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ボーンネル 〜辺境からの英雄譚〜  作者: ふーみ
ボーンネルの開国譚
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剛人族

 ー総合室。


 机を囲むように座り話し合う内容は今後についてのことだった。


「とりあえずシュレールの森の一件は解決したけど、次はどうする?」


「私としてはまず剛人族を仲間にするのが良いと思うぞ」


 そうクレースは提案してきた。剛人族はボーンネルに住む種族の一つあり、女性であっても人族の男の力を上回るほどの怪力を持つ。国を作るに際し今必要なのは人手だった。それも剛人族ならば一層のこと作業効率が上がるのだ。


「ええ、剛人族ならば国づくりの面から考えても大いに力になるでしょう」


「ゼグトスの言う通り剛人族は力だけ見れば、他の種族に比べても強い。じゃがな、最近はどうも荒っぽいみてえだぞ。各地での争い事は剛人族によるものらしいからな」


 しかしゼフはそう考え込むように返した。


「でも、剛人族って怖い見た目の割には温厚な種族って聞いたことがあるよ」


「ああ。剛人族には古い知り合いでエルダンという者がいるが、そいつは仲間思いのいいやつだった······」


「······どうしたの」


 クレースは息がかかるほどジンの顔に近づきその呼吸は乱れた。それと同時にジンの横にべったりとくっついて離れないパールを横目に見る。最近パールに嫉妬しているようで以前にも増してジンに対する好きの気持ちが全面に出てしまっていたのだ。


「とりあえずは剛人族について調べてみた方が良さそうだね」


「そう思い、インフォル殿に剛人族の調査を依頼しておきました」


 ゼグトスは、待ってました! と言わんばかりにドヤ顔で言ってきた。それでも流石だ。


「さすがゼグトス、ありがとう」


「いえいえ、ジン様のためならばなんなりと」


「それでインフォルはいつ戻ると?」


「昨日には伝達しましたので、おそらくもうすぐ帰ってこられるでしょう」


 ゼグトスはまるでこうなることを予知してようだった。

 するとその時ドアが開く。だがそこには誰の姿も見えない。

 ガルが「バウっ」とドアの方を吠えると、下の方に小さなモグラがいた。


「インフォル殿か? 本体を見たのは初めてだな」


 リンギルは少し驚いてインフォルを見る。

 インフォルは普段土の中にいるがたまに外に出てくることがあるのだ。


「よっ、みんなそろっとんな。ゼグトスはんから言われた通り剛人族の様子見てきたで」


 インフォルは小さな足でテクテク歩いて来ると、ゼフに抱っこされて椅子の上に座らせてもらった。


「お疲れ様、どんな感じだった?」


「それがなあ、どうも様子が変やねん。なんというか雰囲気がガラッと変わっとるは。ワシの知っとる剛人族と違うっちゅうかな」


「違うとはどういうことだ?」


「今のあいつらには自我っちゅうもんが感じ取れんかった。なんや仲間同士で会話しとる感じもなかったしな」


「裏で操ってる黒幕がいるって考えるべきかな」


「ああ、だが一度エルダンと会ってみるのがいいやもしれんな。あいつほどのものなら簡単に操られはせんだろう」


 そうして一度剛人族の集落に向かうことにしたのであった。


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