久田美久の涙。
あの引きをどぉ決着付けるか…ソレが問題だ。
翌日、自分のベッドで目覚めた僕は自分のナニの状況を見て、取り敢えず洗濯をする。
いや…その…ね?若い男の子にはたまに有る事が起きていただけだから…
いぢめ問題に決着が着いた感じになって、気が緩んだのかな?そんなに溜まってたのかな?
いや!!身近にあんな魅力的な娘が居るのが悪い!!いや、居るのは良いし、目の保養にもなるし、良い事尽くめなんだけど…あぁ云う行為を嫌いなのかも知れないよなぁ…ギリギリ処女なんだもんな…性的な事に忌避感が有るかも知れないし…うぅ〜…もやもやするなぁ…
コイツも勝手に毒を吐き出してて、更に上向いてるし…朝から元気良いなぁ…あんな夢見たからか!?
夢とは云え、あんな事してたし…
そぉ、アレは夢だった…多分、僕の欲望がそのまま夢になったんだろな…しかし…妙にリアルな夢だったなぁ…
と、選択しながら下着も変えて、服を着た。時刻はまだ六時過ぎ、父さんはソロソロ起きるかな?
あっ!!その前に身体も洗って匂いを落とさなきゃ!!
って事で、シャワーを浴び、昨日食べよぉと買っていた弁当を、冷蔵庫から出し、レンジでチンをする。
そぉこぉしてたら、父さんが起きて来た…日曜にスーツですか?そぉですか…お仕事ですか?
「おはよぉ。今日も仕事?」
「あぁ、またしばらく帰れないけど大丈夫か?」
「うん。どぉにもならなかったら連絡するから。」
「あぁ、ソレは朝飯か?」
「うん、父さんも食べるでしょ?」
「そぉだな、頂こぉ。」
と、二人で朝食を摂り、父さんを送り出す。
僕は一人でりびんくに戻り、六法全書の書き写しをする。
そぉして十時前、玄関から呼び出し音が鳴る。モニターを見ると…うぐっ!!どんな顔で会えば良いんだ!?あんな夢見た後で…あれ?なんでアイツも一緒なんだ?
不思議に思いながらも玄関に行き、二人を招き入れる。
「おはよぉ。」
「おはよ、静也くん。」
「お…おはよぉ御座います。静也様…」
いつも通り明るい挨拶の翔子さんとは対照的な者が一人…かなり緊張した面持ちの久田美久だった。
玄関先で立ち話も無いから、二人共上がって貰う。
「で、キミは何の用で来たのかな?」
僕は努めて冷静に、久田に問いかけた。
「…あの…その…改めてお詫びを…」
と、久田は、切り出した。
なるほど、昨日は親の後ろに居たから、自分の口ではしっかり言えてない。だから仕切り直しって事か…確かにソレは本人の気持ちの切り替えには必要だろぉな…しかし…コイツが吉村に操られていたのも事実…被害者と云う見方も出来る。
でも、謝られたらしこりは無くなるか?答えはノーだ。僕にも久田にも少なからず残る。久田には死ぬよりツラい仕打ちをしたかったのに…内容を知った今となっては、なかなかそぉもいかない…
「…ソレと、お願いも有ります。」
えっ?お願い?何ソレ?そんな事言える立場なのか!?
あっ!!コレには流石の翔子さんも…僕のヒロインが、そんな表情しちゃダメだよ!!
「…なんか不安だけど言ってみて?」
僕がそぉ言うと、翔子さんの変顔が一段と…うん、目付きが怖いから、これ以上は見ない様にしよ…
「…はい…その…あのクソ男の吉村に傷付けられた身体を、静也様に上書きして欲しくて…」
何ですと!?久田の言葉を聞いた瞬間、翔子さんのの顔にモザイクがかけられる…いや、物理的にはかかって無いけど、僕目線ではモザイク処理されている。
コレはハッキリ言おう…
「近藤涼子ちゃん…彼女は、好きな人が居たんだけど…知ってるよね?」
自殺した幼馴染の名前を出して様子を見てみる。
久田は憶えているみたいで、顔から血の気が引いた…
「…私が…吉村に操られていた時の私が手引きをして…彼女はその後…」
と、久田は泣き出した。
「他にも同じ様にした相手が何人も居たんぢゃ無いか?」
久田は泣きながら、コクリと首肯した。
「その罪を償ってから出直すべきぢゃないかな?」
僕の言葉に久田はピクリとして、声を上げて大粒の涙を流した。
「泣けば許されるのは、幼稚園までだと思うけどね…自分も被害者だと思ってる内は誰も許してはくれないと思うよ。」
僕は優しく声をかけ、手を差し出し、立ち上がらせる。
「ツラいとは思うけど、被害者意識を考えると、逆撫でみたいになると思うし、心無い言葉を投げかけられるハズだ。でも、今なら、みんなに頭を下げられるだろ?」
僕の優しい口調と厳しい内容を久田は受け取り、僕にもぉ一度頭を下げて、何も言わずに家を出て行った。
「へぇ…エッチな事はしないんだ?ソレとも、全部終わったらするつもりなの?」
って、空気を読まない言葉を、翔子さんから貰った。
「その気は全く無いよ。」
「えっ!?もしかして…薔薇!?」
「薔薇?薔薇って?」
「あ…えと…百合の逆?」
百合の逆…?あっ!!
「そ、そんなワケ無いよ!!僕は女の子が良いんだから!!」
「えっ?女の子なら誰でも?なら久田でも良くなかった?見た目だけなら美人だし、スタイルも良いぢゃん?」
「…いや…確かにそぉかも知れないけど、アレと関わって無かった状態ならアリかもだけど…うん、無しで!!」
「ふぅ〜ん…ま、今の所はそぉ云う事にしといてあげる。」
と、翔子さんの顔からモザイクが消え、いつもの明るい翔子さんの顔に戻っていた…
ヤバっ!!夢を思い出しちゃったよ!!
泣けば許されますか?
いいえ。




