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万屋配信者エゴ  作者: 82
21/25

Mission20 回想シーン



 「!?」



 エゴのメタアビリティにより1人の人物が彼の配信に呼び出された。



 「よぉ、困ったことがあったので連絡したぜ、おっさん!」



 「そ……その声は探し物をしていたお嬢さんかい?」



 呼び出された人物(紳士)は何が起きているか全く分からず、恐る恐る尋ねた。



 「そうだ、あの時、探し物をしていた者だ」



 「なぜ、私はここにいるのかな?」



 「それはアンタが今回の事件の犯人だからだ」



  ――犯人が見つかった時に遡る――



 「君、連絡先全部渡してなかったでしょ」



 ルイが少し責めるようにアザミを問い詰めた。



 「いや、全部渡したぜ?」



 「………昨日、君が部屋を出ていった後、しばらくたって玄関近くのお手洗いに向かってたら玄関に1枚の紙が落ちてたんだよ」



 「!?」



 アザミは落とした紙が紳士の連絡先が書かれた紙だと気づいた。



 「夜も遅かったし、どうせ次の日も会うからわざわざ渡しに行かなかったけど、ふとその紙を見たら誰かの連絡先が書かれていてもしかしてアザミちゃんが渡し忘れたのかなって思ってその連絡先も彼女達に送ったんだ。そしたらなんと、最後に送ったその連絡先がビンゴだった、……今回はたまたま僕が見つけたから良かったけど、今後は気を付けるんだよ♪」



 ルイからことの経緯を説明された後、アザミは顔が心臓を直接何かに叩かれているかのように痛くなった。ルイはアザミがわざと連絡先を渡さなかったことには気づいていないようだ。しかし、ルイが気づいていなかったら自分は犯人を見逃していたのだと自分に対する怒りが沸々と湧いてきた。



 「わりぃ!俺の不注意だ」



 アザミはルイに向かって頭を下げて謝った。



 「!………反省しているんだったらいいよ、顔上げなよ」



 ルイは深刻そうに謝るアザミに一瞬、驚いたが、すぐに優しい顔でアザミの頭をポンポンと軽く触った。



 「それだけ反省しているんだったら今回の配信で犯人を絶対に追い詰めること、以上!」



 ルイはそう言ってアザミに背を向けた。



 「お腹すいたからご飯食べに行こうよ」



 アザミはゆっくりと顔を上げ、ルイの背中を見た。



 「……おう!」



 ――回想終了――



 「いきなり呼び出して犯人扱い?冗談にしては滑っているよ」



 【何が起こってんの?】、【?】、【説明はよ】



 「………ああ、悪い、話が跳躍しすぎたな、このおっさんを呼ぶまでに至った経緯を説明する」



 エゴは犯人を絶対に追い詰めるという気持ちが先走ってしまい、犯人や、リスナーへの説明が後回しになってしまっていた。



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