ネアカ
微笑みは仮面のごとくベッタリと。
歯茎は赤々として、唾液を纏っている口内は光を反射し、光沢を屈託のない笑顔に変えているようであった。
別に笑顔な事は構いやしないが、そんなことよりも、こんな顔をしたやつが小さい子どもであれば拐っていき、お構いなしに滅茶苦茶にする事が何よりも怖いのだ。
共犯ということで、今年、家庭裁判所よりも大きい場所で法廷を体験したのだが、後ろに構えていた笑顔は何を言ったか。
「殺す事が楽しかった訳でもなく、抵抗もなかった。ただ、人数さえ揃っていて、殺しやすければ良かった」
記録を塗り替えたがるのは性だが、それを倫理の外に持ち出すのはどうか。そして、共犯者を作るなら拐ってきて貰えばよかったのに。