Mission7 長引くのはどっち
エゴはずっと友達がいなくてぼっちだったため、情報は人からではなく、ネットから得ていた。しかし、ネットでもモモンガを飼うことが流行っているとトレンドにも上がっていなかったはずだが、人から言われると自信がなくなってしまうのである。
(あれ、俺の常識古いのか……?いや、俺は周りに信用できるやつがいねぇ、俺の世界では俺がルール、俺だけを信じろ!)
「「エ……エゴさん?」」
【はよしろ】、【回線悪い?】、【おーい】
エゴはこのクソしょうもないことに1分間ほど気を取られ、周りからの声掛けでやっと意識が戻った。
「!いや、ちょっと電波が悪かったみたいだ、っておい!ケイジュ!モモンガを飼っている人が多いなんて噓をつくな!!そんなわけないだろう、情報通の私が知らないなんてありえないからな!」
「え…まだその話し?てか呼び捨て?(ドン引き)」
「とりあえず!このモモンガとケイジュ君の飼っているモモンガの柄がそっくりだということだ、まぁこれは信憑性がさっきのギターと比べると格段に落ちるからここで終わりだ!」
【グダグダで草】、【情緒不安定?】、【牛乳飲め】
「リスナーも黙れ!生配信だからグダることだってあるんだよ!まだ証拠はあるから黙ってろ!」
【コメ欄うるさいー】、【w】、【はーい】
「え、まだあるんですか?僕リーダーに呼ばれているのでそろそろ解放して欲しいです」
「これで最後だから時間はかかんねぇよ、…むしろボイキンの会議の方が長引くかもな」
エゴは最後の言葉はマイクに乗るか乗らないかくらいの大きさで言った。そして、自身の鞄を漁りだした。そう、ルイからもらったボイスレコーダーだ。
「今から流したいものがある、聞こえにくいかもしれないから各々音量調節よろしくな」
そして、エゴはボイスレコーダーを流した。
「………ボイキン伸びてるよね!」
「いやいや、そんなことないから、アハハ」
「いやいや、周りの女の子みんな君たちの話で持ち切りだよ!特にケイジュ君♡寄ってくる女の子多いでしょ?それとも特定の彼女でもいるのかな?」
「いやいや、忙しすぎて彼女つくる暇もないよ~」
「マジ!?俺なんか女の子遊びまくってるぜ!」
「俺も俺も!」
そんな感じのお話が10分続いた。割愛します。
「ケイジュ君のその指輪女の子だよね!」
「!あー、ばれちゃった、まぁここの人達ならいっか同業者ばかりで言う人いないだろうし、実は一応います(笑)」
「やっぱりな!その指輪のAって相手の名前?」
「そうそう!お揃いにしようってうるさくてさ~、ハハハハハ!」