ウディの成長
あれから暫くして街に戻り、ログアウトした。
一時帰宅だ。最初から最後までお家のベットの上にいたのに帰宅とはこれいかに。
現実に戻ってから晩ごはんの時に弟とお話しした。今年になってからは二人だけの食事だが、一人で食べるよりは断然いい。
お話しの内容はもちろん、グルメオンラインについてだ。
そうそう。私の家族は、お父さんお母さん、弟、私、の四人家族。
両親?ちゃんと海外で元気にしている。
お父さんの仕事の都合で海外に単身赴任が決まった時に、お母さんが一緒について行くと言い出して一悶着あったのも記憶に新しい。
お父さんが三年程だし一人で行くと言ったのに、お母さんが寂しがり屋さんなのでついて行きたがったのだ。いい歳をしてまだラブラブなのだな。
私と弟は、【はいはい、ご勝手にど〜ぞ。ごちそうさま】と快く送り出した。
お父さんが心配していた私達の身の回りのお世話は、お手伝いさんを雇う事で解決した。
お手伝いさんは私達が学校に行っている間に掃除と洗濯、晩ごはんの準備をして帰ってしまう。
日曜、祝日などの日は自分達で何とかする事になっている。
なので、両親が帰って来るまでは基本、弟と二人暮らしだ。
「…と、いう訳でアルカナには酷い副次効果がついていたのだ」
「はははっ。ハーフリングで生産の成功率半減って、これはもう町にこもってないでバリバリ狩りをしろって事だねぇ〜」
「狩りをしようにも格下は攻撃できんのだゾっ!」
「そりゃあ、女帝様ともあろう者が下々の者をいじめちゃダメでしょ。あははっ。
まぁ、でもそれは結構きついね、GOはスキルレベルの合計値が基本的なキャラの強さだし。行動を重ねないとそのレベルも上がらないしね。
まぁ、格上を相手にした方がスキルレベルも上がりが早いし戦闘はキツイけど姉ちゃんなら、何とかなるんじゃない。はははっ」
「むむぅ!他人事だと思って」
「まぁまぁ、眼力とアイテムドロップ率2倍は有効なんだからダイジョブでしょ」
「もう、こうなったら次々と新しい食材を探すには逆に都合が良いと割り切るか…ところで弟よ、イベントの事は知っているか?ゲーム中に告知が届いた」
「ああ、テストイベントの事だろ?」
「(ふむ、ベニーもそんな風に言っていたな…)なぜテストなのだ?」
「ああ、GOはこういう小規模イベをちょくちょくやって、それ以降実装される大規模イベの参考にするんだよねぇ。まぁ、それ故にテストイべはバランス悪くて、とんでもない強敵が出たりアイテムがさっぱりドロップしなかったりってのがあってね。あははっ」
「ダメダメではないか…しっかりと精査してから実装するべきだろう。運営の怠慢だ」
「ははっ。だよねー。でもバランス悪いのは逆に良い時もあって敵は超弱いのに、良いアイテムをボロボロ落とす時もあってねぇ。以外と人気があるんだ、福袋的な感じで。
あくまでテストですから、っていうのが運営の言い分だね」
「うむうむ。では今回はどっちのパターンなのだ?」
「そんなの俺が知る訳ないじゃん。まさに運営のみぞ知る、ってとこじゃない?」
「ふ〜むぅ。何気に楽しみになってきた。美味しい素材がドロップしたら良いのにな」
「姉ちゃん、それって食材的にって意味だよね…まったく、食う事ばっかだね…」
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そんなこんなでイベント当日。
私はベニーとイベントを一緒しようと待ち合わせの場所まで来ていた。
「確か、ファーストンの村の噴水前で待ち合わせだったな…」
なかなか見当たらないベニーをキョロキョロと探している。ウディも一緒だ。
今日まで数日あったのでウディの活用法を色々と模索した。
その結果、以外とウディは戦闘でも使えることが分かった。いや…戦力としてはさっぱりなのだが。
まず私は余っていた初心者防具セットをウディに装備させる。
ウッドパペットという召喚モンスターは、【プレイヤーと同じ道具を使用可能】との説明書きがあったのでもしや武器防具もか?と思い装備させてみたら、出来た。
これによりスライム程度にはそう易々と殺られる事はなくなった。
筋力も素早さの値も元々低い所為か、回避率はかなり落ちたが元々期待できる値ではなかったしな。
次にこれまた死蔵していた初期装備の弓を持たせ、敵に攻撃させるとコレが百発百中!…器用値が高いからだな。
これでウディも一緒に狩りを出来るゾっ!…と期待したがこちらは矢が敵に当たった時の音が、【ポコッ】とか【パコッ】で、ダメージが入らない。
どうやらこのゲームでは、相手の防御力を上回らない攻撃はダメージ【1】にもならない仕様のようだ。
つまり攻撃行動が成功した扱いにならない、つまりスキル経験値が貯まらず新しいスキルも得られない。
成る程、これがウッドパペットを召喚モンスターとして使う者がいないという訳なのだろう。
しかし!私は、私なりの私だけのウッドパペットの有用性を見つけたっ!
この、ポコパコ攻撃。攻撃は成功扱いにはならないのに、当たった瞬間に敵がウディに意識を向けてアクティブ状態になるのだ。
こうしてウディが敵を引きつけ、私がやっつけるというアルカナデメリットの回避が実現した。
ふふっ、これで一度味わって気に入った食材も再度入手する事が出来る。
効率良く狩りを続けたお陰かステータスも結構上がった。剣技能などLV5になった。
LV5の段階で【アーツ】という必殺技みたいなモノを覚えたが、これが全然使えない子だ。ふぅ、まったく…。
まぁ、それは良い。狩りまくりツアーの収穫は他にある。
ウディが新しいスキルを覚えた、それも戦闘系だゾ。
そのスキルを入手した経緯はというと…。
延々、ポコパコ攻撃を繰り返していると、ダメージ【1】と表示される時が出てきたのだ。まぁ、20回に1回くらいだが…。
どうやら仕様では急所にドンピシャでヒットした時には、クリティカルヒットとして防御力無視の一撃が入るらしい。ウディはステータスが低いのでそれでやっと【1】だが…。
しかしこれを繰り返す事でついに手に入れたっ!【弓技能LV1】をっ!
このスキルによりクリティカルを出さずともウディは通常攻撃で敵に毎回ダメージを与えられる事となったのだっ!………ダメージ【1】を。くっ!焼け石に水…。
ま、まぁ。これでスキル経験値も得られるし。
ウディもいずれはスライムくらい単独撃破出来るようになるだろう。10000回くらい繰り返せば…。
く〜〜〜〜っ!がんばろーな、ウディ!




