捜査の難しさ。
学校の問題を外に持ち出すのは良いのかなぁ?
最寄りの警察署から刑事さんが来た。
「待たせて悪かったね…って、あんまり待たせたって雰囲気ぢゃ無いな…」
やって来た刑事さんは安浦さんと楽しく話していた僕を見てそんな事を零していた。
「あ、お待ちしていました。どぉぞこちらへ。」
と、安浦さんは刑事さんに席を譲った。
「で、キミが…」
「はい、御堂静也です。」
「ソレで、相談内容が…」
刑事さんはソレまで安浦さんが書いていた調書を見だした。
その隙に僕は鑑定をしてみる。
[藤田洋介、四十三歳、警察官、警部補、キャリア組。
家族、妻、冴子、三十六歳、娘、恵美、十三歳]
おっ?同年代の娘さんが居るのか…コレは材料に使えるな。
「…ふむ…教員に因る暴力、その教員の少女を使った売春に強姦、自殺に追い込んだ…か、証拠は何か有るのかい?」
「そぉですね、この録音データがその一つです。」
僕は今日学校で録音した内容の全てを聞かせた。
「ほぉ、名誉毀損も有るな。しかも事実とは違う内容での名誉毀損か、コレはかなり大きいな。」
「そぉなんですか?」
「あぁ、しかも、ココまでの内容からこの二人の教師はキミを大層嫌っている様子が窺えるし、教頭は何故かキミの訴えに聞く耳を持たない感じがするな。」
「あぁ、簡単な話です。教頭と校長も校内の女生徒を犯しているからです。その証拠は吉村義隆が全て持ってます。」
「ソレをどぉやって知り得た?」
証拠が無い事実だから立証が難しいよね?でも…
「藤田警部補はどぉやって僕がソレを知ったか解りますか?」
「イヤ…全く見当も…」
「そぉですか…でしたら娘の恵美さんが吉村義隆に利用される可能性があったとして証拠が無いからと被害に遭うまで放っておけますか?」
「そんな事は…ん?何故キミは娘の名前を?何処かで会った事あるか?」
「さぁ?顔も存じませんし、藤田警部補とも、今日が初めてお会いすると思いますが…」
「ん?あれ?自己紹介してたっけ?」
「いいえ、ちなみに安浦巡査からも伺ってません。」
「待て待て!!私の事はどこで知った!?」
「今、この場で知りましたけど?」
「ウソだろ?」
「本当ですよ。あ、でしたらスマホのロックナンバーでも当ててみましょぉか?」
「わ…解るのか?」
「多分…」
「よし、やってみてくれ。」
と、了承も出たし、覗いてみますか.
[…スマートフォンロックナンバー、五四九三二八。]
って一瞬で出るのかよ!?
「えっと…どぉしましょ?安浦さんの前で口頭で?メモしますか?」
「いや、ロックナンバーを解除してみてくれ。」
と、藤田警部補にスマホを渡された。
僕は知り得た番号を入力する。
「はい、解除出来ましたよ。」
と、三秒くらいで渡した。
「んな!?何でだよ!?妻も知らないハズなんだぞ!?」
「まぁ、僕が知り得た情報…としか言えません。」
「そ…そぉか…」
なんか歯切れが悪いなぁ…
「あ、学校には連絡しないで下さいね?」
「ん?何故だい?」
「全力で証拠を隠すハズですから。教育委員会は学校に連絡して僕の訴えの事実は全く無いって言い張りましたから。」
「しかし…一応確認はしないとだねぇ…」
「ソレをすると証拠が何一つ出ませんよ?もし娘さんが僕と同じ中学なら被害者になり兼ねませんし…」
「そぉなんだが…学校を調べるのは教育委員会の仕事だから…」
「そぉですか…ぢゃぁ、証拠を盗み出せば良いんでしょぉか?」
「盗んぢゃダメだろ…相手に提出させられれば、ソレに越した事は無いが…」
「解りました、明日何処かの交番に証拠を持参させます。」
「「はぁ!?」」
二人は疑問の声を上げるけど、僕には絶対の自信が有る。
翌日の放課後、
「吉村先生、折り入って相談が有るのですが。」
と、わざわざ職員室を訪ねていた。
「なんだ?貴様から話だと!?」
「はい。」
僕はこの時、既にとある能力を発動させた。
[即席奴隷]
効果は三時間だけ相手を意のままに動かす事が出来る。ただし攻撃をしたら即解除される。生命に関わる命令は不可。任意に解除可能。一日一回使用可能。
って云う能力だ。昨夜の内にそんな能力も良いかなぁ?って作ってみた。しかし、中途半端な能力だよなぁ…
「で、なんだ?」
「はい…まずは…先生は既に帰れる状況なのでしょぉか?」
「ん?あぁ…特に残務は無いな…」
確認は出来た、三時間以内に全てを終わらせてやる!!
[即席奴隷]発動!!対象は吉村義隆!!
そぉ心の中で念じたら吉村義隆の表情が微妙に変わった。
「今から二時間以内に家に帰り、自分の違法行為の証拠の一部を持って〇〇警察署の藤田警部補を尋ねてくれ。僕もその場に行くから。」
「ワカリマシタ…」
と、生気の無い声を出して、命令に従い出した。
今は十六時二十分…十八時二十分までには警察署に行くハズだ。僕も警察署に行く事にした。バスを乗り継ぎ約一時間、僕は〇〇警察署に着いた。警察署の前で吉村義隆の車の到着を待つ。現在十八時…警察署から藤田警部補が出て来ている。
「藤田警部補、お疲れ様です。」
僕の声に反応して僕の方を見る。
「ん?キミは昨日会った御堂君だっけ?どぉしたんだい?」
「はい、もぉすぐ昨日話した内容の証拠の一部が届くハズですので待っているんです。」
「なんだって?ソレは本当か!?」
「はい、本人が持参するハズですので。」
「……………」
待つ事十分、吉村義隆の乗る自動車が警察署に着いた。
強くなった事で心に余裕が出たんでしょぉか?