Mission17 勘違い
「はっ!す…すまない、拙者の名前はカンナ!リリちゃんは漫画の『地雷少女リリちゃん』に登場するキャラクターで俺の推しでござる!あとござるは昔呼んでいた漫画の影響で口癖になってしまったのでござる!さっきは漫画で呼んでいたヒーローの真似をしたから普通にしゃべっていたでござるがな~、ハハハ」
「は……はぁ」
コイツだいぶ変わってるやつだなぁ……早く別れよう。
「助けてくれてありがとう!じゃあ私はこれで」
アザミはそう言ってこの場を去ろうとした。
「ちょっ!………待つでござる!君はその格好をしているということはリリちゃんのファンではないのか!?同じオタク同士語り合おう!」
「この格好はコスプレじゃなくて普通に私の私服!」
「ええ!そうなのか!?こんなにもそっくりな「ねぇ、この子に何してるの?」!?」
電話が終わったルイが帰ってきた。顏はいつものようにニコニコしているのになぜか近寄りたくないくらい怖い。
「こっ……この人に さっきおじさんに絡まれていた所を助けてもらってお礼してたんだ!」
アザミはカンナの身の危険を感じて即座にルイに説明した。
「なんだなんだ、この禍々しい笑顔の美青年は!?君の知り合いでござるか?」
おい!思ったこと全部口に出すな!折角俺が助け舟を出したのに!
「………そうなんだ~ありがとね、僕の彼女を助けてくれて♡」
「「!?」」
アザミとカンナはお互い違う意味で驚いた。
「はっはぁ!?誰がかっぶふっ!?」
アザミは咄嗟に否定しようとしたらルイに肩を回しながら口を塞がれた。
「そうだよね~?」
ルイはアザミに話を合わせろと目配せをした。アザミはここで合わせなければさらに面倒臭いことになると思い、首を縦に激しく振った。
「おい!彼女が苦しそうでござる!」
カンナはルイに拘束されているアザミを見て心配した。
「ぷはっ!わっ私は大丈夫だから気にしないで!たっ助けてくれて本当にありがと!おい!……じゃなかった、ねぇ、帰るよ!」
ルイの拘束から何とか免れたアザミはカンナにお礼を言ってルイを頑張って押しながらそそくさと退散した。
「な…なんか個性的なカップルだ、だが、ああいうカップル、どこかで見たことがあるでござる…………………!」
残されたカンナはアザミルイの(偽)カップルに見覚えがあった。なんだったかと少し考えた末、思い出した。
「『地雷少女リリちゃん』に出てくるリリちゃんとそのDV彼氏でござる!さっきもあの子が彼氏に拘束されて苦しそうだった、くそっ!俺はなんで見逃してしまったんだ!………今頃あの子は………」
アザミとルイは物凄い勘違いをされていた。




