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ベニーが言うには、苦労して手に入れた岩塩などの調味料を無駄にしない方法があるらしい。


「料理セットはね何度も使っているうちにランクアップするのよ。まぁ、特にレベル表記があるわけじゃないから以外と知らない人も多いんだけどねぇ〜」

「ふむ、で、ランクアップするとどうなるのだ?」

「ランクアップするとね、それまで使ったことのある調味料がリストに上がって標準装備になるのよ。つまりそれ以降はゴブリン岩塩のような調味料も使い放題って訳」

「おお、それは良い。で、どのくらい使えばそうなるのだ?」

「それが分かんないのよねぇ〜。なにせデータが少なすぎて…大体のプレイヤーは料理セットなんて使わずにお店で食べたり、料理人ロールしてる人に依頼して食べるからあんまり情報が出回らないのよ」

「何だそれは。役立つようで微妙な情報だな」


うむ、そういえばそんなふうなこと弟も言っていたな…。

いいんだっ!私は取り立てをいつでもどこでも食べたいのだっ!


「まっ、ゴブリン岩塩を使い切ったところでいずれはリストに出るって事で、今回はじゃんじゃん使っちゃいましょっ!」

「自分がうまい塩で食べたいだけではないかっ!…まぁ、良いが。おっ!そろそろか…」


ウディが作ってくれたのは豚の生姜焼きと、シンプルに塩コショウだけで味付けしたトンテキだ。

ん?生姜?


「きゃ〜っ、美味しそうね〜」

「いや待て、ウディ。生姜など何処で手に入れた?調味料リストには無かっただろう」


ウディはわきわきと手を動かしながら説明をしてくれる。

どうやら薬草を採取した際についでに取っていたらしい。素晴らしく気の利く奴だ、秘書にしたい。


「まっ、そんなのどうでもいいじゃない。このゲームじゃ、その辺に結構食材が生えたりしてるしねぇ。食べましょ食べましょ」

「ふむ、まぁゲームだしな。気にしたら負けか…う〜ん、しかし良い匂いだな米が欲しくなる」

「そうね〜。っと、思ってさっきウディちゃんにお米も渡しておいたからっ!…あっ、そうそう。これは譲渡じゃなく料理人に調理依頼した形になってるから後で料金を払うわね」

「おお…何だか、至れり尽くせりで済まないな」

「良いのよ、友達でしょ。うふふ」


私は友達が少ないので嬉しいのは嬉しいのだが…素直に喜べないのはさっき抱きつかれたせいか?

別の下心を感じてしまう…。

しかし、既にフレ登録済で連絡先を押さえられている。…後で弟にブロックの仕方を聞いておこう。


そして2人でウディの作った料理を堪能した。たいへん美味しゅうございました。

生姜焼きをほうばり、ご飯。肉、ご飯、肉、ご飯。

トンテキ、ご飯。ご飯、トンテキのっけーの、ご飯。

現実世界ならカロリーが気になってとてもじゃないが出来ない。グルメオンライン、ありがとー!


ウディの入れてくれたお茶を飲んで食休み。

これも知らぬ間に採取済みだった。ウディ、よく出来た嫁だ。


まったりしているとベニーがテキパキとした感じで、料金の精算と調合セットの受け渡しを済ませてくれる。以外とちゃんと商人している。

感心して見ているとベニーに雑談で興味深い話をふられた。


「ねぇ、ノイン。今度運営が試験的に実装するイベントがあるんだけど、あなた一緒に回らない?」

「イベント?しかし私はまだ始めたばかりだぞ、一緒になんて無理じゃないか?君は結構ベテランだろ?ステータスにひらきがありすぎるのでは…」

「それが今回にイベはそうでもないのよ。うふふ。それに、イベなら普段手に入らない特殊な食材を入手するチャンスよ」

「食材っ!?やるっ、私も参加するっ!」

「じゃ、決まりね。詳しくわまたメッセージ送るわね〜」


ベニーはそう言うとそそくさと立ち去ってしまう。


あれ?何だか上手く次のアポ取りまでされてしまったゾ…。

まぁ、まだ食べたことない食材をゲットするチャンスだし、少々性癖に難があってもフレ登録はそのままにしておくか。









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