ···
中絶です