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29 ギリシ王国

読んで下さってありがとうございます。

初投稿の時には誰も読んでくれないかもと思っていたので感謝感激です。

1ヶ月連続投稿迄もう少し。読んで下さる方々のお陰で頑張れます。

これからもストレスフリーで楽しんで頂けることを第一に書き書きしていきます。

どうぞ見捨てずに読んであげて下さい。

港を見て歩いた。

「ここが市場です。水揚げされたばかりの魚を売っています。時間が遅いので今は人が少ないですが、朝は凄く賑わうのですよ。」

ギルドのお姉さんが案内をしてくれている。

親切? それとも僕に気がある?

“ソレハ無い”

シロに即答された。

トラブルが起こらないようにという配慮か監視役。


市場を案内されていると、騎士が5人やってきた。

「公爵様がお呼びだ。一緒に来い。」

「嫌!」

「レオハ貴族ノ作法ニ疎イ。無礼ガアッテハイケナイノデ遠慮スル。」

「そのようなことはどうでもよい。黙ってついて来い。」

「嫌!」

「無礼な、来ぬというなら力づくでも連れて行くぞ。」

後ろの騎士たちが腰の剣に手を掛けた。

「ギュルルゥ!」

シロの威嚇を受けて騎士たちがひっくり返る。

二人の騎士はお漏らししたようだ。

「助さん格さんもう良いでしょう。」

「?」

シロにも通じなかった。

言ってみたかっただけ。

「無礼ハドッチダ。相手ヲ見テモノヲ言エ。コレ以上怒ラセルトアノ城ガ吹キ飛ブゾ!」

「うん。」

最後は俺が決めた。



騎士達と呆然と立ちすくむお姉さんを後に市場近くの屋台を巡る。

魚や貝、イカやエビを売っている。

大きなエビを串に刺して焼いたのがめっちゃおいしそう。

2本買ってシロと二人で食べる。

「旨い。」

「ウン。」

エビが美味しかったせいで急におなかが空いてきた。

魚や貝、イカと次々に買って食べ歩き。

やはり新鮮なものは美味しい。

おなかが膨れたので海が見える丘に登って海を見る。

目の前には奇麗な海。

とりあえず、

「バカヤロ~ッ!」

叫んでみた。

「?」

シロが首を傾げる。

ただ叫んでみたかっただけ。

ファンタジーの定番だとそろそろ領主本人が現れる。

シロに乗って飛び立った。

めんどくさい。



ギリシ国の王都ハテナはテッサロの遥か南。

南を見ると海。

南西に向かって街道沿いを飛んだ。

盗賊さんめ~っけ。

馬車3台の商隊を20人ほどの盗賊が襲っている。

後ろから10人ほど来るから全部で30人?

ドラゴ国なら小人数の盗賊団だが、結構良い馬に乗っている。

お金持ちの盗賊?

冒険者10人の護衛のうち3人が倒れている。

「ギュルルルゥ!」

シロの威嚇で盗賊達が馬共々倒れる。

“スタンガン“

最近は竜の麻酔用にしている麻痺魔法

倒れている盗賊や威嚇の外にいた盗賊を麻痺させた。

怪我をしている冒険者の所に行って回復魔法を掛ける。

幸い死んだ冒険者はいなかった。

「盗賊ハ麻痺シテイルダケ。アトハ任セル。馬モスキニシロ。」

シロがしゃべったことに驚いている冒険者達を尻目に飛び立った。


今回は観光旅行と竜の治療。

面倒は出来るだけ避ける。

でもちゃんとアジトは潰した。

落ちている物を拾わないのは勿体ない。

お金持ちとは思っていたが、予想以上に貯め込んでいた。

特に香辛料や塩、酒、勿論お金や宝石も。

大きな収穫は懐中時計。

ミスリルで作られた魔道具。

王宮に大きな時計があったが、懐中時計は初めて見た。

ラッキー。


丘でゴロゴロ遊び。

荒れ地で魔法の練習。

海辺で野営。

雷魔法で捕ったお魚を焼いて食べる。

うん、満足。

シロに寄りかかって寝た。

幸せ。


3日ほどのんびりしてから、街道に戻って南を目指す。

街が見えてきた。

門の前で着地して衛士にカードを見せる。

「竜の治癒士、ですか?」

「うん。」

今回の目的の一つは竜も人間同様に治療が出来ると広める事。

治癒士の証明書が役立っている?

