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16 フラグは回収されます

ギルドに行くといきなりギルマス室に連行された。

「丁度良かった。緊急依頼で薬草の採取を頼みたい。」

「うん?」

「この薬草だ。根ごと3本頼みたい。」

薬草図鑑を見せてくれた。

「場所は北西の岩山の麓を流れる川の上流にある沼の畔だ。少し離れているがシロなら今日中に帰って来れる。遅くなっても門を通れるように連絡しておく。」

簡単な地図を渡された。

「おそらく無いとは思うが沼蛙が出るかもしれないから、一応この解毒ポーションを持っていけ。」

ポーションを2本渡された。

そうか、回復魔法は毒に効かないんだ。

初めて知った。

解毒の魔法も考えなくちゃ。

そんなことを考えながら北西に飛んだ。

沼蛙は猛毒の液体を飛ばす魔獣だが殆ど姿を見せることは無い。

毒液を溜めている頬袋が魔法袋の原料となるので高ランク冒険者がお金に困った時に命がけで討伐に向かう事があるらしい危険な魔物。

どういうわけか俺って出会う可能性が極端に低い魔物と出会うんだよね。

これってフラグ?

そんなことを考えていると沼に着いた。



目的の薬草のすぐそばに沼蛙がいた。

やっぱり。

”バリア“

沼蛙はいきなり毒液を飛ばしてきた。

バリアで弾かれた毒液が足元に落ちるとジュッという音と共に紫の煙が上がる。

シロがすぐに飛び上がって煙を避ける。

煙にも毒があるらしい。

風刃やマグナム弾だと頬袋を傷つける。

アイスランスではヌメヌメした革で滑って弾かれる?

貫通力だけを高めた爆発しないライフル弾をイメージする。

目標は沼蛙の眉間。

沼蛙はこちらを見上げて威嚇している。

先を尖らせ、回転数と速度を高めて一気に貫くイメージ。

発射!

眉間に当たったライフル弾は沼蛙を貫いて地面に突き刺さった。

着地して沼蛙をアイテムボックスに収納。

薬草3本を土ごとアイテムボックスに収納した。

急がなきゃ。

王都に急行した。



「おい、昨日のオークションに沼蛙の頬袋が出たのを知っているか?」

「そうなの?」

昼休み、俺はマテとボロの3人で食堂に来ている。

勿論シロも一緒。

3人といっても目の前には4人の女性が座って少しでも俺やシロに接近しようと虎視眈々。

「頬袋って魔法袋の素材ですわよね。」

「よく知っているね。俺の魔法袋も内袋は沼蛙の頬袋で出来ているんだ。」

話題に食いついてくれたのでマテが自慢げに自分の魔法袋を見せる。

「高いのでしょう?」

「今回は特に大きいうえ、全然傷が無い極上品だったからすごく盛り上がったそうだ。」

「いくらで落札されたの?」

「なんと右の頬袋が白金貨21枚、左が19枚。」

「両方合わせて白金貨40枚って凄いわね。」

「極上品だから特に高かったらしいよ。」

「討伐した冒険者は大金持ちね。」

「誰かは極秘事項だから公表されないけど、あの毒蛙を頬袋に傷一つ付けずに倒すのだからAランクの凄腕パーティーだろうな。」

「毒蛙ってそんなに強いの?」

「皮膚がヌメヌメしていてよほどの腕が無ければ剣も槍も滑って傷一つつかない。しかも猛毒の液を10m以上飛ばすし、液が何かに当たると毒の煙に変わってあたり1面が毒に侵される。まあよほど金に困らないと手を出す冒険者はいないな、もっとも見つかる可能性なんてゼロに等しいから狙うやつはまあいないね。」

そうなの? 

知らなかった。

めっちゃやばい相手じゃん。


「それよりお休みはどうするの?」

学院は前世でいう9月に入学12月からは年越しの長期休暇になる。

遠隔地の生徒が多いし、雪が降る地方もあるので休暇が長い。

年越しの王室パーティーもあるが、夏の社交シーズンとは違って地方貴族は参加しないのが普通だ。

「うちは毎年温泉旅館を借り切ってのんびりすることになっているな。」

「温泉?」

「ああ、この国には結構多いぞ。疲労回復や美肌の効能もあるから結構人気があるな。」

知らなかった。

シロと一緒に温泉でのんびりしたいな。

「行ける宿ある?」

「行きたかったら一緒に行けばいいよ。父上も喜ぶから。」

「いいの?」

「勿論。」

「やった!」

「私のうちも温泉に行くから一緒に行きましょうよ。」

お嬢様が割り込んで来た。

「早い者勝ち、レオとシロは俺と一緒に行くことに決定した。」

マテ様、グッドジョブ。

「マテ様、ずるい~!」

お嬢様が膨れている。




長期休暇に入ったとたん、ギルドから緊急呼び出しがあった。

「というわけで、どうやらオークキングがいるようで上位種のオークも多数確認されている。森の中だけに冒険者や騎士団への被害を考えると火魔法やブレスは使えない。王国騎士団と冒険者で包囲し、王国竜騎士団の竜騎士6騎とうちのギルド所属の8騎の土魔法と風魔法で先制攻撃を掛ける。出来るだけ高位のオークを多数殲滅して地上軍の負担を軽くするのが諸君の任務だ。」

