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お兄さん。

双子…毒舌…

「可愛い娘達だったね!!弥生ちゃんと飛鳥ちゃん!!」


高木君達と分かれて、家路を歩く中、水野さんがそんな事を言って来た。

あんなにイヂられてたのに、良いのかそれで!?


「まぁ、確かに可愛いけど、あんなに可愛いって言われてたのに?」


三つも歳下の相手に更に歳下に見られてたのに…


「ん?あぉ…慣れてるからね。小学生に見られるのって。」


水野さんは屈託無く微笑んだ。

ん?待てよ…そんな幼く見える水野さんに好意を持ってる僕って…まさかロリコン!?いや!!同い歳って知った上でだからセーフだよね?


「そ…そぉなんだ…僕からしたら、僕なんかよりよっぽど大人に見えるんだけどなぁ…」

「えっ!?わたしが大人?」

「うん、その…見た目は可愛い女の子って感じだけど、話してると、やっぱり僕の方が子供に思えて来るよ。」

「もぉ…なにそれ?わたしなんてただの甘えん坊だよ?」

「そぉなの?僕にも甘えて欲しいなぁ…」

「えっ!?えと…加減が解ん無いから…み、御堂くんから甘えてよ!!わたし、甘えられる事無いからさ…」

「ん〜?そっかぁ…でも、僕は甘え方知らないからなぁ…」

「だったら、わたしにお願い事とか無い?」

「お願い事…御両親の許可が出たら、夕飯一緒にとかかな?また、水野さんの作ったご飯食べたいな。」

「良いよ。でも…水野さんぢゃ無く、翔子って呼んでくれるなら…ね!?」

「えっ?あ…その…翔子さん…」

「[さん]は要らないよ!!」

「…流石にそこまでは…」

「もぉ…仕方無いなぁ…静也は…」


水野さ…翔子さんは頬を染めて、僕の名前を呼んだ。

アレ?今までは、御堂くんだったよね?いきなり呼び捨て?まぁ良いけど…

と、二人で僕の家に入っていく。


「さて、晩御飯まではまだ時間が有るから、先に宿題済ませよぉか?」

「うん、そぉだね。」


と、二人で宿題を終わらせる。


「終わったぁ〜!!」

「お疲れ様。」


無邪気に万歳をする翔子さんに麦茶を出してあげる。

僕はひと足先に宿題を終わらせ、六法全書の書き写し中だった。


「もぉ…静也の頭の中どぉなってるのよ?モノの二十分程度で終わらせるとか…」

「まぁ、まだ中学のおさらい程度だからね…せめて、大学受験程度の問題なら少しは手間取るかもだけど…」

「うぅ〜…その学力の半分で良いから欲しいよ…」

「半分って…まぁ、両親が両親だからね…」

「そっか…血筋って事だよね…」

「違うよ。両親が優秀なのは努力の賜物で、その努力の方法を両親から教えて貰っただけだよ。しかも、勉強は面白いって教えられて来たからなぁ…正解を出すのが楽しい…クイズとか、そんな感じで勉強して来たから、自然と勉強をするのが楽しくなったんだ。あと、解らない事はすぐに聞ける様にリビングで勉強するクセも付いちゃってて…」

「なぁ〜んだ。そっかそっか。部屋で宿題しないのはそぉ云った事なんだね。わたしを部屋に入れたく無いとか、そんな理由かと思っちゃったよ…」

「あははは…そんな事は無いよ。まぁ、あまり片付いて無いのは確かだけどね。」

「そっか…今度一緒にお掃除する?」

「ん?良いの?」

「良いよ!!」

「ぢゃぁお願いしよぉかな。」

「うん!!」


と、話してたら、ピルルルルと、翔子さんの携帯電話が鳴り出した。


「あっ、ままからだ。はいはい!!えっ?うん、御堂くんちだよ?えっ!?そぉなの?うん!!解った!!ぢゃぁすぐ帰るね!!」


と、電話を切った。何やら急用かな?


「ねぇ静也、今夜はウチで食べない?ままが用意してるって!!勿論静也の分も!!」

「えっ!?良いのかな?」

「良いんだよ。お兄ちゃん達が今日は要らないって電話して来たんだって。」


なるほど、余らすよりは僕に恵んでやろぉってトコかな?


「ぢゃぁ、お言葉に甘えてご相伴にあずかろぉかな。」

「うん!!それが良いよ!!左腕もまだ安静なんだから。」

「だね。」


と、僕は着替えて、家の戸締りもして、翔子さんの住むマンションにやって来た。何気にここに入るのは初めてなんだよね。


「ん?おい、翔子!!ソイツは何だ!?」


マンションの入り口付近で、怖そぉなお兄さんに声をかけられた。


「あ、お兄ちゃん!!ほら、前に話したでしょ?高校で仲良くなった…」

「あぁ、この子がその?」

「うん!!御堂静也くん!!」

「そぉか。」

「あ、初めまして、御堂静也と申します。」


と、挨拶をしたところ、翔子さんのお兄さんは、僕をじっくり観察して来た。なんか緊張するな…


「なんかひょろっとして頼り無さ気なんだが…」

「あははは…まぁ、そぉですよね…」

「でも、親父の認めたヤツだ。心配無いだろ。コレからも翔子と仲良くしてくれよ?」

「はい!!」

「泣かせたりしたら、地の果てまでも追い詰めてしっかりケジメは付けて貰うからな?」

「は…はい…」


なんか怖いんですけど…


「お兄ちゃん!!あんまり脅さないでよ!!わたしの大事な人なんだから!!あんまりそんな事すると…お兄ちゃんとは口きいてあげないんだから!!」


翔子さんはプンスコしてるけど、それがまた可愛い…


「解ったから怒るなよ!!ぢゃぁ、オレはちょっと用事が有るから行くけど、男は狼なんだから気を許しちゃダメだぞ?」

「解ったから、早く行ったら?遅れたら怒られるよ?」

「ん?あぁ…解ってるとは思うが、邪な気持ちを持つなよ?」


と、翔子さんのお兄さんは僕を睨み付けて来た。


「あの…お言葉ですが、あんな魅力的な女性に邪な気持ちを抱かないなんて僕には出来ません…」

「なんだと?」

「…ただ、それを抑え込むのが理性有るおとこと言えると思うのですが?」


僕の言葉に凄んで来た翔子さんのお兄さんは、僕の最後の言葉を聞いて、


「あははは!!一本取られたな!!その通りだ!!わがままで甘えん坊なヤツだけど、よろしくな静也!!」

「はい!!」


と、翔子さんのお兄さんと握手をして、翔子さんのお兄さんはどこかに行ってしまった。


「静也…スゴいね。お兄ちゃんを言葉でやり込めちゃうなんて…」

「えっ?やり込めた?違うよ。僕は本心を言っただけだから、お兄さんが大人なだけだよ。」

「えぇ〜?今までにわたしを口説こぉとした人達はみんなお兄ちゃんが怖くて逃げてくれてたのに…」

「僕も逃げ出したかったけど、そぉすると翔子さんとの仲がソレまでって感じちゃって…」

「…ばかっ!!」


バカって…なんか嬉しそぉにしてるけど…ま、第一関門突破かな?

お兄さんは怖い人なのか!?

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