表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/172

逮捕。

から揚げは魔法の食べ物ですねぇ…

翌日、翔子さんと登校していると、駅前で何やら騒ぎが…なんだろ?


「なに?あの騒ぎ?」

「なんだろ?」


僕は手近に居た人に訊ねてみた。その答えは…


「あの…何か有ったんですか?」

「ん?あぁ、異臭騒ぎだとさ。」

「異臭?」

「なんでも、駅員が気付いた時には、電車内に充満してて、とてもぢゃ無いが、客を乗せられないくらいに臭いが染み付いてたんだと。」

「うわぁ…テロとかぢゃ無いですよね?」

「さぁ?でも、解んねぇぞ?地下鉄サリン事件とか有ったくらいだからなぁ…」


との事だ。しかし、異臭騒ぎだけでこんなになるとは…しかし…


「地下鉄サリン事件?何だろそれ?」


翔子さんの呟きに、僕はスマートホンで検索する。


「あ、あった!!三十年くらい前に有った、テロ事件…宗教絡みのテロだって…」

「宗教?宗教がテロとかするの!?」

「うん…弁護士を狙ってのテロで、かなりの数の人が亡くなってる…」

「そっかぁ…そんな事が有ったんなら、これだけ警戒するのも頷けるね。」

「うん、まぁ、今日は遅刻確定かな?学校に連絡だけはしとこぉか?」

「あ、そぉだね。」


と、僕はそのまま、学校に連絡をする。


『はい。〇〇高校です。』


電話に出たのは女性で…誰だろ?まぁ良いや。


「はい。特進科一年の御堂静也です。実は…」


僕は駅で異臭騒ぎが有って、遅刻する旨を伝えた。


『あぁ、今、ニュースでやってますね。他に当校の生徒は居ますか?』

「はい。同じクラスの水野翔子さんも一緒です。他は…見当たりません。」

『解りました。担任にはこちらからお伝えしますね。』

「はい。ありがとぉございます。」


と、遅刻は了解されたみたいで何よりかな?

しかし…スゴい有り様だなぁ…怒号が飛び交ってるよ…

と、駅近辺を眺めてたら…


「くさっ!!何だこの臭いは!?」


と、一人のオジサンが声を上げた。

その声を引き金に、周りの男性達から異臭がするとの声が上がる。近くに居る女性達は…なんか平気みたいだけど…鼻炎かな?

ん?男の人からだけか!?えっ?まさか…

僕が異臭騒ぎの中心部に目をやると…

居たよ元凶が…もぉキミは引き篭もっててくれるか?


「あ…久田だよ…って事は、コレ、静也くんのせい?」


なんて事を翔子さんが言い出した。


「んな!?なんでそぉなるのさ?僕は何も知らないよ?」


仕方無い…僕は頭の中で一つ思い付いた事を実践する。

思い付いた事…臭いの解除方法…全ての人に敬意を持つ事。ソレが解除方法になる様に設定をする。


『設定変更は受理されました。既に効果を発揮している対象に共有しますか?』


頭の中にそんな声が響いた。

僕は心の中で、はい。を選択する。


『了承。設定変更に因り、臭いが異性のみから全生物に変更されました。』


ってちょっと待って!?全生物!?ソレは…今まで臭って無かった女性も含まれませんか!?


「翔子さん…ごめん…あの臭い…女性も経験する事になったみたい…」

「えっ?あの臭い?」

「あのクソ女から発せられる臭い…」

「うそ…」

「ホントだよ…」

「サイテー…」

「えっ!?ごめんなさい…」


サイテーとか言われたよ…嫌われたかな?


「ま、謝ってくれたから許してあげる。」

「ありがとぉ!!」


笑顔が眩しいけど、次の瞬間、笑顔がしかめっ面になった。


「くさっ!!何この臭い!!」

「僕は結構慣れたから良いけど…初めてだったらキツいよね?」

「慣れるモノなの!?」

「そこそこは…でも、めっちゃ臭うよ…」


と、話してたら、臭いの元凶が騒いでいた。


「離せよ!!何の権利が有って掴んだんだよ!!この変態!!」


よく見ると、駅員さんに捕まってるね…


「何の権利って…そんな臭いをばら撒かれてたら溜まったモンぢゃ無いんだが?」


って…駅員さん、正直過ぎないか?あんな事言って大丈夫なの?


「うわぁ〜…駅員さん正直だなぁ…」


翔子さんも正直正直だよね?


「まぁ、気持ちは解らないでも無いけど…もっとオブラートに包めば良いのに…」

「包んでも仕方無いでしょ?」

「まぁ、そぉなんだけど…」


と、翔子さんと話してたら、警察が…いや!!物々し過ぎない!?


「ご苦労様です!!」


って警察?の人が駅員さんに挨拶していた。アレ?言い方は丁寧だけど、正確には「お疲れ様です。」だろ?国語をちゃんと勉強して来たら?


「あれ?逮捕して無い?大丈夫なのかなぁ?」


あ、ホントだ。手錠までされてるぞ?なんでだ!?テロリストとかと思われたか!?


「えっ?えっ!?ウソ?アレ大丈夫なの?」

「…どぉだろ?牢屋に入っても余りの臭いにいぢめられたりして…」


久田美久はぎゃぁぎゃぁ喚きながら、連行されて行った。

多分だけど、テロリストか何かだと思われたかもね…裏事情とか聞かれるのかもね…


「静也くんは大丈夫?」

「ん?何が?」

「あれ、絶対静也くんを巻き込むわよ?」

「巻き込まれても、何も証拠は出ないよ?とんだ濡れ衣だよ。」

「確かにそぉね…」


と、クソ女が連行された直後から、異臭騒ぎが収まっていき、三十分くらいしたら、


『皆様には大変ご迷惑をおかけ致しました。異臭は収まりましたので、安全確認が出来次第運行を再開致します。今暫くお待ち下さい。』


と、アナウンスが有った。


「盛大に遅刻だね。」

「ま、学校には連絡したんだから、遅刻扱いにはならないかもね。」


暫くして運行が、再開され、僕と翔子さんは運行遅延証明書を貰って学校に行った。

学校に着いたのは、昼休みの時間だった。

あれ?予想して無かった展開だぞ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