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野次馬。

運行遅延証明書…そんなのホントに有るのかなぁ?

「お昼ご飯食べ損っちゃったね。」


翔子さんと二人で職員室から出た時、にこやかにそぉ言われた。

時間はそろそろ午後の授業が始まるくらいの時間だ。


「ま、仕方無いよ。異臭騒ぎで、テロの可能性も有ったって事だし…ま、犯人はアレだけど。」

「あははは!!ひっどぉ〜い。まぁ、確かにアレだよねぇ…」


と、二人で笑いながら、教室に行くと、


「おっ!?仲良く遅刻かぁ?」


と、芦田が肩を組んで来た。


「まぁ、色々あってね。」

「おぉ〜!!聞いたぜ!!テロなんだって?異臭騒ぎで大変だったらしいぢゃんか!!」

「うん、駅員さん達も警官もすんごいピリピリしてたよ。」

「犯人は捕まったのか!?」

「捕まったと云うか…」


僕は翔子さんを見詰めて救いを求めた。


「ネットニュースとかに上がって無い?見てみたら?」


と、言ってくれて、芦田は僕から離れてスマホを見る。


「おっ!!載ってる載ってる!!」


と、集中しだした。


「ホントにもぉ上がってるんだ…」

「記者の人、仕事早いよねぇ。」


と、話してたら、


「ぶははははははっ!!なんだこりゃ!?「臭過ぎるジェーケー、テロに間違われる!?」だって!!コレ久田だろ!!めっちゃ臭いもんなぁ!!臭い移りとかしてたのかよ!?」


って騒いでいる。

そこに仲間の人達も集まり、五限目が始まるまでその話題で持ち切りだった。

そして、ホームルームになって、


「え〜、久田は暫く休む事になったので、一応報告しとくぞ。」


と、柴田先生はなぜ休むのか、その理由を言わなかったけど、一人の女子生徒…久田の取り巻きだった女が、


「何故ですか?」


と、理由を訊ねた。


「え〜…まぁ、そのなんだ。本人の都合だ。オレも詳しくは知らん。以上。」


と、知ってるハズなのに話をボヤかしていた。教師もツラいねぇ…

そして、そのまま生徒達は憶測の話題で盛り上がり出した。


「はいはい、静かに!!ソレぢゃぁまた来週な。」


と、柴田先生は教室を後にした。

周りからは、異臭騒ぎと久田を関連付ける男子生徒と、女の子の日が辛くて…と云う女子生徒とで対立が起きてた。


「臭いって!!もっとデリカシー持ったら!?」

「でも…あの臭いは地獄の臭いだぞ!!」

「今日は居ないから全く臭わなかったからさ、ソレだけでも歴然だろ!?」

「私達には臭わないんだけど!?」

「オレ達には臭うんだよ!!」


ま、収拾は着かないよね。

そんな無球な時間は、部活の時間になって終わりになる。

そぉ云えば…


「翔子さんは部活決めた?」

「ん?何も決めて無いよ?静也くんは?」

「ん〜やりたい事が無いんだよね…父さんと相談して決めるかな…」

「あ、ソレ良いかもね。」


と、その日も二人で帰途に着く。僕の家の最寄り駅に着き、外に出ると、駅前は騒然としていた。そんな中に高木君達を発見した。


「高木君!!この騒ぎは何なの?」

「おっ?御堂に水野さんか。いやぁ、朝、ココでテロ騒ぎが有ったって聞いてな…」

「野次馬だ、野次馬!!」


結論を言ったのは鈴木君だった。


「なんだ、そぉだったんだね。ま、テロ騒ぎとは云うけど、異臭騒ぎだっただけだよ。」

「異臭騒ぎ?テロぢゃ無かったのか?」

「うん。昼前には臭いも無くなって、普通に運行し出したからね。」

「ソレ、原因は何なんだよ?」

「さぁ?良く解らないけど、久田が臭かったらしいよ?」

「久田?久田美久か?」

「うん。」

「あの見た目だけにはやたらと気を使ってたアイツが臭いのか!?」

「みたいだよ。警察に連れてかれてたの見たから…」


と、高木君達と話してたら、


「よぉ〜、お前等も野次馬かぁ?」


って、戸次君達が声を掛けてきた。


「高木くん達はね。わたしと静也くんは普通に学校帰りだよ。」


と、翔子さんが答えてた。


「ああま…二人は進学校だったっけ?」

「うん。」

「朝、大変だったんぢゃない?」

「おかげで、お昼食べ損っちゃったよ。だから、今から静也くんちで、二人で食べるんだぁ。」


翔子さんの言葉を受けて、戸次君が僕を見て…


「リア充…大爆発しやがれ!!」


とか、呪いの言葉を吐き捨てて来た。


「ソレは何なのさ!?ちょっとヒドくない?」


と、僕が反応した所、みんなが笑い出した。


「御堂、許してやれよ。コイツ、この前ナンパしまくって、一人も靡かなかったらしいからさ。」


なるほど…僕がいつも翔子さんと仲良くしてるから、羨ましいのかな?


「そっかぁ…僕はたまたま、最高の女性がクラスメイトになって、仲良くなれたからなぁ…一生分の運を使い果たしたかもよ?ソレを考えたら、戸次君は大丈夫だよ!!背も高いし、筋肉質だし、モテる要素はいっぱい有るでしょ?」

「ん?…あぁ…まぁそぉだな。イヤな慰められ方だし、御堂が言うと、余裕振りやがって…とも思うぞ?」

「ソレは仕方無いよ。ホントに最高の女の子と仲良くなれたんだもん。」


と、胸を張って、威張ってみる。


「はぁ…お熱い事で…ってか、やっぱりテロはもぉ収まってる感じか?」

「最初からテロぢゃ無かったって事だよ。ただの異臭騒ぎが大きく報道されただけだから。」

「なぁ〜んだ…ま、何事も無かったんなら良かったけどよ…二人も気を付けろよ?」

「うん。」


と、皆んなと分かれ、僕と翔子さんは家路に着いた。

やっぱり、事件や報道が入ると野次馬も出るよね。

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