遺跡調査
今月1話目となります。
講和交渉の行方は……バルバラッサ帝国に残されていた先史文明の遺物とは……
――2030年 2月20日 日本国 東京都 首相官邸
首相官邸ではこの日、新年が始まってから2か月以上経過して、ようやくほっと一息つけるような状態になっていた。
「では、バルバラッサ帝国の皇帝一族は確保できたんだな?」
首相の言葉に頷いたのは防衛相と国交相だ。
「はい。一応日本が友好を結んでいる国に対してテロ行為を行おうとしたテロリストという扱いで逮捕はしましたが、思いのほか話が早く通りまして、『国民の安全を保障してくれるならば降ろう』と言ってくれました」
「バルバラッサ21世は慎重で『石橋を叩いて渡る』タイプだとは聞いていたが、まさかこんなにあっさりと降伏してくれるとはな……では、調査にも協力してくれそうなのか?」
そもそも論になってしまうが、バルバラッサ帝国が大陸統一を推し進めたのも、様々な種族の知見を得て遺跡の解析を進めることと、それに伴って外界への進出を企てていたからであった。
バルバラッサ21世は遺跡に残されていたデータから、大陸の外にも多くの島や大陸があることは知っていたようで、国力をつけてそちらのほうへ外征することも検討していたらしい。
もっとも、日本の介入によって全てはおじゃんとなってしまったわけだが。
「はい。我々が『古代遺跡の調査をするために来た』と述べたところ、それならばむしろ協力したいと申し出てくれました。保身もあるようですが……どうやら、自分たちだけでの研究と調査にかなり行き詰っていたようですね」
物事を調べたり研究したりする際、一個人やわずかな人間だけで調査しようとすると、どうしても視点や考え方が一元的になってしまうため、柔軟な考え方をしにくくなってしまう。
竜人族と蜥蜴人族は感覚が似通っていたこともあり、似たような意見しか出てこなかったのである。
まぁ、それにしても日本が調べると言い出して『どうぞどうぞ』と言うあたり、中々身勝手というか無責任とも言える男だと日本人は感じていた。
だが、それでも調査させてもらえるのだから文句はない。
「これを見ると、多国籍調査団に変更したのは正解だったな」
「これだけでも、考え方に大きな変化が生じますからね」
日本も現在古代文明のことを調査しようと考えているが、それにはグランドラゴ王国やアヌビシャス神王国など、様々な国の人々の意見も聞くつもりであった。
やはり、多角的な意見があったほうが調査というものはいい方向に進む。
もっとも、『船頭多くして船山に上る』という言葉もあるので、その多角的な中から集約した一本に絞っていく必要はあるのだが。
しかも、今回の調査団の多くは日本と比べると前時代的な考え方がほとんどなのだから、なおのこと注意が必要である。
「ガネーシェード神国の遺跡に残されていた物品は、ロックがかかっているものばかりだったからなぁ……」
そう、そもそもガネーシェード神国で見つかった遺跡のあれこれはどうしたのかといえば、日本に持ち帰って調べはしたものの、電子的なロックがかかっているものが多くて、ほとんど調査が進んでいないのが実情である。
「むやみに解体しようとすると、機密保持のためなのか爆発するものもありましたからね」
「そんなのはマンガだけで十分なんだけどな……」
その点、どうやらバルバラッサ帝国内にある遺跡は、壊れているのかロックがかかっていないものが多いらしい。
だから帝国がこれまでに色々と調査してその技術を自分のものにしたわけだが。
「日本側の調査団はすでに現地入りしておりまして、あとは諸国の調査団を待つばかりですね」
「これで、少しでも旧文明のことが分かればいいんだがな……」
首相としては、長期間宇宙へ旅立てるほどの文明力を持っている存在を相手に、日本が戦う日が来るのだろうかと思うと胃が痛くて仕方がない。
だが、それでもやらなければならないだろう。
それが、国民を……ひいては日本の故郷となった新しい世界を守ることにつながるのであれば。
もっとも、日本がそれまでこの世界にいられるかどうかも謎なので、それに関しても調査を進めなければなるまい。
「なんだか、やることがどんどん拡大している気がするなぁ……」
