エピローグ 本当の物語はここから始まる
その奇跡のような光景を、遥か高みから見下ろしているのは裁定の女神である。
何千何万年の周期で繰り返す人間の行いを見守り続けている。
彼女は、美しい朝日の中で手を取り合うタケルとサクラ、そして彼らが守り抜いたコアカプセルを見つめ、慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。
『可愛い子らよ。数多の悲劇を乗り越え、よくぞ希望の種をその手で形にしましたね』
女神は、そっと両手を差し伸べる。
彼女の手のひらがコアカプセルをすくい上げるように動いたその瞬間、施設に眠っていた無数の魂が、まばゆい光の粒子となって天へと昇華していった。
『肉体を奪われ、牢獄に囚われていた魂たちよ。私が救いの手を差し伸べましょう』
女神の優しい声が、光の粒子一つ一つに語りかける。
『さあ、新たな世界で、新たな生を謳歌しなさい。あなた方の本当の物語は、ここから始まるのです』
女神の祝福を受けた無数の光は、朝焼けの空で弾け、まるで流星群のように世界のあらゆる場所へ、そして次元を超えた未知なる大地へと、美しく散らばっていった。
それは、終わりではない。
コアカプセルに眠っていた彼らが、新たな世界で新たな肉体を得て紡ぎ出す『異世界転生物語』の、壮大なプロローグであった。
(了)
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トラック事故と前世の記憶をもって転生とのテンプレを考えていたらこの物語が生まれました。
コアカプセルは数千年先の未来、ホムンクルスの子孫たちが紡ぐ世界で「知識の実」というアーティファクトとして扱われます。そのお話はまたいずれ。
また、本編では語られなかった前日譚『天国の嘘・ゼロ ~深流の仮面~』をスピンオフとして公開しています!ぜひお読みください!
佐伯美桜視点のスピンオフ2、『天国の嘘 ~桜の花筏~』を公開準備中です!




