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仕事の出来ない人間

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

聞く、話すの言語能力はマイナスです。


私はお世辞にも仕事が出来る人間とは言えなかった。何時も周りくどいやり方を経て解へと辿り着く。書かなくていい事を書き、やらなくていい作業をして、漸く完成形への辿り着く。そうして完成した後に、反省点を見つけてより解に近づける様にしている。

其れはメモをとる時も同じだった。言われたところをとりあえず書き殴る。必要の無いものも全て。そうして改めて、ものを見直して幾度となく清書を繰り返す。

ある時、会社の同僚の仕事風景を盗み見た。頭の良い人だった。最短の道なりで、最小のメモで、最大の結果を出していた。仕事が出来る人間だった。

そんな彼は私の作業を見て、時折助言をくれた。其れは後で纏めて考えた方が良いとか、これを使った方が早いとか。

「……やり方とか、メモとか、どうやって効率よくやってる?」

「別に効率良くはやってないけど……。必要なところだけ書いて、早そうな方法をやってるだけ」

……忘れていた。彼は頭のいい人間だった。馬鹿には真似出来ない思考回路を有していた。

私は私なりのやり方で、解を見つけるしか無いんだ。

「有難う。まぁ、私も私なりにやってみるよ」


同僚は人と異なる解釈をする人間だった。恐らく、聴き逃した部分を脳内で補完してる時に、違う解釈に至っている様だった。だから幾度となく手法を変えて、作ったもに改良を施していく。

メモをとるのも苦手な様だった。とりあえず、言われた事を全てメモに写書きする。傍から見たら読めないような殴り書きで、全てを書き記し、後で分野別に纏めて資料を作る。あまり、この世界に馴染めていないようだった。

「皆……凄いよね。必要なところだけメモをとって。なるべく簡潔に作業して」

「全て書くことが出来ないから、そうしているだけだと思うけど」

平たく言って、話している事全てを書き記す事は無謀に近い。そんな事が出来るのは、速記者だけだ。だから皆、話を聞きながら取捨選択をして、必要な事だけを書く。

俺がそう言うと、彼女は瞬きを一つして、小首を傾げた。

「取捨選択、出来ないの。聴きながらの理解が出来ないの。必ず文字に起こさないと、理解が出来ないの……」

「どうやって話した事を理解してるんだ」

「文字に書いて、読み直して理解している。私にとって耳は、何か言ってる事は分かっても、何を言ってるかは分からないんだ」

何となく、彼女の試行錯誤の理由が分かった気がした。

目に見えるものでないと、理解が出来ないのだ。だから何時も目に見える形に変換して、理解を深めている。少し難儀な性格だと思った。

「書いたものを理解するのは、仕事以外では得意だよ。読み直しが聞くから、考察が出来る」

中々に極端な事を言って、彼女は笑った。書き記されたメモは、相変わらず殴り書きの文字で埋められていた。

何か言ってるのは分かります。

何を言ってるかは分かりません。

これに尽きます。


基本的に、見る、書く、以外の言語能力はマイナスに触れているので、会議とか、質問されるのがまぁ苦手。

聞いたことを理解して、話さなくてはならないから。

その時間があまりにも短い。

だから回りくどい道を何時も通るんですよ。


まぁ、原因の一つが、板書しかしてなかった事。

先生の話をろくすっぽ聞かなかった事。

これですねぇ、問題は。


もし学生さんがお読みになっているのならば、板書は機械的に、話を聞くことに集中した方が、後で役に立ちますよ。

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