「それは転移後から覚悟の上でしょう。そもそも、南北アメリカ大陸を全部開拓しようというあたりからかなりの無茶が……」
「あ~聞こえない聞こえない……」
官房長官のツッコミに古いコントのような応答で答えることしかできない首相であった。
――世界暦381年 3月3日 バルバラッサ帝国 首都バルバロニア郊外15km地点
日本を中心とした調査団が、明らかに近未来的な人工物の前に立っていた。
オーストラリア大陸に到着したグランドラゴ王国やフランシェスカ共和国の面々は、現代日本よりも未来的な建造物を見て呆然としていた。
「なんと……風化しているとはいえ、明らかに日本よりも先進的な構造の建造物ですな」
「本当に我々で役に立てる意見を出せるのだろうか……」
これは2国のみならず、アヌビシャス神王国やニュートリーヌ皇国、シンドヴァン共同体の代表も自信なさげな様子だった。
なにせ、この世界の日本が交流を持っている国は、進んでいても明治時代から第一次世界大戦レベルの能力しか持ち合わせていない。
そんな彼らから見た日本でさえ、130年以上離れているのだ。日本から見て200年以上離れているかもしれないなど、もはや埒外の域にある。
「まぁ、日本から今回の調査に付き合ってくれればまた技術提供をしてくれるといいますし。いいのではないでしょうか?」
「そう思うしかないでしょうな」
彼らからすれば、自分たちなりの意見を述べるだけでまた技術がもらえるというのであれば、『まぁいいか』というほかない。
「というか、日本側の代表はやる気が半端ではありませんね……」
「ま、まぁ……日本からすれば、アニメや漫画にでも登場しそうな技術がゴロゴロしているらしいですからね。恐らくあるんじゃないですか? 電磁砲とか、ワープパネルとか」
彼らも輸入された日本の漫画やアニメはよく見るため、すっかりハマっているのだった。
そんな彼らは、意気揚々と進んでいく日本側の代表に付いて行く。
建物の中へ入ると、あちこち草が生えていたり、ヒビが入っていたりする個所が見える。
アニメでも見るような、『文明の跡地』とも言うべき廃墟状態であった。
「まるで打ち捨てられた古城ですな」
「あながち間違ってはいないかもしれませんね。ここは元々先史文明人の残した遺跡なわけですから」
人々が案内役の竜人族……バルバラッサ帝国の皇族の1人の後について進むと、色々な物が転がっている部屋に到達した。
「この部屋こそ我が帝国で『宝物庫』と呼んでいる部屋でございます」
中をよく見てみると、ボロボロになった拳銃らしきものや、ひびが入っているタブレットなどが落ちている。
他にも一見するとゴミにしか見えないが、なにかしらの技術が詰まっているのであろう物体がそこかしこに散乱していた。
「恐らく、なんらかの理由でこの地を離れる際に残していったものなのでしょう」
日本側の代表であり、ガネーシェード神国の遺跡も調査した桐生が答えると、桐生の助手である内海が疑問を呈する。
「しかし先生、ガネーシェード神国の遺跡ではしっかりと各部署、残してある遺物にロックがかかっていました。それに比べると、こちらの異様な壊れ具合はどういうことでしょうか?」
「これも推測でしかないけど、持ち出す暇も、ロックをかける暇もないほどに慌てて飛び出したんじゃないかな? そうでなきゃ、このロックの不十分さは説明がつかないな」
桐生があちこちに触れていると、不意に『カチッ』という音がした。
「ん?」
――ビーッ‼ ビーッ‼ ビーッ‼
「な、なんだ!?」
すると、奥の扉が開くと、ぎこちない動きながらもヒューマノイド型のロボットのようなものが出てきた。
「わっ!」
護衛の自衛隊員たちはすわ戦闘かと小銃や対物ライフルを構えた。
なぜ対物ライフルがあるのかといえば、自分たちより進んだ世界ならば、ロボット兵のような技術があってもおかしくはないだろうと防衛省がオタクたちの提案を受けて持ち込ませたからである。
一応だが、84mm無反動砲まで持ち込んでいると言えば、その警戒レベルがうかがえるだろう。
「……ど、どうだ?」
だが、ロボットはこちらへ腕らしきものをこちらに向けたものの、そのまま『バチバチ』と音を立てたかと思うと、動かなくなってしまった。
