収穫
さて、せっかく錬成を持っているのだし、何かを作るための素材を集めるために森、行くかー。
※出来るだけモンスターの素材も欲しいが……戦闘、したくないなぁ。
クーとシャドを起こし、まだ寝惚けている彼女達を外へ連れ出した。向かうは道具屋だ。
◇ ◇ ◇
着 き ま し た 。意外と近かった。
何を買うのかって?鉱石を採るためのピッケルとポーションかな。
回復水晶とかあるけどもお値段高過ぎぃ。400Cだと!?
ポーションは1個、50Cだというのに。
あれか?回復力の差なのか?
だが、回復力100と200…。うーん、特に大きな差でもない?
んで、諦めて、説明を読んでみた。
ポーション:30秒掛けて、HP100回復する。
回復水晶:自身をHP200回復させ、仲間のHPを100回復させる。
………………。
数秒間、固まった。
クーにつつかれて、正気を戻した。
おおう、なるほどなぁ。時間を掛けて回復しないから前線でも使えるのか。別の言葉を使うと前線を走っている人程買っていくな。コイン貯まるから。
クロヒメはピッケル1個とポーション6個買った。400C使い、残り9300C残った。
次は、武器を買いに行くことにした。
魔法も上手く使いたいし、ロッドをね。
武器屋もさほど、遠いところにはなかった。ていうか、隣でした。
1300C払い、初心者用ロッドを買った。
初心者用ロッド
攻撃:5、魔力:15
初心者が扱いやすい得物。
うん、簡潔な説明だね、わかりやすい。
では、ロッドを装備して、
いざ、逝かん、森林エリアへ。
◇ ◇ ◇
森に入る前に、クーとシャドのステータスを確認した。
クー/空狐 Lv.1
SP:10
スキル
風魔法 Lv.1
固有スキル
天駆
シャド/影狼 Lv.1
SP:10
スキル
闇魔法 Lv.1
固有スキル
影渡り
ん、スキルはそれぞれ闇魔法、風魔法か…。そして、スキルポイントの残りが10。これは相当なスキルが取れそうだ。
早速、クーとシャドに相談してみた。
反応は、クロヒメの役に立つのならどうぞお好きにと、言われた。お、おう。
シャドにはスキルポイントを5使って、疾駆、耐性 (小)を覚えさせた。
クーには、6使い、空気抵抗 (小)、耐性 (小)、料理。
料理は何となくです。美少女の料理…ぐへへ。
森、入りました。なんか、昨日より暗くなってない?ウイルスの影響?
クーとシャドにはいつでも逃げられるように、天駆と影渡りの準備をさせておく。
私?私はね、何も無いよ。
少し歩くと採取出来そうな草を見つけた。
《薬草を手に入れた》
《薬草を手に入れた》
《薬草を手に入れた》
《薬草をry…》
……………………………………。
うがぁぁぁぁ、薬草しか取れないじゃん。どうなってんだぁぁぁぁぁぁ。
クロヒメは髪の毛を掻きながらそう思った。クーとシャドから変なものを見る視線を感じたが、今はそれどころではなかった。
くそう、モンスターに負けたわけではないが物凄く悔しかったです…、とクロヒメは後に語る。
諦めよう。仕方ない歩いて次のポイントに…。
10分歩いて、石の塊を見つけた。ピッケルを振り下ろす、当然取れるのは…石ころですね、分かってました。
どうなってんだろうね、全く取れない。素材らしきもの。
考えていると、グルルルという獣の唸り声が聞こえる。声の発生源を見てみると、1匹の森狼がいた。
「あれ、明らかにこっち向いてるんだけど、シャドどうにか出来ない?」
「調教すればいいと思う」
「うん、分かった。うん」
ここは影狼の私が、とか言ってくれてもいいと思うんだ。そう思っていると、
「ガァ!」
一鳴きし、森狼がこちらに飛びかかってくる。
「ウォーターボール」
魔力の器に水を押し込めた玉を投げた。
森狼は顔に水がかかり、驚いたように一瞬動きを止めた。
チャンスだと思ったので、森狼に向けて、
「テイム!」
と、叫んだ。
森狼の体は一瞬光る。そして、こちらに目を向けてきた時には表情に殺意は無かった。
1発で仲間に出来たよ!?下位モンスだから?
『森狼をテイムしました。名前を付けましょう。』
名前…ね。もりりんとかどうだろう。後ろから、じとっとした視線を感じるが、気のせいだろう。
「君は、もりりんね」
「がう!」
「わぁ、ご主人さまって安易な名前しか付けないよね」
「まったくですね」
おい、後ろ…聞こえてるぞ。
良いじゃないか、もりりんっていうの。某パズルゲームにいた様な気がしたが、気にしない。
もりりんも、尻尾振ってるし、気に入っていただけただろう。
《調教師スキルがLv.2になりました》
《Lv.2になりました。SPが2追加されます。残りのSPは2です》
《水魔法がLv.2になりました》
クロヒメ Lv.2
SP:2
スキル
火魔法Lv.2、風魔法Lv.2、水魔法Lv.2、調教師Lv.2、魔力増加、魔法適性、錬成、細工
固有スキル:無し
うん?火魔法と風魔法?そんなの追加されてたっけ?魔法適性は最初からあったし…うーん。昨日の戦闘後に追加されたのだろうか。
固有スキルって言うのは、天駆や影渡りっていう特別なスキルだろう。どうやったら手に入るかなー。
ついでに、もりりんのステータスも。
もりりん/森狼 Lv.1
SP:1
スキル
噛みつき、引っ掻き
まぁ、そうだよね。SPは1…使おうと思ったけど、SP2で木登り覚えるし、保留で。
隣を歩くもりりんを見ると、何となくクーとシャドより安心するのは何故?
体長もなかなかだし、深緑色の体毛がふつくしい。自然で育っていたわりによく手入れされた毛並みだ。
◇ ◇ ◇
そろそろ森林エリアの出口が見える頃だ。採取はあまり良い成果は無かったが…寧ろ悪かった。だが、もりりんという仲間が出来たことはでかい。そのもりりんも街では目立つので一旦、モンスターボックスという、次空間に戻した。またよろしくね、もりりん。
街に着いてからはシャドの影渡りで家まで戻った。今日の朝も何となく見られていたし。
家についてからは、もりりんを召喚した。
うわぁ、何この毛、さらっさらだよー。
クロヒメは、もりりんを撫で尽くし、挙句には枕にし一緒に寝入っていた。
次、生産したい