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高木の質問。

翔子さんは久田と居て平気なんだろぉか?

「あ〜!!静也くぅ〜ん!!」


可愛い声を張り上げ、翔子さんが僕の右腕に飛び付いて来た。


「わぁ…久しぶりだね。」

「うん、三時間振りくらいだね!!」


と、バカップルな会話をしていたら、周りから突き刺さる様な視線が…


「なぁ…もぉ少し、周りの目を気にしたらどぉだ?近くに居るだけで恥ずかしいんだけど…」


おい!!高木君!!そんな言い方しなくても…


「むぅ…そんなに恥ずかしい事してるかなぁ?」


唇を尖らせた翔子さんがそんな事を言う。


「充分恥ずかしいし、もぉ夏か!?ってくらいに熱いんだけど…」


脊椎反射で芦田がそんな事を言い出した。


「んな!?ソレは言い過ぎぢゃ無い!?」


翔子さんも負けじと、スゴい勢いで反論した。


「言い過ぎなもんか!!休み時間毎にいちゃいちゃされたら、目の毒なんだよ!!御堂はそんなにイケメンぢゃ無いからまだ良いけど、水野さんはめちゃくちゃ可愛いだろ!!御堂なんかやっかみの対象なのに、オレをボコったの、みんな見てたから、やっかむにやっかめない状況なんだぞ!!気付いてくれ!!」

「そんなの放っとけば良いのよ!!やっかむくらいなら、色んな努力して、パートナー探せば良いんだよ!!」

「ソレが出来りゃしてるよ!!」


な…なんて不毛な言い合いなんだ!?しかも、僕を挟んで…


「まぁまぁ、二人共その辺で…今の言い合いのが恥ずかしいかもよ?」


僕は二人を宥めてみた。


「「うぐっ…」」


二人共ぐぅの音も出ないみたいだな。なら…


「そぉ云えば…高木君は昨日、久田と会ったんだって?」


いきなりの話題転換と名指しに、高木君が反応して、素直に答えてくれた。


「ん?あぁ、ソレなんだけど…中学時代の久田と全く違う人間になってたって感じで、まるで別人だったぞ。」


なるほど…ソレは僕の感じたモノと同じだね。コレは、催眠?が解けたからだろね。

あのジュースに催眠なんて無かった。可能性としては、[神眼]か…でも、神眼なら、わざわざ催眠術みたいな事しなくても大丈夫なハズだ…と、なると[異能ジュース]の力で、強力な催眠術を手に入れた可能性が残るかな?

そぉなると、対抗手段は…やっぱり[神眼]での防御が確実だったかもね。

術者が誰なのか解らない現状では打つ手が少ないか…ま、相手が現れてからでも充分間に合うはずだ。


「やっぱりね…昨日、ウチにも来たんだけど、他人になったって感じだったよ。」

「なんだよ?お前も会ってたのか…鈴木も佐藤も狐に摘まれた感じみたいだったもんな…」

「その辺は、本人聞いてみたら良いよ。丁度居るみたいだしね。」


僕は久田の方を見た。ソレに釣られて、高木君も久田を見て、そっちに歩いて行った。


「なぁ、お前、ホントに久田美久か?」

「…はい、そぉです…」

「近藤涼子が自殺する原因を作った、久田美久か?」

「………」


久田はどぉ答えるべきか迷っているみたいだ。


「…質問の仕方が悪かったみたいだな。言い直そぉ…近藤涼子が自殺する原因を作った久田美久と同じ久田美久か?」


そっか!!高木君も久田に違和感を感じてるんだ!!だからあんな聞き方をしてるんだ!!


「…言い訳になりますが、あの頃の自分とは別人です。記憶は有りますが…あの頃は…つい数日前までは、思っても無い事ばかりしていたと記憶に有ります…今思えば、悪夢を見ていた…そんな感覚なんです…」


久田は言いにくそぉに、ソレでもハッキリと、そぉ言った。


「なんだそりゃ?禅問答みたいだな…まるで狐に摘まれた様な話ぢゃねぇか…」

「…私も…私の方がそんな感じですよ!!吉村に言われるがままに、何でもしていた…ソレが悪い事だと知っていて、でも、吉村の命令は従うのが正しい事だと思って!!そぉでなきゃ、御堂さ…んにあんな事しないわよ!!」


久田は途中から感情任せに叫ぶ様な感じで、涙を流しながら、高木君に喰ってかかっていた。

久田の事情を知るのは、僕と翔子さんだけだろぉ…催眠状態だったんだ…しかし、ソレを僕の口から言うワケにはいかない…ソレを言う為には、あのジュースの事も説明しなきゃならないからね…


「うおっ!?逆ギレか!?オレに怒鳴ってもしょぉがねぇだろぉが!?」

「…そ、そぉですね…ごめんなさい…ただ…吉村は許されるなら、この手で八つ裂きにしてやりたいくらいには憎んでます…」


あっ…高木君が少し引いてるっぽいぞ?そりゃそぉか…見た目美人のクセに、あんな激しい事言うんだもん…


「そ…そぉか…うん…なんかすまん…」


そぉ言って、高木君はすごすご引き下がった。


「なぁ、アレ…おっかなくね?」

「「「高木「君」「くん」が言うんだ…」」」


僕と翔子さんと戸次君の声が見事に重なった。

ま、高木君の凶悪な面構えからして、僕達のツッコミは正しいと判断出来る!!コレだけは断言出来る!!


「そぉだ!!わたし、まだ用事があるんだった!!ぢゃぁ、みんなまたね!!」


翔子さんは、そぉ言って、久田を引っ張って家の方に歩いて行った。


「なんだ!?あの二人、あんな関係だったか?」


芦田が、普段見慣れない、翔子さんの行動にクエスチョンマークを浮かべていた。

久田美久は、色んな人から文句を言われて、切羽詰まってたんでしょぉね…

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