「これは……」
「長い間放置されて、劣化していたんだ。今の警報でなんとか防衛プログラムが起動して、侵入者を排除しようとしたんだろうけど、放置され続けたせいでプログラムも正常に働かなくなっていたんだろうな」
「なんといいますか、物質の劣化速度は我々と大差ないのかもしれませんね」
「いや、そうとも言えないぞ。日本が今管理している様々な電子データや製造された部品は、定期的にデータ更新や交換をしなければ数十年ももたないだろうけど、このロボットは何百年……いや、この世界の暦を聞けば最低でも1600年は経過しているくせに、まだ動いたんだ。その技術力はやはりとんでもないな」
桐生が指先でつんつんとつつくが、ロボットは動く様子がない。完全に機能を停止してしまったようだ。
「なんていうか、何百年も自分たちのご主人様の帰りを待っていたような感じがして可哀そうな気もするけど……すみません。これらを外へ運び出してください」
桐生が声をかけると、護衛で来ていた自衛隊員がロボットを台車に載せて運びだす。
「やっぱり。この遺跡……もとい施設はガネーシェード神国の遺跡と違って整備機能がなかったんだろうな。おまけに開け放たれた状態のままだったせいで劣化が早かったんだろうな。とはいえ、おかげであんな面白いものが手に入った」
もっとも、いきなりヒト型の怪物が出てきたので各国の代表たちは驚いたまま固まってしまっている。
「い、今のが自動化兵なのですか?」
「恐らくは。想像以上の技術ですね」
桐生の言葉に、各国代表たちは唖然とするほかない。
自動化や省力化というのは、人類が生きていく上での様々な命題・宿命ともいえる。
そもそも大本を辿れば食べ物を安全に食べるためにと火を起こすようになり、その火を起こす手段が発達し、現代日本では電気の力で炎ではなく『熱』そのものを発生させることで調理に使用している。
それらを加工する道具に関してもそうだ。
最初は石器だったものが、製鉄技術を手に入れたことで鉄器へと変化し、さらに産業革命で蒸気機関を利用することを知り、それから100年以上を経て現代では電気の力を用いて様々な加工機械が動いている。
それについては、警備もそうだ。
昔は全て人の目に頼っていたものが、時代が進んで軍ではレーダーを用いるようになり、現代の民間では監視カメラと警報装置が警備の多くを担っている。
つまり、便利になるということは『それまで人の手にあったもの』が『人の手から離れていくこと』なのである。
「さて、と。奥のほうも見てみたいけど……万丈、悪いけど先へ行ってみてくれ」
「そうだな」
桐生の昔馴染みで、今回の派遣にもついてきた万丈3等陸尉が『M1191・コルトガバメント』拳銃を持って奥へ進む。
この拳銃は現代の拳銃よりも口径が大きく、かつて自衛隊の拳銃として採用されていたことがあった。
そのお古で保存されていたものを引っ張り出してきたのである。
現代のシグ・ザウエルの9mm拳銃よりも威力があるだろうということとで持ち込まれているのだが、万丈は正直に言って不安を拭えていなかった。
「なぁ、桐生。さっきのロボットに拳銃弾で効果あんのか?」
「さぁな。いざとなればお前のそのバカな筋肉で押さえ込んでからハチヨンをぶち込めば……」
「おーおーなるほど……俺はどうなんだよ!」
「あ、気づいたか」
「気づくわ!」
コントのようなやり取りにジト目を向ける内海と他の自衛官たちだったが、いつものことなので誰も文句は言わない。
「まぁ冗談はさておき、早く進もうか」
桐生が締めると万丈が不貞腐れながらも拳銃を構えてさらに奥へ進む。
進みながら、桐生は案内役の皇族に聞いてみた。
「そういえば、この奥へ行ったことはなかったんですか?」
「行ったことはありましたが、正直、我々の能力ではなにがなにやらさっぱりで……皇帝陛下が、『解析度合いが上がるまで放置とする』と仰ったものですから、そのままになっているのです」
「ふぅん……」
その奥へ進んでいくと、暗い部屋に電気がともる。
ただし、一瞬とはいかず『ジジジ……』という音を立てて何度か点滅してからの点灯であったが。
「!……これは……」
「マジか。こりゃすげぇ」
桐生は眼を鋭くし、万丈ですらポカンと口を開けて唖然としていた。
