★運命の日
おかしな表現もあるかもしれないですが、そこわ大目に見てやって下さい;;評価ご感想お待ちしております!!!
1月1日 元旦 初詣
「う〜寒いっ!」
あたしがこう呟くと隣に居る親友、夏輝も
「寒いね〜」
と呟く。女のあたしが言うのもなんだけど、夏輝は完璧だ。
スラーっと伸びた長い手足。整った顔立ち。おまけに成績優秀。運動神経抜群とゆうオプションまで付いてくる。
隣で歩いてるだけでなんだか誇らしい気持ちになってくる。
とかいってただ単に夏輝みたいにモテル人種になりたいのかもしれない。
たまに夏輝の親友はあたしでいいのか?
なんて思うくらいだ。
打って変わってあたしはどこにでも居るようなごくごく普通の女子高校生。顔だって可愛い訳じゃないし、成績だってよくない。・・・はあ、考えるだけで虚しくなってきた。
よし!やめた!ポジティブシンキングで行こう!悩んだってしかたないよね。
でも今日は初詣しに来たわけだし、神様にお願いくらいはしてもいいよね・・!
「ど〜か神様あたしをモテモテにして下さい!!」
力強く願った。
「夏輝ぃ!何お願いした?」
あたしが聞くと、夏輝は少し頬を火照らせて答えた。
「あたしね、今好きな人が居るの。だから、その人に想いが届くようにって。」
テレながら喋る夏輝はとても可愛くて・・・ってえぇ!?好きな人居たんだあ!
「え!?だれだれっ?」
あたしが少し興奮気味に聞くとなんとも驚きの返事が返ってきた。
「えっとぉ・・同じクラスの松田くん。」
えっ?今松田って言った!?ありえない・・・だってあの夏輝が松田だなんて・・・ねぇ?もう一回聞くことにした。
「ごめん・・・もう一回言ってくんない?」
すると夏輝は小さい声でまた同じ事を言った。
あたしはショックだった。なんせ松田は学年でもかなりのキモ面(不細工でヲタク)だったから。
あたしは
「やめときなよ」と言おうとしたが、その前に夏輝が口を開いた。
「分かってる。あたしじゃ松田君にふさわしくないって事くらい。やっぱり無理な恋なのかなあ」
いやいや、逆だよ逆。夏輝がふさわしくないんじゃなくて、松田がふさわしくないの!
とか心の中では思いつつも言葉では
「そんなことないよ!応援してるから頑張ってね!」
なんて言っていた。
あ〜あ松田も随分偉くなったもんだな・・そんな事を考えていると後ろから
「ぽん」っと背中を叩かれた。
夏輝かと思って振り向くと、そこには一人の少年が立っていた。するとその少年が訳のわからないことを喋り始めた。
「お前は先ほど神に対して何を願った?」
子供の癖にかなり偉そうだ。あたしはムッとしながらも素直に答えた。
「あたしをモテモテにして下さいって頼んだの!」
するとその少年はにこっと笑って
「その願い叶えてしんぜよう。」
と言った。あたしはその少年が何者なのか気になり、訪ねてみた。
「君は何者なの?まさか神様とか言うんじゃないでしょうね?」
ちょっとふざけた口調で聞いてみた。するとその少年はにやっと笑って
「その通りだ。我が名はヘネシス。見た目は少年だが中身は11345歳だ。」
その衝撃的な告白を聞いて、あたしは
「ぷ」と噴出していた。
「はあ?ありえないっての!」
あたしはこの面白い少年を夏輝に見てもらおうと声をかけようとした。そのとき後ろから夏輝の声がした。
「もう優輝!なにやってたの?人が心配して探しに来たら一人で喋ってるし・・どうしちゃったの?」
ん?一人?
「何言ってんの!そこに男の子が・・・」
そういって振り向くとあの少年は居なくなっていた。
「もうっ本当に大丈夫?熱でもあるんじゃないの?」
うそ〜!?なんでぇ!?さっきまで居たのに・・・もうどうなってんの!?
「嘘じゃないって!さっきまでそこに男の子が・・・」
「ぺちっ」
おでこに痛みが走った。なにやら夏輝がでこピンをしてきたようだった。
「もう!いい加減にしないとおこるよ!?」
どうやらご立腹のごようすだ。
「あ〜ごめんごめん!もう言わないから許して?」
ほんとに居たんだけどなあ。
「うん。分かればよろしい。」しょうがないと言わんばかりの顔だったがなんとかお許しをもらい、家路につくのだった。