第10話 114人の推し
花と話すことにより、俺は他の候補生にも興味が湧いてきた。
「他にはどんな子がいるんだろう?114人もいるんだもんな」
花の投稿のいいね欄を覗いてみると同じアイドル候補生が『いいね』をしていたりする。
「え~と、この子は~真希ちゃん?」
候補生の中でもかなり綺麗な子だ。
この子は埼玉出身なのか
自分と同郷というだけで親近感が爆上がりするのは不思議なものだ(*^^*)
この真希ちゃんって女の子は可愛いというより絶世の美女って感じだな。
俺は真希ちゃんのアカウントを覗いてみることにした。
おっ!この真希って子は動画かぁ!
『めちゃくちゃ笑顔ですが、このあと灼熱のアスファルトで無事に足の裏が終了しました…
真夏のアスファルトを舐めてはいけない、、、』
という投稿とともに眩しいほどの白いワンピースに身を包んだ真希ちゃんが裸足で海沿いのアスファルトの上を歩いている動画付きの投稿だ。後でわかったんだが、これは合宿中に海に行った時の様子らしい。
真希ちゃんって美女だからか一見クールに見えるけど、なにげにお茶目で面白い子なんだな(笑)
しかも花と同じDチームのキャプテンだ!
俺は真希ちゃんも即フォローしてしまった。
真希ちゃんにもリプしてみる。
真希ちゃんのメガネ姿の知的な投稿に、
「メガネ真希ちゃんも最高に絵になります♪」
すると真希ちゃんは
『あら、嬉しいです♪』
と答えてくれた。
「なんて奥ゆかしい美少女なんだ!こんな女の子が日本には存在するのか!」
俺はすぐに真希ちゃんの虜になってしまった笑
次に気になったのがリエちゃん♪
真希ちゃんのアスファルトの上を裸足で歩く動画に一緒に映っている女の子だ。
俺はリエちゃんに
「なんか争いごととか世界で戦争とかあってもリエちゃんが笑顔で登場したらみんなピタッと大人しくなって笑顔になりそうw
リエちゃんの笑顔は全人類が幸せになれる笑顔ですよね(*^^*)」
とリプしてみる。
するとリエちゃんが
『嬉しいです☺︎ 本当にそんな風に出来ることなら!戦いのど真ん中に立ってにこにこします(´-`)笑』
とリエちゃんがこたえてくれた♪
リエちゃんの笑顔ってほんっとに見た人全員が幸せになれる笑顔なのよ(*´ω`*)
『これは楽しすぎる!可愛い子達がいっぱいいて全国から集まった選りすぐりの可愛いアイドル達とSNSで交流できるなんて!なんて夢のような審査なんだ!オーディションの運営さんありがとう!!』
俺は楽しくて他にも色んな女の子と絡むようになった。
この数日で俺自身も運営さんの審査の真意がだんだん読み取れてきて、この子達はファイナル審査のセカンドステージに合格するために自分自身でファンを増やし、ファン達に自分により多く投票してもらい、その投票数によって次のステージに進めるかどうかが決まることを理解した。
まだ始まったばかりのSNS審査では候補生がみんななにを投稿していいかわからないようで、出かけた先の水族館でアシカが腹筋をする様子や、自分自身の盛れている画像、8月ということもありお祭りに行った時の写真、自分の体のやわらかさをアピールする動画、ダンスに自信のある子はダンス動画をアップしたり、得意のドラムや楽器演奏をアップする子、自分の声を録音しラジオを放送する子もいた。
各々が分からないながらも合格をするため必死に審査に挑んでいる。
ある夜、運営の公式YouTubeチャンネルに候補生の個人PR動画やこれまでの合宿でのレッスン風景などをまとめたドキュメント動画がアップされた。
その動画には各チームのキャプテンの奮闘ぶりやメンバーの涙を流す様子も写っていた。
1番衝撃を受けたのは、
候補者としては絶対に1位通過をしたいグループパフォーマンス審査が明日に迫る合宿最終審査前日の夜のグループミーティング中に、グループHのキャプテンであるマリナが言葉を詰まらせ涙ながらにメンバーにこう言っているシーンだ。
『みんなの体調のこととかキャプテンの私が気づいてあげれなくってホントに申し訳なかったんだけど、、、みんな全国から同じくらいの歳の子が集まって楽しくなるのはわかるんだけど、、、なんのためにここに来ているのかっていうのを、、もっと自覚したほうがいいんじゃないかなって正直感じているところがあります、、、これって1人だけの問題じゃなくって、、チーム全体で考えなきゃいけないなって、、、って言っても、もう明日までなんだけど、、、』
などというキャプテンとしての重圧に押しつぶされそうになりながらもメンバーの意識を同じ方向に向けこのグループを1位に導こうとする切羽詰まったシーンも収録されていて、俺はアイドルオーディションというものに凄く感動していた。
「なんだこれ、すごい!ドラマみたいだ‼️」
今までアイドルというものに関してなにも知らなかったし、なんなら可愛いければ街でスカウトされて可愛い服着てチヤホヤされてる。
くらいなあまりにも失礼なイメージしか俺は持っていなかった。
だが命をかけて自分の夢に向かって厳しいレッスンを受けたり、自分の体調に細心の注意を払いながら身体を整えておかなければいけなかったり、身体はもちろんメンタル面も強く保たなければいけない。
そんな彼女達の姿に俺は衝撃を受けていた。
「こんなに頑張っている彼女達を。自分の持てる全ての力、いやその限界を超えようとしてまで夢に全力でぶつかっていくこの子達を俺も全力で応援したい!」
そう思うほど彼女達の必死に頑張る姿に感銘を受けていた。
俺はそんな候補者達を見てお節介かもしれないが、
『これはこちらが楽しむのではなく少しでも多くの候補者達のコメントや動画に反応してこの子達のこのSNS審査のモチベーションを保ってあげたい』
という気持ちに変わっていった。
俺もたまにYouTubeなどでライブ配信をするのだが、観てくれる人がいないと不安になるし、
誰からも反応がないというのは本当にへこむ^_^;
そのうちこの子達が世間に知られていけば、俺なんかがリプしたり反応をしなくても沢山の反応があるとは思うが、今はまだ数人のファンしかリプを返してない。反応は多ければ多いほど候補生達も安心してSNS審査を乗り切れるだろう。
少なくとも俺はそう思った。
だから俺はできるだけ多くの候補者と絡むべく、114人全ての候補者アカウントを俺はフォローした。これだけ候補生がいるとホントに十人十色だ。色んな子がいる。
そしてそれと同時に、この日からなんと俺は
『114人のアイドルを推すことになったんだ!!』




