表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

町へ出かけよう!―始めてのお買い物― 後編

リーフ(?)♀


・身体から生える植物、ふわっとしたセミロングの髪。(深緑)

・形式上マンドレイクの獣人ということになっているが、本来植物系の獣人は存在しない。


 ほぼ全てが謎に包まれている。


 今回少し短めです。やけにヤナちゃんがやらかすのは、ドジっ子と思って見逃してやってください。


 朝の家事を終えてから庭へ様子を見に行くと、日光浴しているリーフを発見した。その後ろ姿は、そわそわして落ち着きがない。

 リーフも表情に出さないだけで町が楽しみだったのか。そっとしておこう。

 リーフの光合成が終わるまで休もうと思い自分の部屋のドアを開ける。すると、布団に不自然な膨らみが。がばりと布団をめくると、予想通りヤナが卵を抱えて布団に潜っていた。


「……なにしてんだお前……」


「い、いや、少しでも余熱を残しておこうと……」


 大切にするのはいいことだが、あまりにも過保護すぎやしないか。注意すると、卵を布団で分厚くくるんで渋々部屋を出た。

 丁度そのタイミングでリーフが人の姿で現れた。頭の花も咲いている。


「よっし、出発するぞ」


「「おー!」」


 今日はリーフとガロのテンションが高い。このコンビは珍しい。まぁ、人間の姿のリーフはガラッと性格が変わるからな。意外とガロと馬が合うのかもしれない。

 オオカミとマンドレイクなのに。


 正確に言うと、この世界に『植物の獣人』は存在しない。実際のマンドレイクは、時おりギルドの討伐対象にもなるただのモンスターだ。それならリーフは何なんだという話は、また別の機会に。


 町へ向かう最中、ガロは終始落ち着かず、マリは久しぶりに出る外を恐がり俺の足にしがみついている。リーフは比較的落ち着いて俺の横を歩き、ヤナはずっと卵の心配をしていた。


 そして、歩いて一時間がたった頃、巨大な王宮が見え始めた。保護所があるのも王国内ではあるのだが、郊外のとても田舎な場所に立っており、滅多に客も訪れない。今向かっているのは中心都市だ。

 危険なことがわかったため例のダンジョンもついでにギルドに申請する。俺は一応王国のギルドに所属しており、階級もそこそこ高い。

 とある理由で保護所の先代に拾ってもらい冒険者業を休止、先代の死と同時に保護所を継いだ。


「じゃあ、最初は換金に―――」


「服!服が最初がいいっ!」


 ガロが駄々をこね、困って足元のマリを見やると、ズボンの裾をくいっと引いて上目遣いで見つめてくる。

 これを狙ってやってるんなら、マリは相当な悪女になるな……一緒に暮らしておらず他人だったとしても、こんな目をされたら俺はいくらでも貢ぐだろう。


「わかった、わかった。わかったから静かにしろ。」


「やったぁ!ご主人大好きっ!」


 先程までの駄々はどこかへ飛んでいき、ころっと態度を変えて俺に飛び付き、ぎゅうっと抱き締められた。やはりマリとガロはタイプが真逆だな。

 天真爛漫なガロも可愛いことに変わりはない。


 町にはいると、突然人口密度が高くなる。町中でうろうろされて迷子になられた困るため、そのままガロを抱き上げた。すると、マリからもおねだりがあり反対の腕も塞がってしまった。

 リーフははぐれないように俺の足に蔦を巻き付けてある。まぁ、最年長のヤナはまさか迷子にはならないだろうと思ってはいたが、ふと後ろを振り向くと、

 

 既にヤナの姿は消えていた。


 











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