第三話 少女との出会い
今回は、新たな仲間との出会いの話です。
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湊が唱えた術式は不確かだったものの、確かに何かに捕まっていないと飛ばされそうになるほどの強風が発生した。
「え、すごくないか俺!」
ユトリは言葉を詰まらせる。
「ま、まあ確かに凄いわよ?けどそんなんじゃ魔物や幽鬼には威嚇にすらならないわ…」
負けず嫌いなユトリは予想外の出来事に対して、一瞬驚きながらも褒めることはなかった。
「そうなのか…やっぱりこんな風じゃ無理なのか…」
少し落ち込む湊だった。
「なあ!さっきの呪文みたいなのもう一回言ってみてくれ!」
こちらも負けず嫌いな性格であるため、もう一度試みようとする。
「あ、あ…さっき使ったのは翡翠風って言ってそんな簡単にできるよう…」
「分かったもう一度やってみる」
「は、話を聞きなさいよ!」
大きく口を開け、一気に息を吸い込んだ。
「なんなのよほんとに…」
勢いよく吸い込んだ空気を一気に吐き出すように術式を叫ぶ。
「…翡翠風!!!!」
「ブオオォォ…ビュウゥゥゥウ…!」
先ほどの風とは格段に強烈な風が発生した。
「ちょちょ!!ストップッッッ!!!」
その瞬間、誰かが止めに入る声が聞こえた。
「ーー解技式破約・魔力抹消」
「ビュウゥゥゥ……ヒュウゥ……」
この声が聞こえた途端、「ピタッ」と強風が消えた。
「あれ…?何故だ?せっかくの風が消えたんだけど?」
急に消えた風に驚いた湊は声が聞こえたほうを向りむくと、そこには小柄で幼気な少女が立っていた。
「はあぁ…はあぁ…ちょ、あぶ…ないです」
その少女は、焦っているような表情で湊達に何か伝えようとしていた。
「誰だ??もしかしてお前が止めたのか??」
「そうですよ!!今の止めてなかったらその女性は無事では済んでなかったんですよ!!!」
湊とユトリは理解に苦しむ。
「何言ってるのよ!初めてこの魔法使ったのよ?そんな訳ないじゃない!しかも何でそれが分かるのよ!!てか、あなた誰よ!!!」
自分の魔法より強力な事を認めたくないのか、を頬を膨らませながら必死に謎の少女に訴える。
「そんな訳があるんです!!私は咒廻音を纏っていて、魔法で危険察知能力と魔力抹消能力が使えるから分かるんです!」
「は??」
「…簡単に言うと!一瞬未来が見えちゃったり、一定数の魔力なら消滅…消すことができるんです!」
「はあ?」
「あっ…申し遅れました、私の名前はニナと言います。宜しくお願いします…」
またもや、理解に苦しむ二人。
「はー?!どういうことだ?」
「はー!?どういうことよ!」
「とりあえず!危なかったので止めたんです!!」
ニナが使った危険察知能力は普通のスキリティを使用する場合、一度『解技式目』という結束を破約しなければならないのだが咒廻音を纏っている者であれば本能的に危険を察知をすることがあると言う。
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