Sub Mission2 生い立ち
――配信を終えた後――
「………そういえば、なんでアイツあんな潔くなったんだ?」
アザミは首を傾げて考えた。
「まぁー、わかんねぇけど、いっか」
彼はそう言ってイチゴミルクを飲みながら先ほど電話がかかってきた相手に連絡した。
――紳士の部屋――
「クソ!あの娘が男だったなんて!あんなに女性らしい男なんているのか!?」
紳士は机を殴りながら叫んでいた。
「クソ!自分から進んで声をかけなければ!私は男嫌いだというのに!!!」
そう彼は男性恐怖症だった。
紳士は見かけの通り、裕福な家で育った。家族からは『お前は他人とは違う!人の上に立つものなのだ!』
そう言われながら過ごしていた彼はエリートの道を順調に進んでいた。しかし、それに付随し、彼の態度も大きくなっていったのだ。学生の時は近所中で彼の家柄を知らない人はいなかったため、周りの人は理不尽なことがあっても下手にでていた。それもあり、さらに態度が大きくなる。
そんな学生時代を過ごした後に地元から離れた大手企業に就職が決定した。彼と彼の両親は大喜びだ。『流石俺たちの息子だ』、『あなたなら会社でも1位になれるわ』、そんな両親に見送られながら彼は両親と離れて暮らし始めた。それが地獄の始まりだ。
彼は地元にいた時と同じ態度で同期に接していた。しかし、同期はニコリともせずにこちらを睨みつけるだけだ。『なぜだ!?この俺に逆らうなんて………』、彼らの態度に激しく腹を立ながら仕事をしていた。
そんなある日、会社の食事会でお酒を飲みながら会社の人達と話をしていた。その時、ある同期が貧しい家庭で育ったという話をしていた。それを聞き、『可哀想に、僕はね~~~』
彼は自分の話に持っていき、自慢話を始めた。みんながいつものやつが始まったと思い、場がしらけていた。
すると、突然、『バシッ!!』。彼は何が起きたのかわからなかった。ただ、自分が床にへたり込んでいることと右頬が炎に焼かれたかのように熱いことはわかった。『お前……いつもいつも態度がでかくてうぜーんだよぉぉ!みんなお前のこと疎ましく思ってんだぜ!『ちょ…ちょっと、誰か抑えて!』』、そんなこんなで楽しい食事会は黒歴史となった。
その後、同期はクビとなり、いなくなったのだが、彼の心は癒えず、男性社員が通るたびにビクビク震え、仕事ができなくなり、退職した。