それ以上の詮索は無く門を通してくれた。

カテリーという港街らしい。

テッサロ同様に建物は白い石造り。

かなり先には港に泊まっている船のマストが沢山見えている。

大きな港があるようだ。

定番通りにギルドに向かう。

この国の基本形なのか、ギル後の横は馬車の駐車場と馬用の厩舎。

竜の待機場は見つからなかった。

仕方がないのでシロを連れてギルドに入った。

ギルド内の空気が凍った。

「冒険者ノレオト朋輩ノシロ。ギルドマスターニ会イタイ。」

どうせギルマスが出てくるのだから最初からギルマスを指名するのが良策。

冒険者達は池の鯉?

ぽかんと口を開けたまま固まっている。

餌は無いよ。

「し、暫くお待ちください。」

いち早く解凍したお姉さんが階段を駆け上がって行った。

「竜が、竜がしゃべった?」

冒険者がぶつぶつ言っている。

なんで疑問形なんだ?

目の前でしゃべっただろ?

お姉さんがバタバタと階段を駆け下りてきた。

元気なお姉さんだ。

「どうぞこちらへ。」


「トイウ訳デ、怪我ヤ病気ノ竜ヲ探シテイル。」

「この街は小さいから竜騎士はいない。ギリシ国で竜がいるのは上流貴族の領都と王都くらいだな。」

ドラゴ国なら5~6人は竜騎士がいそうな規模の街なのに一人もいないらしい。

どおりで待機場が無い訳だ。

「騒ガシテスマナカッタ。王都ニ向カウコトニスル。」

ギルドを出た。

少しだけ見物と思って港に行くと屋台が一杯。

テッサロより多い?

試しに買ってみるとテッサロより美味しい。

どうせ旅の恥は掻き捨て。

屋台で大人買いしてはアイテムボックスに収納した。

整理したから見つけやすいし、時間経過が無いから冷めない。

味見しては大人買い。

パン屋からいい香り。

味見して大人買い。

これからは野営しても食事には困らない。

市場で魚も大人買い。

海辺では捕れなかった大きな魚が一杯。

貝やエビも大人買い。

ついでに大きな鍋も買い込んだ。

竜騎士が泊まれる宿が無ければ野営しかない、シロと別々は嫌だからこれからは野営。

カテリーを出て街道を南に飛んだ。


丘の斜面に畑。

ブドウ畑だ。

ワイン?

俺は16歳、立派な成人だ。

カテリーのギルマスには10歳と言われたが、16歳だ。

誰が何といっても成人だからお酒も飲める?

この世界に来てまだ飲んだことは無いから判らない。

この国は盗賊さんが結構多い。

きっと白い悪魔がいないのだろう。

ちょこちょことお小遣い稼ぎが出来たので、次の街でも大人買いしよう。

5日程掛かって着いた街は小さかった。

街もしょぼいがギルドもしょぼい。

街の名前がヴォロ。

クラスメートだったボローニャを思い出す。

アオは元気にしてるかな。


王都のハテナを目指して南に飛ぶ。

小さな町をいくつかスルー。

盗賊さんいらっしゃいで10回程お小遣い稼ぎ。

7日目の夕方に王都ハテナに到着した。

さすがに大きいがホロル程でもない。

ドラゴがいかに大国かが良く判る。

門の前には街に入る人や馬車が並んでいる。

着地して列の後ろに並んだ。

門の所にいた衛士が3人走ってきた。

「ドラゴ国のレオ殿とお見受けします。」

「うん。」

「あちらの門にお越し下さい。」

何故か俺のことを知っているようだ。

貴族用の大きな門に案内された。

竜治癒士のカードを見せる。

ドラゴ国王の紋章である竜の紋章入りカードに衛士が驚いている。

何も問わずに門を通してくれた。

とりあえずギルド。

ギルドの隣は駐車場と馬用の厩舎。

やはりこの国の定番はこの形らしい。

少し先に竜の待機場が見えた。

待機場には茶竜が1頭と緑竜が1頭。

竜騎士の宿舎は無い。

シロが待機場に入った。

茶竜と緑竜は元気らしいのでギルドに行った。

シロと一緒に泊まれる宿を聞きに行ったのだが、無いらしい。

厩舎のある宿はあるが、厩舎は部屋から離れている。

王都内はダメだが、門の外なら野営しても問題は無いということで、シロと離れるよりはましと思い、夜は王都の外で野営することにした。


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