昼休憩
ポチ太郎は、今日も午後の仕事に向けて、いつもの二郎系ラーメン店へ。券売機の前で、いつものようにラーメン、野菜マシ、ニンニク少なめ、アブラ多めをポチリ。
「よし、ポチ太郎、今日も一日頑張るぞ!」
ところが、今日のラーメンはいつもと様子が違った。スープの色が黒光りしている。店員に尋ねると、「今日は特別に煮込んだ黒マシマシスープです!」とのこと。
「黒マシマシ?一体どんな味なんだ?」
恐る恐る一口スープを啜ると、予想をはるかに超える強烈な味が襲ってきた。まるで墨汁を飲んでいるような感覚だ。
「く、苦っ!これはまるで犬神家の血統書を飲んでいるようだ!」
ポチ太郎は、思わず昔のホラー映画のセリフを口にしてしまう。
さらに、麺は太麺が限界を超えて太く、もやしは宇宙から降ってきた隕石のように硬い。チャーシューは、まるでレンガを叩き割っているような感覚だった。
「これは、もはやラーメンではない!デスゲームだ!」
ポチ太郎は、汗だくになりながら、必死にラーメンと格闘する。周りの客たちは、そんなポチ太郎を面白がって見ている。
「おいおい、犬がラーメン食ってるぞ!」
「しかも、楽しそうに食ってるな!」
そんな声が聞こえてくるが、ポチ太郎は我関せず。ただひたすらラーメンを食べ続ける。
ようやく完食したときには、ポチ太郎は完全にグロッキー状態だった。
「もう、二度と二郎系は食べない・・・」
そう心に誓いながら、店を後にしたポチ太郎。しかし、次の日には、また同じラーメン屋に向かっていたのであった。