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心の友よ!?

「どうせアンタも、こんなクソゲーのどこが良いのよ?とか思ってんでしょ!!そんで、そんなゲーム好きなやつなんて、趣味の悪いおかしな奴、くらいに思ってる!!アンタもそうに違いないわ!!」

「は??」

「ずっと…ずっとそうだったわ!!みんな、そうやって馬鹿にするの!!クソゲーが好きだからってだけで!!何なのよ!?何が悪いのよ!!良いじゃない!!私が何を好きだからって、そんなの私の勝手でしょ!!」

「あ、え、うん…」

 マシンガンのように喋るキャスリーナさんに圧倒されていると、無視したとでも思ったのか彼女はさらに激昂してきた。ていうか、なんだか自暴自棄になって、自らをひたすら卑下してるような?

「なによ!!なに、黙ってんの!?ほらっ、アンタも言って良いのよ!?私のこと、クソゲー好きの趣味悪女だって!!こんなクソゲーム、最低最悪だって!!!!資源の無駄遣いだって!!」

「いや…そんなこと言う訳ないよね」

 つか、確かに前世でも散々言われていたけど、資源の無駄遣いって…??そこまで言われてたんだっけ?

「別に黙ってた訳じゃなくて、口挟む隙が無かっただけだし」

「…………………へ?」

 ようやく隙を見つけて口を差し挟むと、キャスリーナさんは鳩が豆鉄砲を食らったような顔でおし黙った。よしよし。これでやっと突っ込める。

「いくら自分の趣味に合わなかったからといって、他の人が好きなものを、その人本人の前で貶すなんて…そんな酷いことする訳ないじゃないの」

「………え?…え、え……?」

 彼女の言動を一切否定せず、言外にこの世界の元がゲームであることを認める。それって実質、自分自身を転生者と認めるようなもん、かな??まあ、良いけど。

「だって貴女、このゲームのこと、本当に好きなんでしょう?とても大切なんでしょう??そんな風に思っている人の前で、その人の大切なものを貶したり貶めたりする行為なんて、私は最低最悪人間がやることだと思ってるもの」

「え……………??」

 よほど意外な言葉を掛けられたのか、ポカン、と擬音が目に見える様子で、キャスリーナさんは言葉を失った。   


 趣味に関して私が口にしたのは、もちろん正真正銘、心からの本音で嘘偽りない想いだ。


 だって、自分がやられて嫌なことなんて、ちょっと想像したらわかることでしょう??


 まあ、それも、前世で年金支給年齢間近まで生きてきた人生経験のお陰だとは思う。


 若い頃は私もそんな当たり前のことに気付かず、意図せぬ言葉で他人を傷つけたことがあったし、自分自身が傷付けられたこともあった。だからこその言葉でもある。自分で言うのもなんだが、年の功ってやつか??

「な……なによぉ……」

 きっとキャスリーナさんは前世で、たくさんの酷い言葉に傷付けられてきたんだろう。

 だから私の言葉を素直に信じられないのかも。

 でも、信じて欲しいと思った。


 無意識のうちに自分自身を傷付けている、キャスリーナさんに。


「私だって好きなものを貶されたら哀しいし、悔しいし、辛いわ。腹だって立つし。ムカつくわ。でも、好きなものは好きって、いつだって堂々としていたいんだ。ま、そう思えるのも、前世の長い人生があるからだけどね…」

 さり気に転生者であることを暴露したが、キャスリーナさんは気付いていないようだった。

 何故なら彼女は、唐突にどっと音を立てて、泣き始めてしまっていたからだ。

「なによなによ……なんなのよおおお……ッッ」

「キャ、キャスリーナさんっ!?」

 ベソベソと子供みたいに泣くキャスリーナさんだったけど、気のせいかしら??泣くのは哀しい訳じゃなくて…うーん、ひどく嬉しそうだから、に見えたのだった。

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