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一番星にガムをつけろ

作者: 麦ノ峠

嫌なことがあった日に夜空を見上げるとありえないほど空が低い時がある。絶対に手が届く距離だ。


今日も夜空が低い。すると夜空が僕の顔を覗き込んできた。驚いた僕は思いっきり手を伸ばす。

僕の手は何も触れずに空を切った。


しかし今日は嫌なことがあった訳ではない。他の誰かに嫌なことがあったのだろうか?

辺りを見渡すと仮面ライダーの変身グッズを腰に巻き、ただ遠い空を見ている人がいた。


誰かに「夢を見るな」と言われている気がした。


夜空が「いい加減目を覚ませ」と脳天に頭突きをしてきた。


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