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デスクにて...

今日もポチ太郎は、オフィスでパソコンに向き合っていた。先日、猫田商事との契約を逃してしまったことが尾を引いている。営業部の同僚たちは、ポチ太郎の失敗を面白おかしく噂している。


「おいポチ太郎、猫田商事の件、どうなったんだ?まさか、またドジっ子キャラ炸裂か?」


そう声をかけたのは、営業部のエース、チワワのチワワ子だ。チワ子はいつも鼻持ちならない態度で、ポチ太郎のことを無能呼ばわりするのが常だった。


「チワ子さんのような美貌と才覚をお持ちの方なら、簡単に契約できたでしょう。しかし、僕のような凡人には、そう上手くいかないものです」


ポチ太郎は、チワ子の挑発に冷静に応えた。


「凡人?ふふ、お世辞にも褒められたもんじゃないわね。ほらね、やっぱり自分ってバカだと思ってたでしょ」


チワ子は得意げに笑った。


「チワ子さん、人のことをバカ呼ばわりする前に、自分のことを振り返ってみてはいかがですか?猫田商事の件、チワ子さんが担当していたら、一体どうなることか…」


ポチ太郎は、チワ子の言葉をそのまま返した。


「何だと!生意気な犬め!」


チワ子は怒り、ポチ太郎の襟首を掴んだ。


「ちょっと待てよ!二人とも!」


そこへ、部長である老犬の柴犬さんが駆けつけた。


「何をしているんだ!会社で喧嘩するんじゃない!」


柴犬さんは、二人を怒鳴りつけた。


「部長、この犬が…」


チワ子は、柴犬さんに事情を説明しようとするが、ポチ太郎が先に口を開いた。


「部長、チワ子さんが最初に僕を馬鹿にしたんです。僕はただ、反論しただけですよ」


「チワ子、君も冷静になれ。ポチ太郎も一生懸命だったんだ。猫田商事は、確かに難しい相手だった。今回の件は、チーム全体で反省すべき点がある」


柴犬さんは、両方に注意した。


「でも部長、ポチ太郎は新人だし無能なんだから、こんな難しい案件を任せるべきじゃなかったんです!」


チワ子は、まだ納得がいかない様子だ。


「チワ子、ポチ太郎は、言葉を話せるし、仕事に対する熱意も人一倍だ。新人だからできない、なんてことはない。むしろ、新人だからこそ、我々にはない視点を持っているかもしれない」


柴犬さんの言葉に、チワ子は言葉を失った。


「ポチ太郎、君には期待している。次は必ず、大きな契約を取って見せるんだ」


柴犬さんは、ポチ太郎に励ましの言葉をかけた。


「はい、部長!必ずやります!」


ポチ太郎は、力強く答えた。


その後、ポチ太郎は、猫田商事の契約を逃した原因を徹底的に分析し、次の契約に向けて、より一層努力することを決意した。


チワ子は、ポチ太郎の言葉に心を打たれ、少しだけ彼を見直すようになった。


そして、二人は、互いをライバルであり、仲間であることを自覚し、共に会社を盛り上げていくことを誓った。

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