1 ゲームの設定
作者名を免独斎頼運に変更して新作、SSランク冒険者のお仕事は下着の洗濯です ~討伐依頼? そんなものありません~の投稿を開始しました。
今迄の作品は全て改訂予定ですがだいぶ先になる予定です。
申し訳ありません。
「リジェンドof竜騎士?」
いつものゲームサイトにアクセスすると新ゲーム先行配信の知らせが届いていた。
“生まれたばかりの竜を育て、竜騎士の頂点を目指す”
「いいじゃん!」
キャッチコピーが俺の心を撃ち抜いた。
ドラゴン大好き人間の俺は即アクセス。
だが画面はローディング中のまま全く変わらない。
遅い!
先行配信だけにサーバーが小さい?
ゲーム画面が立ち上がるまで部屋の中を見渡す。
ポスターにフィギュア、本にアクセサリー。
俺の部屋はドラゴンのコレクションで埋まっている。
っと、画面が立ち上がった。
洞窟っぽい部屋?
画面にはゴツゴツとした岩に囲まれた高校の体育館より広そうな場所が映っている。
画面の右側には20人程の子供達が白い線に沿って1列に並んでいる。
3人の子供が笑顔で小さな蜥蜴っぽい生き物の首筋に抱き着いている。
画面の左側、子供達から10m程少し離れ所には赤と緑の禍々しい色をした沢山の卵?が並んでいる。
幾つかの卵は既に割れている。
画面右側に並んでいた子供達が画面手前側に動き始めた。
陰になって良く見えないが、蜥蜴っぽい生き物に付き添っている子供は満開の笑顔。
未練がましく卵の方を振り返りながら足取り重く部屋を離れる子供。
悲喜交々の表情をカメラが追っていく。
画面の隅では係員らしいおっさん達が割れた卵を片付けていた。
画面が右側奥の通路をズームした。
入れ替わるようにまた大勢の子供達が入ってくる。
期待に目を輝かせながら卵の方向ばかり見て前の子供に衝突する子、緊張しているのか歩き方がぎこちない子、両手を胸の前で組み祈りながら入って来る子。
20人程の入場が終わった所で画面が洞窟全体へと切り替わる。
子供達は跪き、胸の前で手を組んで祈りの姿勢を取った。
暫くすると卵の一つにカメラ寄る。
卵がゆらゆらと動き、ヒビが入る。
やがて卵の殻が割れて何かが生まれた。
先程チラッと見えていた蜥蜴っぽい生き物。
ズームされた画面が生き物をはっきりと映し出した。
竜?
小さいけど確かに竜。
よちよちと歩きながら1列に並んだ子供達に近寄っていく。
迷うことなく真っ直ぐ一人の少女に向かい、頭を擦り付ける。
満面の笑みを浮かべた少女が小さな竜の頭に手を置いて何かを呟く。
少女と竜が淡い光に包まれた。
テロップが流れる。
”人間と竜が永遠対等な朋輩となりました“
“永遠対等な朋輩”、その言葉にバキュンと胸を撃ち抜かれた。
画面がゲームの時代背景やアイテムの説明に変わり、勇ましい音楽とともにアバター設定画面に移っていく。
絶対に面白そう。
“鑑定・言語理解・アイテムボックスは標準装備です”
まあそうなるな。
“スタートレベルは3つから選択出来ます“
うん。
“1.年齢相当・イメージ魔法。ゲーマー向き。初期死亡率は高いが生き残れれば最強まで成長できる?”
なんで疑問形なんだ?
”2.中級冒険者相当・中級魔法。お勧めコース。普通に楽しめます“
そこそこ、ってやつか。
“3.上級冒険者・上級魔法。サクサク進めます。ゲーム初心者向け”
論外だな。
一応解説を読んでみた。
“イメージ魔法は具体的かつ明確なイメージを魔力に乗せれば発動する。但し、イメージ通りになるには相応の練習が必要“
まあそうなるな。
2の中級は初級魔法4つと中級魔法2つ、3の上級は上級魔法2つと中級魔法4つ、初級魔法8つがスタート時から使えるらしい。
俺には関係ない。
1を選択するとアバター作成画面になった。
まずはかっこいいアバターを作って強い装備とスキルの獲得だな。
アイテムを装備した時に見栄えのするアバターにしよう。
説明文を参考にアバター制作に取り掛かる。
“朋輩”と出会えるのは8歳、12歳、16歳。
竜と過ごす時間は長い方が良い。
当然8歳を選択。
8歳の俺?
小学校時代の俺に似た裸のアバター。
とりあえず髪の色と目の色かな?
そんなことを考えていると、PCが突然輝いた。
“遅い! もう行くよ!”
どこからともなく聞こえる声と共に俺は意識を失った。