「き、桐生博士。これはいったい何なのですか?」
「われわれの目には、人の形をした、空っぽの何かにしか見えないのですが……」
桐生は舌なめずりをすると、その物体に近寄った。
「あぁ、桐生博士!」
「先ほどの人型兵器みたいに動くかも……」
「その心配はないと思います。これはそもそも、『人間が使うこと』を想定した道具ですよ」
「え?」
桐生がゆっくりと触れるが、金属……いや、既存の金属とは少々組成が異なるらしい軽量な『それ』は、全く動く様子がなかった。
「装着型じゃない、乗り込むタイプだ。宇宙戦艦○マトのリメイクで、空○騎兵が使ってるようなヤツだな。これはすごいぞ」
「あぁ。こんなもんがありゃ、歩兵戦闘は大きく変わるぜ」
それは、腕に大口径の機関砲が搭載されているパワードスーツのようなものだった。
現代の日本でも作ることは不可能な兵器で、こんなものが作れれば戦闘の概念はガラッと変わると考えられる。
「他にもあるな?」
「肩に連装の機関砲らしきものがついている……いわば、高射機関砲タイプだな」
「こっちは?」
「腕に細い穴が開いている……ブレードか何かが飛び出して、白兵戦等も行えるようになっているんだろう。もしかしたら、高周波ブレードくらいは使えるかもしれない。現代MBTだって真っ二つだぞ」
「増々エグイな……でもすげぇ」
2人は夢中になりすぎていたらしく、内海が『ゴホン』とわざとらしい咳払いをしたことでようやく我に返った。
「すみませんでした。ロマン溢れるものが出てきたもので、つい夢中になってしまいまして……」
「で、では、やはりこれも、超技術の塊なのですか?」
「えぇ。これはパワードスーツと言いまして、人間の持つ能力を大幅に引き上げると同時に、普通の人間よりも強力な火器を扱えるようになる強化股肱とも言うべき道具です」
「本来我が国では災害が発生した際に瓦礫などを取り除くために作られたものですが、武装を搭載すれば十分軍事用としても使えると考えられます。ただし、現在の我々の技術ではこれほどのものは作れません」
自分たちからしても超技術を持つ日本ですら『作れない』と明言するようなものが目の前にある。そう聞いた各国の人々は真っ青になっていた。
もしも、あれが牙を剥いてきたら……そう思うと、震えだしそうにすらなる。
「おい万丈、パワードスーツだけでもまだ他にもありそうだな」
「色々探したいけど……あっても運び出せるか?」
「そうだな……できる限り運び出したいな。幸いこの遺跡は結構な高さがある。フォークリフトを使えば、ある程度は運び出せると思う。輸送には自動車運搬船を用いれば大丈夫だろう。あれなら大量に運べるからな」
「自衛隊の車両輸送船じゃダメなのか?」
「なに言ってんの。自衛隊は現在一部の教導部隊を残して撤収準備中でしょうが。陸自のお前が分かってなくてどうすんの」
「あ、そうだった」
万丈が『いけね』と言わんばかりに頭を叩く。どうでもいいことだが、リアクションが古い。
「ま、自動車運搬船は民間のゼネコン車両を運び込んでいるところだから、帰りはすっからかんだろうし、乗っけてもらう分には問題ないだろう」
「重量はどんくらいありそうだ?」
「そうだな……多く見積もっても10tくらいあるんじゃないか?流石に15tや20tとは思えないけど……」
旧日本軍の『九七式中戦車チハ』が12tほどなので、悪くてそれと同じくらいか、それより少し重いかくらいであろう。
日本の自動車運搬船であれば、50台を超える車も同時に運ぶことができるため、重量分散措置さえうまくいけば、10機くらいは運び出せるだろう。
「他の部屋も見てみないとな。何があるかわかったもんじゃない」
「でもよ、ここは『人間が扱う』パワードスーツだったからよかったけどよ、他の部屋に入った瞬間にロボット兵が出てくる、なんてことになったら嫌だぜ?」
「そうだな……入ったことのない部屋か、入ったら人が死んだ部屋はありますか?」
桐生が案内役の皇族に聞くと、皇族は首を横に振った。
「いいえ。どの部屋に入っても明かりこそ自動で灯りましたが、他には特に稼働する様子はありませんでした。あぁ、『船の歴史』と書かれた部屋もありまして、我々はそこで船の作り方を学びました」