ギルマスから説明された。

「数は?」

集まっていた竜騎士の一人が発言する。

「上位種が約60、全体で600頭程と報告されている。他に質問が無ければ全員発進してくれ。指定地点で王国竜騎士団と合流して作戦行動の確認、野営後、早朝に攻撃開始だ。」

竜騎士はギルド隣の待機場に向かいそれぞれの朋輩に騎乗した。

「キュルル」

シロの声を合図に全騎が発進。

緊急時なのでギルド本部からの直接発進。

シロの指示により2回の休憩の後に合流ポイントの草原に到着する。

野営の準備をしていると王国竜騎士団も到着した。

褐竜1頭と青竜2頭、緑竜3頭。



王国竜騎士6人とギルド竜騎士8人そしてシロが集まった。

「おい、なんで竜がいるんだ?」

「シロ殿は人間の言葉が判る。しかも竜の最高指揮官だ。」

「そ、そうなのか?」

王国竜騎士は知らなかったらしい。

ギルドでは何度かの討伐作戦にレオが参加した結果、シロが作戦会議に参加するほうが効率良く安全という評価になっている。

ギルド側の竜騎士の進言で王国竜騎士団もシロの指揮下に入ることが了承された。

プライドの高い竜騎士は火魔法を得意とするものが多く、今回の討伐に参加していなかったのも良かったのだろう。

普通は王国竜騎士団がギルド竜騎士団の指揮下に入ることは無いらしい。

竜騎士が野営の準備をしている間にシロは竜達に何やら指示を出している。

「竜達は何をしているんだ?」

「得意魔法聞く。作戦指示。」

「要するに俺達の得意魔法を確認して竜の配置を指示しているという事か?」

王国竜騎士が呆れたように聞く。

「どれくらいの威力でどれくらいの精度かは朋輩の方がよく知っているからな。まあシロに任せておけば大丈夫だ。」

何度か一緒に討伐依頼に行ったギルドの竜騎士が説明する。

「そうなのか?」

「間違いない。」

納得できない王国竜騎士が他のギルド竜騎士に確認すると皆が頷いている。


「レオ殿時間だ。」

王国竜騎士団のリーダーが声を掛けてきた。

「うん。」

「キュルル」

竜達が発進した。

奇麗な編隊を組んで森の上空を進む。

眼下の森にはあちこちに騎士や兵士、冒険者が散開している。

オークの村が見えてきた。

竜達が散開する。8頭が周辺に環を描き3頭が村の中心部に突入する。

シロは村の奥にある少し大きな建物に向かう。

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

10連アイスランスの10連発、計100発を打ち込むと他の竜騎士からも次々と魔法が発射される。

地上からも上位種の矢や魔法が飛んでくるが届かない。

鎧に当たったアイスランスは弾かれるが、それでもかなりのオークが頭や腕を貫かれて倒れている。

シロには緊急時以外は魔法を使わないように教えている。

師匠に言わせると飛竜が魔法を使える筈がないのだ。

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

「アイスランス!」

再度の100連発。

「キュルル!」

シロの叫びに数頭が退避行動をとる。

上位種の放った魔法がいくつか近くまで飛んできた。

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

威力を高めたライフル弾で上位種を次々と狙撃する。

ライフル弾が鎧を貫いて次々と上位種を倒している。

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

「ライフル!」

大きめの小屋から姿を見せたオークキングにライフル弾を浴びせるとオークキングとその側近らしい上位種3頭が倒れた。

残った上位種を倒しているとシロが声を上げる。

「キュルル!」

引き上げの合図だ。

冒険者や騎士団が集落に接近してきたのだ。

後は地上部隊のお仕事。

竜がオークの集落から離れ、編隊を組んで野営地に戻る。

緑竜1頭が偵察として残った。


「お疲れさまでした。」

「うん。」

「キュルル」

野営地に戻ると王国竜騎士団からねぎらいの声が掛けられた。

「朋輩が撃てと伝えてきたときに撃つと凄く命中率が高いので驚いた。」

「シロが教え込んでいたからだろ。」

王国竜騎士の言葉にギルドの竜騎士が答える。

「何の命令もしていないのに勝手に最善の行動をしてくれたよ。」

「下手に命令すると失敗するからな。俺は一度しくじったからよく分かる。」

「ああ、シロに任せるのが1番だ。全体もしっかりと見ているからな。」

「とにかく休憩だ。朋輩をいたわってやろう。」

「「「おう。」」」

2度ほど交代要員の飛竜が偵察に出るが、戻ってきた竜騎士によると順調らしい。

夕方、作戦完了の報告が来て王都に帰還した。


9月投稿開始の初心者ですので乱文、誤字はお許し下さい。

現在 馬丁爵 https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/2464486/

   竜騎士 https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/2465526/

   自由人 https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/2469791/

   闇と光 https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/2473070/

以上の4作品を毎朝6時10分に投稿中です。お目汚しになるかも知れませんが一度覗いて頂ければ幸いです。

作者は主人公同様に豆腐メンタルなヘタレですので、ブックマークして頂ければ執筆のエネルギーになります。

これからも頑張って書き書きするので宜しくお願いします。


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