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美味ー!

グルメオンラインーーー4話



あれから暫く森を歩くとまたモンスターにエンカウントした。

ゼリー状の球体でプルプル震えてる。


まだ名前の部分は【???】だがどう見てもスライムだろう。

よしやっつけよう。


サクッ!


サクサクッ!


うむ余裕で倒せた。

一度飛びかかってきたが楽勝で躱せるので剣で何度か切り付けた。


光になって消えたスライムはドロップ品を残した。

拾い上げて注視すると【スライムゼリー・スカイ】となっているな。

ゼリー?食べれる?


食べてみた。


うっ、うぅーー美味ぁーい!


これは美味しい!ソーダ味のゼリーだが凄く濃厚、それでいて味が濃い訳ではない。

食感も柔らか過ぎず固すぎず、絶妙だ!やるな運営…。


その後も何度かスライムをやっつけ、ゼリーを食す。

色違いが色々いて味も違う。

水色の奴はスカイ、ソーダ味だ。ほかにもピンクの桃味や黒のコーラ味も中々に美味だ。


途中ゴブリン…あぁ、最初の石ころの奴だ。それも何匹も出たが石しか落とさないのでウザい。


一杯ゼリーを食べる為に戦闘を繰り返してたら新しいスキルを覚えた。【剣技能LV1】だ。

あと手数が足りない時に蹴ったり殴ったり、はたまた関節決めて投げたりしていたら【格闘技能LV1】のスキルも入手したゾ。

ほとんど剣で戦っていたイメージなのにスキル入手は二つとも似た様な時期だった事から、最初に入った経験値は【格闘技能】がまだ無く、ステータスで上では確認出来なかったと思われる。

今は各種技能の部分にちゃんと経験値が増えているのが確認できる。


よく考えると初めから【弓技能LV2】を持っていたのに全然使っていない。もしかしてこの種族、弓が得意か?

でもまぁ、私は剣道と合気道をかじっていたから今の戦闘スタイルの方が合ってる。

いや、かじっていただけで両方スグに辞めたんだが…。


そんなことよりゼリーだ、ゼリー。

他の味はいねーかー。もっと美味い奴はいねーか。


獲物を求めて森を彷徨う。

早く私に美味しい物を食わせろ。


段々元の主旨と行動が離れていっている気がする。

確か…初期イベントか近くの村を探して移動してた筈だゾ。まぁいい、ゼリー美味いし。


美味を求めて気付かないうちに森の奥の方まで来てしまった。

これは村とは全然違う方向に進んでるな?

段々と樹々が生い繁り薄暗くなっていく森の奥でガサゴソと音がする。新しいゼリーか?


「ガルゥ…」


違った、新手のモンスターだ。で、デカイ!?

犬の顔をしてるが二足歩行で、武器防具を装備している。

それにデカイ、私の倍近い身長がある!


う〜ん。壮観だ、感慨深いものがある。

現実では、女の子は勿論見下ろす感じだ。男の人でも大体目線が同じなのに今は完全に見上げている。


ん?そうだ!私ハーフリングだった。

じゃ、最初の人間並みの背丈だと思ったモンスターも凄くちっさいってことだな。


あっ、自分が小さくなったことに感じ入ってる場合ではない。

モンスターが差し迫ってた。勝てるか?


「ガルゥアアア!」

「こっのおぉー!」


ザシュッ!


大きく振りかぶって切り込んできた犬面のモンスターだが、飛び込んで胴を切り抜ける。

残心で直ぐに振り返り、まる空きの背中を切った。

胸部防具の無い部分を狙った一撃目と違い、袈裟掛けに切った二太刀めは防具に邪魔される。


一旦仰け反っていたモンスターも、怒りをあらわに突っかかってきた。

隙ありっ!

モンスターが大きく剣を振り上げた瞬間に突っ込んで行き、片手平突きを喉元に命中させる。

首を突きぬけた剣を抜くと、モンスターは光になって消えた。


ふい〜。コイツ結構強い。

攻撃もいいのが入らないと倒せないな…。


おっと、ドロップがある!

このゲームはドロップ率が高いなぁ。それともこういうのは序盤のモンスターだけかな?


なんにしろ新顔のモンスターだ、どんなドロップ品だ?

【コボルト肉】だった。


あいつ、コボルトなのか。まぁ、犬顔だしな。

しかしあれの肉を食べるのは抵抗がある…それに生で調理もされてないしな。

火でも通せば別だが焚き火をしようにも着火する手段がない。

こんな時ファンタジーなんだから魔法のひとつでも使って…。あるっ!火あるっす、たぶん。


そういや、私には【魔法LV1】があった。LV1でも火をおこす魔法ぐらいあるだろう?

【魔法LV1】を注視する。



《呪文LV1》

[ファイアスタータ]、[ドリンクウォータ]、[ストンファニチャー]、[エアーファン]



うむ、やっぱりポイのがある。

焚き木を集めて来て【ファイアスタータ】の魔法を使ってみる。

ライターよりはだいぶ大きな火が出た。しかし攻撃には使えそうもない。


よしよし、焚き火が出来たのでこれで【コボルト肉】を焼いてみる。

この際、あのモンスターの見た目は忘れよう。


はっ!そうか、調味料が無いんだなコレが…。

何か無いか?何か無いか?…【石ころ】〜〜〜っ!いらーん!!


怒りに任せて向かいの木に【石ころ】をぶつけたら跳ね返って足元まで戻って来た。

くっ!この石ころ〜!

そもそも何の為に存在してるんだっ!

【石ころ】を注視してみる。



【石ころ】 ごく少量の岩塩を含む石ころ



ごめんね【石ころ】ちゃん、投げたりして。

私だって、いつかは君が役に立つ日があると信じてアイテムボックスに入れといたんだっ。

本当だよ。


早速アイテムボックスから全ての【石ころ】を出しよく調べる。

石の所々に岩塩の結晶が確かに見えるゾ。


よし、削り出そう。剣を使うか…。


ガスッガスッ


やりにくい。アイテムボックス内に矢があった、コレを使おう…。


カツッカツッ


カツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッカツッ………………。


ふぅ。大分溜まったな。

しかし、あれだけ石があったのに掌に軽く小盛り分ぐらいしか無い。

残った石はどうしよう正真正銘のただの石だな…お前は要らない子だ、えいっ!

全部その辺の藪に捨てた。


さてさて、【コボルト肉】を焼こう、枝を剣で削って大きめの串を作って…。

この【コボルト肉】1キロくらいの塊だからな。よし、軽く塩を振って串に刺して炙ろう。


ジュウジュウ


ジュウジュウ


ん〜。いい匂いがして来た。

プスっと剣を刺して焼き加減を見てみる。

肉汁が溢れ出てくるが血は出てこない。いけてるな…。


剣で薄くスライスしてそこに更に塩をパラパラと…。

がぶりっ。

〜〜!〜〜!ん〜!美味しいっ!

何だこの肉!?こんな美味しい肉食べたこと無い!とても犬顔の奴の…いや彼を思い出すのはやめよう…。


凄く美味しいので次は厚めに切ってステーキ風に食べてみた。

はっぐっ!

うっは〜。最高!基本的に赤身肉だが、ジューシーで肉本来の旨味が溢れ出てる。

味的には豚でも牛でもなく…まぁ犬なんだが、とにかく美味しい!



よし、決めた!今からコボルト狩りだゾ。コボルト祭りじゃー!



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