船の設計図を手渡されたので見てみると、木造船のはずなのに、なぜか衝角ではなく球場艦首になっている。
要するに、多くの船につけられているので参考にしたのであろう。
「なるほどね……やっぱり、防衛機構は基本的に停止していると考えるべきだな」
「んじゃあ、よほどのことがなけりゃ……」
「ま、大丈夫だろう」
それを聞いた各国の代表もホッとする。
未知の技術に興味はあるが、それで死んでは元も子もないからである。
「よし、他にもないか色々調べるとしましょうかね」
桐生があれこれと調べると、ここは先史人類が地球を脱出する直前まであれこれと研究をしていたところらしく、現代日本でもまるで理解できない技術や物体がゴロゴロしているのだった。
だが、その中で気になるものがあった。
「なんだろうな……防護服みたいなものがやたらとある……」
「防護服? 実験室もあったんだろうし、普通じゃねえの?」
「いや、それにしてもだ。数百人分以上の防護服ってのは尋常じゃないぞ」
桐生はそのことをメモすると、後で会議の中で考えようと思った。すると、グランドラゴ王国の代表として来た竜人族のスタリオンが恐る恐る手を挙げて発言した。
「もしかしてとは思いますけど……外の環境に適応できなかったんですかね?」
その言葉に、その場にいた全員がポカンとしながら振り返る。
「え?」
「いや、その……貴国にも存在するではありませんか? 呼吸のできない海や宇宙の彼方で活動するための防護服が。もしかしたら、この先史人類たちは我々がこうして適応している環境に適応できなくなったのかなー、と……思いまして」
彼は日本の様々な本に目を通していたが、その中でも旧世界のダーウィンが記した本・『進化論』を読んで、『生物は環境に応じた進化を遂げる』ということを学んでいた。
そこからこの結論に至ったのである。
桐生もその言葉を受けて手を顎に当てながら考える。
「なるほど……そういえば、2000年代に発売されたっていうゲームにもそんな設定があったな……いや、だとすれば納得がいくな」
それは、2000年の一桁の年代に発売された、『水にプラス』する会社から発売されたゲームのことである。
わからない人のために(この小説を読んでいるような年代の人が知らないとも思えないが……)調べやすいワードを入れよう。
主人公の声優は、某特撮における20人目にして、『最高最善の魔王』の成れの果ての声だ。その声優さんが関わったゲーム、と言えばわかる人もいるだろう。
「この施設の規模からすると、人数は千人もいなかっただろうな。数百人分も防護服というのは、住人1人1人が外へ出た時のことを考慮して作られたものなのかもしれないな……スタリオンさん、ありがとうございます。大変参考になりました」
「そ、そうですか? ならよかったです」
桐生は防護服も多数持って帰ることを決めた。
少なく見積もっても、現代日本の各種防護服よりはるかに高性能に見えるからである。
「やれやれ……こりゃ面白いことになりそうだな」
それ以外にも壊れたレーザーガンらしきものや、空間投影表示されるタブレットらしきもの、さらに防護服の保管庫内から見つかった『実弾を用いる銃』など、とんでもない代物が目白押しである。
「日本は変わるな。今まで苦慮していたことや問題の多くが、これを機に解決するかもしれない」
あとは、なんとかこの施設を修復し、データなども含めて抜き取ることができるようになれば、さらに進歩が見込めるだろう。
だが、それにはそもそも『この施設に用いられている技術体系』を深く理解する必要があるので、それにはまだまだ時間がかかるだろうと考えられる。
これを解析した後、日本はどこへ行くのだろうか……。
講和交渉すると言ったね?あれは嘘だ。交渉にもならなかった。
ほぼ無条件降伏です。ハイ。
アホかと思ってるな?だが反省はしていない。
遂にパワードスーツが出てきました。
ゲームのネタは……分かる人も多いと思ったけど一応。
次回は20日前後に投稿しようと思います。
追伸、とあるお遊びを活動報告でやりました。『またか』『アホ』と言いたい人もいるかもしれませんが、少しでも気になったら『作者マイページ』の欄をクリックしてみてください。