Mission9 オーバーキル
「私が15歳の未成年って知っていてこの人は付き合ったんです」
彼女は爆弾を投下した。
【え】、【未成年淫行じゃん!!!!】、【やったなwww】
「えっ!?そうなのか?」
「ち……違いますよ、え、僕は大学生って聞いてました!」
「また、食い違いかよ、けど、これが本当だったらケイジュ君やばいよ」
エゴはこの爆弾処理の仕方を考えた。
「んー、よし、今から俺がどっちが噓をついているか確かめる、まず、ビオサさん俺だけにテレビ通話で自分の学生証を見せてくれないか?」
「………それって他の視聴者の人にも見せるんですか?」
彼女は自身の個人情報がこの1万人以上のリスナーに晒されるか不安になった。
「いや、流石に少しでもさらしたら学校特定にも繋がるから見るのは俺だけだ、嫌なら見せなくても大丈夫だけど、申し訳ないが、この件に関しては事実として取り上げることはできない」
「………見せます」
「わかった。……おい、ケイジュ君は知らなかったていう証拠はないのか?」
「ないです。………連絡先を消してしまったので」
【あーあ】、【オーバーキルで草】、【ケイジュ終わりのお知らせ】
――5分後――
「んー、彼女の勝ちだな……学生証も見せてもらったし……ケイジュお前また噓ついたな」
「う…噓じゃないですよ!」
エゴはケイジュの足掻きを見て呆れてしまった。
「………じゃあこれはなんだ?」
エゴはそう言って配信画面にケイジュとビオサのやりとりを載せた。
『もう少しで卒業だー』
『お疲れ様!頑張ったね』
『ありがとう!セーラー服ともお別れで少し寂しい』
『これからも制服着れるからいいじゃんw』
「なんでこれからも制服着れるって知ってるんだ?」
「いやいや、僕は彼女から専門学校に通うって思ってて、そこの制服を着るんだって思っていました」
「はぁ!?まだ噓つくの?高校の制服も楽しみだねって言ってきたでしょ!」
「流石にこの言い訳は苦しいぞ」
エゴはケイジュの言い訳に少し苛立ちを覚えた。
「あのな、知らなかったでは済まないんだよ、お前は成人した大人なんだろ?大人は何もわかってないガキを助けてやらないといけないのにお前はそんなガキを利用して傷つけたクソ野郎だ」
「………そうよ!この人はわ」
ビオサはエゴに加勢してケイジュに文句を言った。しかし、その瞬間――
「お前も反省しろ!」
エゴの言葉にビオサはビクっと震えた。