夕飯。
お兄さんは怖い人なのか!?
「ただいまぁ!!」
「おじゃまします。」
隣のマンションの三〇八号翔子さんの住んでる所だ。
僕は夕飯をご馳走になりに来た。
「おかえり。静也君も自分のウチと思って楽にしてね。」
優しく声をかけてくれたのは翔子さんのお母さん。とても四十代には見えない美魔女だ。背が低いからそぉ見えるのかな?
「はい。お気遣いありがとぉございます。あ、コレ、つまらないモノですが。」
一応家に有った適当なお菓子を持って来ていたので渡しておく。
「あらあら、ご丁寧に。さ、上がってくださいな。」
「はい、お邪魔します。」
と、翔子さんのお母さんに促され、お邪魔する。リビングダイニングに通された。
うん、かなり整理整頓されてるね。
「静也君ちと比べて少し狭いけど、気にしないでね。」
「いえ、そんな事ありませんよ。」
「ありがとぉ、ほら翔子は早く着替えてらっしゃい。」
「はぁい。」
と、翔子さんは着替えに向かった。
その瞬間、翔子さんのお母さんがずずいと寄って来た。
「…で、翔子とはどこまで進んだの?最低でも、ちゅっちゅとかはしてるわよね?もしかして妊娠はしてないけど、そこまでしちゃってる!?」
どっかの下世話なおばさんか!?
「えと…手を握って貰うくらいは有りますけど…」
「はぁ!?今時小学生でももぉちょっとしてるでしょ!?二人きりの時間も多いでしょ!?家に何度も入れてるんでしょ!?」
「えと…ウチでは勉強や食事とかだけですね…」
「あちゃぁ…私も旦那も孫の顔が見れるかもって期待してたのに…」
「いや…そんな期待しないで下さいよ…」
「そぉ?ま、我が家としては、あの子が妊娠しても、文句は無いわよ。」
「文句は言いましょぉよ…まだ若いとか、まだ早いとか…」
「まぁ…そぉね…高校は卒業してからの方が無難かもね…」
って、この人はこんなキャラだったのか!?孫の顔が見れるかもとか、翔子さんの小さな身体の負担とか考えましょぉよ!!
「ん!?まま!!近いよ!!静也くんから離れて!!」
可愛い服に着替えて翔子さんが割って入ってくれた。
「あら?今日はいつもの着ぐるみ寝間着ぢゃ無いのね?あ…静也君が居るからかな?」
「ちょ!?何言ってるのよ!!」
翔子さんは耳まで真っ赤にして捲し立てている。可愛いなぁもぉ…
しかし着ぐるみ寝間着か…
「どんな着ぐるみ寝間着なんですか?」
おっと、心の声が漏れちゃったよ。
「えっ!?いや…そんなの着てないよ?」
翔子さんは両手を前に突き出し、ぶんぶん振りながら首も振って…何だこの可愛過ぎる生き物は?
「犬や猫、トラやウサギも有ったわよね?冬は歩ける寝袋とかも…」
と、翔子さんのお母さんの暴露に、
「ま、ままは嘘を言わないで!!」
耳まで真っ赤にしてまぁ…多分嘘ぢゃ無く本当なんだろぉな…うん、なんか似合いそぉで微笑ましいぞ!!
「はいはい。さて、丁度、余らずかもってなったご飯にしましょっか。」
と、用意されたのはなんとも美味しそぉなにおいのする、唐揚げだ!!すまし汁にサラダ。
栄養バランスは…うん、唐揚げに傾くよねぇ…唐揚げの魔力はヤバいよね!!
「いただきます!!」
僕は、まだ痛む左手も使い、手を合わせる。
まずは…やっぱり唐揚げにいっちゃうよなぁ…
まず口に含んで…一気に咀嚼!!
「うまっ!!お姉さん!!コレめっちゃ美味しいです!!」
僕は堪らずご飯を口に含み、次にお野菜も頂く。
「お…お姉さん?あらあら…」
翔子さんのお母さんは頬を染め、めちゃくちゃ照れてる…
あ…見た目に引っ張られて「お姉さん」言っちゃったよ!!訂正するのも悪いから流しとこ…
「静也くん、そんなに慌てなくても大丈夫だよ?」
隣の翔子さんが、麦茶?を薦めてくれる。
僕はソレで口の中身を胃袋に流し込む。
「ごくごく…はぁ…幸せぇ〜…」
「もぉ…大袈裟だなぁ…」
「大袈裟ぢゃ無いよ。こんな美味しいモノ、翔子さんのお弁当以外ぢゃ初めてだよ!!」
「えっ!?まぁ…うん!!ままの料理は最高だからね!!」
「うん、翔子さんが料理上手な理由が解った気がするよ。」
と、二人で料理を褒めても、
「…お姉さん…」
と、翔子さんのお母さんは上の空っぽいな…言い間違いはダメだと感じた出来事だった。
「ご馳走様でした。」
「お粗末様です。おウチのご飯と比べないでね?」
「いえ、ウチの母も料理上手ですが、この唐揚げに勝てないと思いますよ。」
「あらあら、まだまだあるから持って帰る?」
「良いんですか?」
「勿論!!そんなに喜んで貰えると、作った甲斐が有ったわよ!!」
正直、ウチの母さんは揚げ物料理はほとんど作ってくれない。こぉ云うジャンキーな料理もたまには良いよね?
僕はあまりモノの唐揚げを貰い、
「本日はお世話になりました。また機会が有りましたらお邪魔させて頂きたく…」
「えぇ、えぇ、いつでも来てちょぉだい。静也君は家族も同然なんだから。」
「そぉ言って貰えるとホントに嬉しいです。ではおやすみなさい。」
「はい。ぢゃぁまた今度ね。」
と、翔子さんのお母さんと別れの挨拶をして、」
「ぢゃぁ静也くん、また明日ね。」
「うん。また明日。」
と、水野家を後にした。
明日は金曜だ。またあのクソ女との対決かな?まだ文句言って来るなら、どんな事をしてやろぉかな。
先生をお母さんとか云う間違いはネタとして良く使われてるけど、無意識で母をお姉さんって…




