第二話 六つの音
今回は、六つの音ということで属性について説明しております。
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湊たちは森から離れた後プレイストリートに戻った。
「へー、このプレイストリートには食料や薬、装備何でも揃ってんだな」
「そう!他にもなんでも買取屋って言うなんでも買い取ってくれる店だってあるのよ!」
湊はプレイイストリートにすでに興味津々である。
(よし、ここで道具を集めるとでもするか…ん、ちょっと待てよ…お金なんてないのにどうやって買えっていうんだ?)
転生したときには何も所持していなかった湊はどう道具を入手しようか焦っていた。
「なあ…ユト…」
湊がユトリにお願いをしようとした時だった。
「うわぁぁあ!!誰か助けてくれ!!!!」
突然、遠くの方から大声で叫んでいた男がこちらに青ざめた表情走ってくる。
「ど、どうしたんだアイツ…?」
その男は焦った口調でこう言った。
「ーー幽鬼が来たんだ!!助けてくれ!!」
湊は何を言っているのさっぱり理解できなかった。
するとユトリはすでに男が走ってきた方に向かって走っていた。
「おい!ユトリ!なんで走るんだよ!?」
「ちょっと先いくわね!」
湊はユトリを追いかける。その途端腰に巻いていた剣を取り、ユトリは何かを唱え始めた。
「ーー解技式破約・疾駆」
何かを唱えた瞬間、ユトリの走るスピードが急激に早くなった。
「は?!なんだあれ!まさか魔法なのか??」
ユトリが使ったのは身体全体を一時的に強化し移動スピード、攻撃力を格段と引きあげる魔法である。
(…ユトリは魔法使いなのか?)
ユトリは嫋音と廻音の魔法の習得が可能である。魔法はスピード、攻撃や様々な体の部位の筋力を格段に強化することや魔法使いのように遠距離攻撃などが可能である。
例えば、脚力に魔法を使うと音によって異なるがユトリの嫋音は移動スピードはもちろん、打撃力や跳躍力を格段に上昇させることが出来るのだ。
この世界には音という属性が存在しており、分けると灼音、水音、嫋音、林音、廻音、咒音という6つの音が存在する。
ユトリの属性である嫋廻音とは、稀に副属性のついた状態で生まれることがあるという。
「…あれ幽鬼がね…!」
ユトリが幽鬼を見つけ戦闘が始まった。
「ーー解技式破約・翡翠風!!」
ユトリがその言葉を放った瞬間、幽鬼が何故か凄い勢いで吹っ飛んで行った。
「ビュゥゥウウーー!」
「はあぁ…はぁ…早すぎるって…」
湊が到着した時には幽鬼の姿はなかった。
「…あれ?幽鬼ってやつは…?」
「ーーもうどっか行ったわ」
「足も速いし、ぶっ倒すのもはえーよ…」
湊は先程ユトリが呪文のようなことを唱えていたことについて聞いた。
「なあ!さっきの魔法か??」
「そうよ…」
「すげぇな!その魔法俺には使えたりしないのかよ!」
「あなたが嫋音を纏っているならこのぐらい練習すればできるはずよ」
「ーーふーん?よく分からないけどやってみるわ」
そう言われた湊は魔法を使おうと全身に力を込めて叫び出した。
「ーーよし……うぉぉぉぉおおお!!」
「何やってるのよ!いきなり大声出さないでよ!」
急な大声に周りの人達が湊達に注目し出した。
「もう!恥ずかしいじゃない!」
「え、だってこうしたらできると思って」
「どんな頭してるのよ!そんなことでできるわけな…何!?この風?!」
湊が叫んだ瞬間凄まじい強風が吹き始めた。
「これでいいのか??」
「湊あなた…」
読んでくださりありがとうございました。