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万屋配信者エゴ  作者: 82
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Mission3 1人目の依頼者



 アザミは人と関わることが大の苦手である。物心がつく前は同じ年頃の子供と遊んでいたかもしれない。しかし、今は一人でしか遊ばない。その一人遊びで身につけた特技の中で声のトーンを変えるがある。彼は戦隊シリーズが大好きでその真似をしているうちに女のような高い声を出せるようになった。そして、この特技も配信に活かすことにした。



 「う゛ぅぅん!よし、こんな感じかな」



 これでアザミは配信を始める準備が完了した。



――3――2――1――



 「やぁ、待たせたな」



 【エゴ様ぁぁぁぁ!】、【きちゃぁぁぁぁ】、【遅刻やぞww】



 「相変わらず、お前たちは元気だな、今日も相談が来てるからなー」



 【任せろ!】、【凸していいのか?】、【楽しみw】



 「暴れたくてうずうずしてるのはわかるけど、私が合図するまで大人しくしとけよ、じゃあ今回の相談者を呼ぶからハウス」



 エゴがそう言うと先程まで加速していたコメントのほとんどが止まった。そして、それを確認した後、エゴは相談者に連絡した。



 「……おお、こんばんは、万屋配信者のエゴだ、今回の依頼者のビオサさんで良かったか?………了解、声を配信に入れるぞ」



 アザミことエゴは相談者と確認した後、相談者の声を配信に乗るようにした。



 「……あの、…こんばんは」



 相談者は配信上と知っているせいか声が緊張で弱々しかった。声の感じからして若そうな女性のようだ。



 「話せるか?落ち着いたらでいいから被害内容を話してくれ」



 「こんなに大勢の人の前でお話しする機会がなくて緊張してます」



 現在の同時接続数1万人



 【はよ、話せ】、【ゆっくりでいいよ】、【期待期待】



 「おい、コメ欄、だまれ」



 エゴは相談者には聞こえないようにミュートして少し苛立った様子でコメント欄に注意した。



 「……すみません、落ち着きました、お話します」



 エゴがコメント欄とじゃれあっているうちに相談者は少し落ち着いたようで意を決し、話し出した。



 「実は歌い手グループのボイスキングのメンバーであるケイジュ君とお付き合いさせて頂いているのですが、4ヶ月まえから急に連絡が取れなくなってしまいました」



 その名前が出た瞬間、コメント欄はざわつき始めた。



 【ボイキンってあの!?】、【噓つけwww】、【マ?】



 ボイスキングは今波に乗ってる登録者数69万人の7人歌い手グループである。ケイジュはその中で5番目に人気があるメンバーでモデルのように整った見た目でそれとは裏腹に男性にしては高めの綺麗なボイスで性格は可愛い系で売っている歌い手である。



 「なるほど、それで君はどうしたいの?」



 「私は……」


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