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皇国復活  作者: waka
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電脳戦線

 皇国再建委員会は、政治的腐敗により失われた日本人のナショナリズム精神、中国に支配されている九州・四国地方の独立気運を高めるために、日本人に昔ながらの日本の姿を思い出させ、本来あるべき日本の姿を広めようとした。

 中国東海省_____十数年前までは旧日本国、九州・四国と呼ばれた地域である。昔ながら、九州・四国地方は日本の国政に大きな影響を与えてきた。

 

 飛鳥時代に行われた、倭国と唐(中国)・新羅(朝鮮)間で行われた白村江の戦いの重要拠点も九州地方であった。白村江の戦いは日本初の対外戦争であり、対馬と壱岐は大きな役割を果たした。白村江の戦いの敗戦後、九州地方には国防のために大宰府が設けられた。後の鎌倉時代、皇国存亡をかけた戦い、蒙古襲来防衛戦の最前線は九州地方であった。またしても、防波堤として対馬や壱岐、大本営として大宰府が大きな役割を果たした。

 九州地方は長年の間日本の防衛拠点・外交拠点・貿易拠点であったのだ。

 日本が開国して、最も西欧列強の技術や文化を取り入れたのも九州である。幕末時期で最も進んだ科学技術を持ち、強大な軍事力を持っていたのは薩摩藩や長州藩、佐賀藩など九州地方の藩であった。その後、土佐藩(旧高知県)出身の坂本龍馬の仲立ちにより、薩長同盟が結ばれた。

 その後、薩長藩は江戸幕府を倒し、明治政府をたて、日本の近代化を推し進めた。薩長土肥は、その後続く藩閥政治や後の大正デモクラシーに大きな影響を与え、富国強兵をもたらした九州・中国地方の藩である。

 九州・四国地方は二千年以上続く歴史の重要拠点であり、日本民族としてかけがえのない土地であった。


 20XX年に開戦した第二次日中戦争においても、九州・四国地方は補給線の要所、沖縄・尖閣諸島・台湾防衛の最前線となり、防衛都市としての役目を果たした。

 しかし敗戦後、中国は長年太平洋進出の障害であった尖閣諸島や沖縄、台湾の併合後、九州・四国地方の地政学的重要性に気づき、和平の条件としてそれらの地域の併合を突きつけた。


 かつての日本の歴史的重要拠点は失われてしまったのだ。さらに、中国によりその歴史すらそれらの地域から消されそうになっているのだ。

 この衝撃は日本民族の誇りや精神力の核に大きな傷を与えた。


 度重なる弾圧により、それらの地域での日本民族のアイデンティティは失われてしまった。自ずから日本人と名乗りを上げ、日本民族であるという誇りを持つ者がいなくなってしまった。


 本州においても、日本列島領土の損失、政治的腐敗など数多にも及ぶ目を背けたくなる出来事により日本人のナショナリズム精神は弱っていった。


 ______日本を再統一し、かつての日本を蘇らせる。侍の精神を持つ人々が暮らす、八百万の神がその地に宿るような国を再建する。それには、今現在を生きる我々の精神的団結が必要だ。

 皇国再建委員会は、かつての生き生きとした、長年の歴史の上に立つ日本を思い出させ、本来あるべき日本の姿を広めることで、日本国民族の統合を図った。


 電脳世界を利用した民族統合______そこにはたくさんの壁があった。

 本州・北海道政府による言論統制や、中国によるネット検閲及びグレートファイアーウォール(敗戦後の親中日本政府により、日本国にも中国から部分導入された。)、広まりつつある共産党プロパガンダや監視体制など。

 本州・北海道の何倍も、中国統治下の九州・四国地方での情報普及は難しい。アナログにしろデジタルにしろ、情報普及のためには強力な匿名性が必要であった。


 そこで皇国再建委員会は、SNSからダイレクトに広めるのではなく、地下電脳世界(ダークウェブサイト)を利用し、第三者から芋づる式で広めることにした。

 九州・四国への電脳戦線の展開は、中国のグレートファイアウォールに引っかからないほど、深いダークウェブサイトに、失われつつある旧日本文学作品や、歴史的書類や物品などの画像、戦前に使われていた歴史の教科書のアナログデータなどをアップロードすることにした。

 本州・北海道への電脳戦線の展開は、使い捨てのアカウントを利用してSNSに#JPN168というハッシュタグを広めることにした。ハッシュタグにとぶと、京都の美しい日本建築や美術品の画像、昔あった保守系政党の広告動画など、日本人の政治や文化への興味を引きつけるような関連のある他人の投稿をみられるようにした。

 

 これらのインターネット活動により、日本国のアイデンティティを自覚させ、本来あるべき日本の姿を再検討させるようにした。しかしながら、果たしてこの情報戦略が、九州・四国地方における十数年にわたるプロパガンダを打ち破るには十分だったのか、当時の委員会内部でも意見は分かれていた。


 不安が入り乱れる中、電脳戦線第一段階を開始した委員会は、共産党のプロパガンダとの情報戦を開戦したのだった。

 日本主権領土におけるグレートファイアウォールは、一部情報(政治について、戦争についてなどの現日本政権について不利な情報)に規制をかけるものであり、中国本国(東海省含む)のものよりは規制が緩い。基本、日本版ファイアウォールは本州・北海道政権の主管にある。

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