小悪魔。
恐喝現場ってなかなか見ないですよね?
「僕?ただの通りすがりだけど?」
背の高い男に本当の事を伝えた。
「そぉか…で、コイツとの関係は?」
来た!!その言葉を待ってたんだ!!
「そぉだね…キミ達と似た様なモノかな?」
「どぉ云う事だ?」
「中学の頃は毎日の様に僕をいぢめてくれてたんだ。ま、首謀者ぢゃ無いにしろ、高校でもソレを続けよぉとしてたし…もし、松木に何かするんなら手伝うよ。」
「なんたと?いぢめ?そんな下らねぇ事してたのか?」
「うん、僕と友達三人以外のクラスが一丸となってね。」
「…ソレ、かなりハードぢゃね?他に味方になってくれるヤツとか居なかったのか?」
「居るワケ無いよ。みんなハブられたく無いだろぉからさ…」
「そぉか…よし!!オレはそこの高校の戸次ってぇんだ!!今度またコイツに何かされたら言って来い!!オレ達が味方になってやる!!」
おっと!?不良のくせに妙な正義感が出て来たぞ!?コレは計算外だな…でも、利用してやれ!!
「えっ!?戸次…君?あれ?他に戸次君って人、高校に居るのかな?」
「戸次ってオレだけだぞ。」
「なんだ…ぢゃぁ、松木はウソ吐いてたんだ…」
「ウソ?」
「うん、そこの高校の戸次って人が三人組で突っかかって来たから、半殺しにしてやったって、自慢してたんだよ。」
嘘八百を並べ立ててみる。
「ちょっ!?おま…何言って…」
松木はめちゃくちゃ慌ててるよ!!ぷぷぷ…笑っちゃダメだ!!
「へぇ〜…お前面白れぇな…」
「お前、死刑確定ね?」
「ちょっ!?」
戸次君以外の二人が松木に睨みを効かせる。
「あっ、お前、高木良臣って知ってるか?例の潰れた、いぢめ中学に居たらしいんだが…」
「うん、高木君と佐藤君と鈴木君が僕の味方をしてくれてたんだけど…ソレが何か?」
「そっか…悪りぃ事したなぁ…」
「えっ?何か有ったの?」
「いぢめをしてた側と思って何度か喧嘩してんだよ…明日謝ってみるよ。」
「あぁ…そっか!!高木君達が言ってた強い人が居るって、戸次君達の事かぁ!!」
僕はまた少しウソを言う。
「えっ?そんな事まで話してたのか!?」
「うん。」
「そっか…出来ればアイツ等とは仲良くしてみたいな…」
「僕からも話してみよぉか?」
「あぁ、そぉしてくれると助かるよ。」
戸次君は人懐っこい様な笑みを浮かべて、友達二人に混ざり、三人で松木をぼっこぼこにしていた。
うん、僕と違って[頑丈ジュース]呑んで無いだろぉから、めっちゃ痛いんだろね。ま、僕が中学の頃、毎日されてた事が一瞬だけ返って来たと思って諦めてね。
数分間、三人に殴る蹴るをされ、意識が飛びそぉになってる松木は、
「ずびばぜんでじだ…ずびばぜんでじだ…」
と泣きながら、大声を出している。
「コレに懲りたら二度とデケぇツラすんぢゃねぇ!!ソレから、今後、アイツに何かしたらこんな程度ぢゃ済まさねぇからな!!」
と、戸次君は松木にツバを吐きかけて去って行った。
「ねぇ、松木、僕は中学の時、毎日そんな感じになってたんだよねぇ…どぉ思う?キミと違って、謂れの無い暴力に晒されてたんだよね…今日の事、僕を恨むかい?恨んでも良いよ。」
と告げたんだけど、松木は鼻水を流しながら泣いてて、聞いて無い様な感じだ。
「お前、意外と血も涙も無いんだな…」
僕の言動を見ていた、高木君は僕にそぉ告げた。なんて失礼な!!
「そぉ?今までされて来てた内の一パーセントでも返そぉと思っただけだよ。」
「一パーセントねぇ…アレでそぉだったらオレなら登校拒否するぞ…」
「僕は自殺一歩手前まで行ってたよ…」
「「「んな!?」」」
僕の言葉に高木君達は言葉を失っていた。
「ソレより、さっきのウソ、どぉするの?」
「ウソ?」
「ほら、戸次って人達を半殺しにしたとかって言ってたでしょ?」
「あぁ…ソレね。人はソレが例え嘘でも、信じたい事を信じる生き物なんだよ。だから戸次君達にとっては真実なんだよ。」
「うわぁ…最低の発言なんだけど!?」
「幻滅した?」
「覚悟を持ってしてるなら逆に見直したよ。」
「アイツが僕を恨むならそれでも良いって思ってるけど、恨め無いと思うよ。僕がされてた事を考えたらさ。」
そぉ、嘘に踊らされて、僕をいぢめていたヤツだ。同じ事が自分に降りかかっただけなんだよね。因果応報ってヤツかな?
「まぁ、アレだ。御堂が元気になって良かったって事だな。」
「だな。」
「うんうん。」
と、高木君達は少し引き気味にそぉ言った。
なんか、僕…変わったのかも…ま、そんなの気にしてらんないか。
当面の目標は久田美久に地獄を見せる事だからね!!
「ソレはそぉと、お前の学校に久田が居るんだろ?」
と、鈴木君が聞いて来た。
「えっ?うん…」
「何も悪さされて無いのか?」
「めっちゃ文句ばっかり言われてるよ。」
「大丈夫なのか?」
「一方的に言われてるだけで、相手にして無いから余計に文句言われてるよ。どんだけ構ってちゃんなんだか…」
僕が呆れ気味に言うと、
「なるほど、見方を変えるだけで、そんな風に見えるのか。良い傾向だな。」
「そぉだな。オレ達をウザいとか言い出さない事を祈るぜ?」
佐藤君と、高木君が笑いながら肩を噛んで来た。
「あははは!!そんな風には思わないよ。」
「でも、たまに邪魔に思うだろ?」
「水野さんと居る時はね…って、恥ずかしい事、言わせないでよ!!」
佐藤君のボケに真面目に答えちゃったよ…
「えぇ〜?わたしと居るのって恥ずかしいんだ?」
水野さんはおどけながらそんな事を言う。
「いや、違うよ!!冷やかされるかもって思ったら…」
ってなんで僕が攻められるターンになってるんだ!?
「うふふふ…解ってるよ。ちょっとからかってみただけだよ。」
と、その笑った顔がなんとも言えない可愛さを醸し出して、男四人、頬を染めてしまった…
松本君はあの後どぉなったのでしょぉか?




